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『アイマス』は“先へ先へ”と今なお進むーー「デレマス」4thライブにみたコンテンツのさらなる可能性

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/11/01 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 10月15日と16日の2日間、さいたまスーパーアリーナにて開催された『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 4thLIVE TriCastle Story』は、シンデレラたちの道程を確かめるとともに、先へ先へと進み続けるコンテンツの未来を提示してみせたライブだった。 (関連:クラムボン・ミト×『アイマス』サウンドP内田哲也が語る、アイドルアニメ・ゲームに“豊潤な音楽”が生まれる背景)  今回の4thライブは「TriCastle=3つの城」を題材にした物語のもとに進行しており、9月3日、4日には神戸ワールド国際記念ホールで1つ目の城『Starlight Castle』として、『スターライトステージ』(以下、デレステ)をメインにし、3Dモデルも活用したライブを披露。さいたまスーパーアリーナ公演の2日間は『アイドルマスターシンデレラガールズ』(以下、デレマス)を中心とした構成で、CV担当声優に決まってから間もなかったり、初出場だというアクトが多かった15日の『Brand New Castle』、物語の舞台である「346プロダクション」の名を冠し、CINDERELLA PROJECTのメンバーが顔を並べた16日の『346Castle』として行なった。筆者は神戸の公演を未見のため、あくまで10月15日、16日のライブを体感したうえでの見解を述べたい。  まず15日の『Brand New Castle』は、サプライズゲストを含めると26人が出演。ライブ冒頭には、それぞれがSSRカードを再現した衣装で登場したあと、神戸公演で新曲として歌われた「BEYOND THE STARLIGHT」を1曲目として披露するなど、繋がりをしっかりと感じさせる小粋な演出も。序盤〜中盤はかぼちゃの馬車(トロッコ)も使って縦横無尽にステージを使用するなど、とても初めての面々が多いとは思えない、堂々とした立ち回りでライブは進行。各自がソロ・ユニット曲を歌唱するなか、特に会場が盛り上がったのは、鈴木絵理、山下七海、和氣あず未による「ミラクルテレパシー」を披露後、「To my darling…」のイントロが流れ、ステージに輿水幸子の声を演じる竹達彩奈がサプライズゲストとして登場した瞬間と、彼女が幸子の声で「世界一かわいいボクにプロデューサーさんが会いたがっていると聞いたから会いに来たよ〜」と発言した瞬間だった。  また、この日を語るうえでは“Brand New”なシンデレラの台頭も欠かせない。木村珠莉が熱唱した「Lilac Time」、山下七海による「Radio Happy」、青木志貴の「共鳴世界の存在論」、種崎敦美の「恋のHamburg♪」、下地紫野の「恋色エナジー」、藍原ことみの「秘密のトワレ」と、初出演メンバーがソロ曲で次々にキャラクターや楽曲の世界観を表現。そしてハイライトは「ハイファイ☆デイズ」のイントロが流れ、今井麻夏と春瀬なつみがステージに登場したあとに続いて久野美咲が姿を見せると、会場からは割れんばかりの歓声が上がった。彼女らは口々に緊張したことを明かしていたが、見ている側としてはそんなことは微塵も感じさせないほど堂々としたステージングだったし、彼女たちが“アイマスの未来”を背負っていくことが何より頼もしく思えた。  そんな“Brand New”な面々がしっかりと役目を果たした次の日は、アニメの主要キャストが勢揃い。プロデューサー役の武内駿輔が低音でメンバーを呼び込むと、「Star!!」「Shine!!」とアニメのオープニング曲を連発し、序盤から沸点に到達したかと思えば、大橋彩香、福原綾香、原紗友里、渕上舞、松井恵理子という、Triad Primusとnew generationsの複合ユニットによる「STORY」と、息つく暇もないセットリストが繰り広げられる。  その後も凸レーション(黒沢ともよ、松嵜麗、山本希望)やCANDY ISLAND(五十嵐裕美、大空直美、大坪由佳)、LOVE LAIKA(上坂すみれ、洲崎綾)、Rosenburg Engel(内田真礼)とアニメ内ユニットが続々登場し、「Memories」ではアニメ13話(体調不良の新田美波(洲崎)の代役として、神崎蘭子(内田)がステージに立ったシーン)を再現するかのようなシーンが上演されるなど、隙のない演出を連続した。