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『カルテット』幸福感あふれる最終回に絶賛の声! 早くも“アンコール”熱望も

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/03/21 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 『カルテット』(TBS)が3月21日に最終回を迎え、その心温まる結末に絶賛の声が数多く寄せられている。これまでの全エピソードに散りばめられてきた小ネタが綺麗に回収されただけでなく、スペシャルな演出も多く見られ、まさに大団円と呼ぶに相応しい内容だった。 参考:『カルテット』は“優しすぎる”ドラマだ すずめが真紀に送った究極のエール  第9話で真紀/あきこ(松たか子)が拘留されてから1年後、カルテットメンバーはそれぞれ別の道を歩みつつあった。すずめ(満島ひかり)はあまり寝なくなり、資格を取るために勉強の日々。家森(高橋一生)は週七で仕事をするほど働き者になり、「ノクターン」改め「のくた庵」で板前修業することを決意。別府(松田龍平)は勤めていた会社を辞め、無職となっていた。幸か不幸か、別荘は売れずに共同生活は続いていたものの、メンバーが見ているものにはズレが生じていた。真紀が起こした事件が、週刊誌などで大きく報じられたことの影響は少なくなかった。執行猶予で出てきた真紀自身も、肩身の狭い生活を続けていた。  しかし、別府がカルテットの解散を提案すると、すずめは一度、真紀にヴァイオリンを手渡してからにするべきだと主張。みんなで真紀の居所を探すことになる。幸い、週刊誌に載っていた写真から、真紀の住む付近はすぐに突き止めることができ、メンバーは翌日向かう。そして、公園で演奏することで真紀を呼び出そうとするのだった。  洗濯物を干していた真紀は、遠くから聞こえてきた演奏に気付くと、時に転びながらも現場に向かう。真紀の存在に気付いたメンバーは、一瞬表情が固まるものの、楽しげな演奏で去ろうとする彼女を引き止める。そして、久しぶりに真紀と向き合ったすずめは、彼女の頭に白いものを見つけ、労わるように抱きしめる。その後ろから、さらに家森も抱きしめ、別府は車を取りに行く。また、4人での生活が始まった。  1年ぶりに揃っての夕食。別府と家森は、下の名前で呼び合うようになっており、ふたりでニコニコと料理をする。このコンビの仲睦まじさには、多くのファンが歓喜したことだろう。メンバーが集って仲良くしているなんでもないシーンこそが、このドラマの醍醐味だ。夕食後、それぞれ真紀に対して近況を報告すると、メンバーには呼び名だけではなく、ほかにも様々な変化があったことがわかり、真紀は複雑な表情を浮かべる。しかし家森は「夢を趣味にするタイミングが来た」と言い、別府は「夢を見て、損をしたことはひとつもなかった」と心境を口にして、真紀のせいではないことを伝える。すると真紀は、広いホールでコンサートを行い、夢を叶えようと言い始める。週刊誌で話題の自分がコンサートをするといえば、ホールを埋めることなど訳ないというのだ。真紀は、「晒し者でも好奇の目でも、そんなのわたし、なんでもありません」と言い、すずめも「届くひとには届くんじゃないですか?」と、乗り気になる。いよいよ、カルテットドーナツホールが再始動するのだ。  コンサート当日、会場には、ノクターンの谷村夫婦(富澤たけし、八木亜希子)をはじめ、半田(Mummy-D)や有朱(吉岡里帆)らが訪れる。有朱が外国人の青年と高級車で訪れ、ギラギラの指輪を見せびらかしつつ「人生ちょろかった!」と笑顔で登場したシーンは、視聴者の期待を裏切らない痛快さだった。このドラマで最も美味しい思いをしたのは、ほかでもなく吉岡自身かもしれない。  演奏が始まると、これまでの同ドラマの名言が繰り返される。

「ひとを好きになることって、絶対に裏切らないから」

「みんなのちゃんとしていないところが好きなんです」

「泣きながらご飯たべたことがあるひとは、人生生きていけます」

 演奏中に空き缶が飛んでくるも、メンバーは懸命に演奏を続ける。席を立つ客も多かったが、残る客も少なくない。1曲目、シューベルトの「死と乙女」を終えると、残った観客は惜しみない拍手を送ってくれる。届くひとには、届いたのだ。そして、「ドラゴンクエスト」の曲を演奏し始めると、中学生の男の子たちが笑顔を見せ、さらに演奏の輪が広がっていく。  後日、メンバーは別荘の食卓で、唐揚げを囲む。共同生活の初期の頃、家森が「レモンを絞るのか」問題を提唱した、あの唐揚げだ。メンバーそれぞれは自分の小皿にレモンを取り分け、それぞれに絞るが、家森は不満そうだ。「パセリを忘れるな」というのが、今回の主張である。パセリは好き嫌いもあるし、食べるか食べないかはそれぞれの問題だ。しかし、やっぱり彩りとしてあったほうがいい。そんなパセリに感謝の気持ちを忘れないようにというのだ。才能がないことに気付き、夢が叶わないことを知り、誰も特に必要とはしないことがわかったとして、それでもひとが演奏を続けること、なにかを表現し続けることに意味はあるのか。その答えは、唐揚げに付いているパセリのようなものなのかもしれない。食べるひとは食べるし、食べないひとは食べないけれど、やっぱりあったほうがいいのだ。パセリがあってこそ、唐揚げはより美味しそうに見えるし、なによりパセリは見た目に美しい。ちゃんと食べれば、栄養だってある。  コンサートを成功させたメンバーには、小さいけれど遠征での演奏依頼が入る。売りに出された別荘には、リスが訪れていた。メンバーは車に乗り、ドラマの主題歌「おとなの掟」を高らかに歌い、目的地を目指すーー。思わず、アンコールしたくなるようなラストシーンだった。  ところで、坂元裕二脚本ではおなじみといえる、手紙を使ったアプローチも登場したが、その出し主は誰だったのか。コンサートで帽子を深くかぶっていた女性にヒントがありそうだが……最後まで、“ミゾミゾする”作品だったといえよう。(松下博夫)

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