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『ごめん、愛してる』、韓流ドラマ風演出で台無しも大竹しのぶの「クソババア」ぶりが見事

サイゾー のロゴ サイゾー 2017/07/23
© Cyzo 提供

 TOKIO・長瀬智也主演の連続ドラマ『ごめん、愛してる』(TBS系)第2話が、16日に放送された。役者陣の魅力が感じられるようになってきた一方で、一種独特なチープさが視聴者側の感情移入を阻んでいる。

 幼い頃に母親に捨てられ、韓国の裏社会で生きてきた岡崎律(長瀬)は、ある日頭に銃弾を受け、いつ命が尽きてもおかしくない体になってしまう。最後に親孝行を、と思った彼は日本で母・日向麗子(大竹しのぶ)を探し出すも、もう1人の息子・サトル(坂口健太郎)を溺愛する麗子は、律が自身の子であることに気づかない。

 それどころか、第2話では心臓発作で溺れかけたサトルを助けた律に向かって、「顔を見れば、ロクな育ち方してないってわかる。野良犬みたい」と言い放つ。しかも麗子は律を野良犬と認識したからこそ、サトルのボディーガードに任命し、「万が一の時に、身を挺してサトルを守ってもらいたいの」と言い渡したのだった。

 さらに麗子は「世の中には、価値の高い命がある」として、サトルがそうだと微笑んでいた。裏を返せば律の存在を軽視していることになり、言葉を無くす律。作中の別シーンで律自身も言っていたが、麗子はとんだ「クソババア」なのだ。

 だが、そんなクソババアを、大竹は見事に演じている。上品な雰囲気と、おっとりした口調、そのおっとり感が醸し出す“毒気”など、これらは女優・大竹が持つ魅力で、彼女でなければ麗子はあそこまでクソババアにならない。まさにうってつけのキャスティングだった。

 そしてもう1人、サトルを演じる坂口も今回の“お坊ちゃま役”は実に良い。今年1月期に放送された連続テレビドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)では、辛口でクールなモデル・KEY役を演じていたが、正直に言ってまったく似合っていなかった。演技もセリフもたどたどしい坂口には、それもキャラクターとして許されるサトル役がピッタリなので、同ドラマで挽回できるだろう。

 このように、役者と配役は悪くないのに、それらを台無しにしているもの……それは、“韓流ドラマ風”の演出だ。そもそも律の境遇や麗子の発言など、現代の日本ではリアリティに欠ける。

 また、今話では麗子を崇拝する三田恒夫(中村梅雀)が、赤ちゃんだった律を捨てに行った場面を回想するシーンがあった。娘の凛華(吉岡里帆)から、“親がいなくて苦労して育った男”として律の話を聞いた恒夫は、その夜、1人で窓から風の吹き荒れる外を眺め、律を置き去りにしようとしていた情景を思い出す。この演出を見たとき、なんというか古臭く、「韓流に寄せているのだろうか」と冷めてしまったのだ。

 もっと言えば、ヒット作を連発しているTBSの「日曜劇場」枠にしては安っぽく、一瞬“昼ドラ”を見ているのかと思ったほどの演出だった。むしろこの内容なら、日曜夜よりもお昼のドラマとして放送したほうが、主婦層にウケたかもしれない。「ジャニーズの昼ドラ出演」だって、実現すれば大きな話題を呼びそうだ。今後もドロドロ展開が続くようだし、局は完全に放送枠の選択ミスを犯したのではないだろうか。(文=美神サチコ/コラムニスト)※画像は「Thinkstock」より

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