中盤ではTriad Primusが人気曲「Trancing Pulse」をパフォーマンス。サプライズゲストとして早見沙織が登場し、シリーズ屈指の名曲「こいかぜ」を熱唱すると、続くサプライズとして東山奈央も姿をあらわし、2人で「Nocturne」を歌い上げた。  後半は全員が揃いの衣装に着替え、人気曲を次々と披露。「夢色ハーモニー」では、キャスト陣がセンターに集まりポーズを取ると、シャッター音が鳴り、同じ構図でキャラクターが集合した写真(松尾祐輔氏による描き下ろし!)がスクリーンに浮かび上がる。すると、ここで「GOIN’!!!」のインストにあわせてアニメの歴史を振り返る映像が流れ、武内が予告していなかった“4つ目の城・Future Castle”の開城を宣言。ここではVR専用タイトルに書き下ろした「Yes! Party Time!!」や、大坪が実際に自作したレモンタルトを使ってパフォーマンスした「おかしな国のおかし屋さん」、高森奈津美が早口言葉ともいえる難解なフレーズを見事歌いきった「ニャンと☆スペクタクル」、new generationsのソロ新曲と、アニメの放送終了後にリリースされたタイトルが顔を揃えるなど、ライブ初披露曲が次々とパフォーマンスされ、アイマスの最新形を提示してみせた。  2日ともに共通するのは、アンコールで新曲「EVERMORE」が披露されたこと。初期の楽曲にも近い、あたたかな手触りのメロディ・アレンジとともに歌われたのは、<覚えてる? キミの初めてのステージ>というフレーズ。キャストにとっての初めてのステージ、プロデューサーが初めてアイマスをプレイした初めてのステージ、それぞれを思い起こさせ、<先へ先へ 夢の先へ 進んでいくと誓うよ>と、さらなる共栄・躍進を予感させる言葉が並ぶ。  ここにきて何を当たり前のことを、と思うかもしれないが、そもそも『アイドルマスター』というのは、現在のアイドルアニメブームが起こる遥か以前、2005年にアーケードゲームの筐体としてスタートしたものだ。アーケード時代の楽曲から、当時のアイドルシーンに起こっている流れを汲みつつ、アニソン(キャラソン)・電波ソングに顕著な「音の装飾」を施してきた。2010年代初頭には動画サイト初のクリエイターが多数アイドルシーンで活躍し、アニソン・電波ソング的な価値観を生身の人間が表現するという逆転現象も起こった。  そんな変革期の真っ只中に始まったのが『アイドルマスターシンデレラガールズ』ともいえる。場所をゲームセンターの筐体から各人の携帯端末に移し、より手軽に多くのアイドルをプロデュースできるようになった。同作をきっかけとして、世に出ていく声優が続々と登場し、役者・アーティストとしてそれぞれ活躍。ライブもどんどん規模が大きくなり、今年に入ってからは週間オリコンチャートで1位を獲得するまでに。アイマスというフォーマットは、シーンにおいて確固たるものになったといえるだろう。  もちろん、アニメアイドルコンテンツは後続が次々と誕生している。そんななかでアイマスの優位性とはなんなのだろうか? 先日リアルサウンドの連載でクラムボン・ミト氏がサウンドプロデューサー・内田哲也氏と対談した際、ミト氏はアイマスのサウンドを「初期ハロプロ的な生感」と評した(参考:クラムボン・ミト×『アイマス』サウンドP内田哲也が語る、アイドルアニメ・ゲームに“豊潤な音楽”が生まれる背景)。その部分はライブだとより目立つ部分であり、歌い手の個性がしっかりと伝わってくる要因でもあるだろう。だからこそ、声を武器にしている声優その人にもしっかりと焦点が当たるし、キャスティングされる声優の長所が活きてくるのだ。だからこそ、アイマスは次々と“シンデレラ”を生み出すことができているし、それによってコンテンツの楽しみ方は無限に広がっていく。  各日の最後には、次のステージというべきイベントが続々と発表された。第5回シンデレラガール総選挙上位アイドルによるシングルCD『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER』や、『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 046~048』、『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER』シリーズ第6弾の制作が決定するなど、音楽面での充実はこれからも続くだろう。  グループアイドルアニメ&ゲームコンテンツのパイオニアでありながら、後発の追随を振り切り、トップランナーとしていまだに進化を続けるのが『アイドルマスター』という一大コンテンツである。さいたまスーパーアリーナでの2日間は、そんなことを改めて実感させられるに十分すぎる時間だった。 (中村拓海)

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