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『南鎌倉高校女子自転車部』は『弱虫ペダル』に続くか? アニメ業界を取り巻く2つのブームを考察

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/01/13 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 先日放送がスタートしたばかりの、松本規之原作アニメ『南鎌倉高校女子自転車部』。「自転車」と「女子」をテーマに、大人への一歩を踏み出す女子高生たちの日常を描き出す。第1話では、まだほとんどロードバイクには触れられなかったものの、ほんわかとした雰囲気の登場人物と、彼女たちを取り巻くリアルな鎌倉の風景との対比が実に印象的だった。  2011年に連載を開始した本作だが、アニメ化を後押しする材料となったのは、単に作品の人気のみでなく、アニメ業界を取り巻く2つのブームの存在があったと言えるだろう。  「自転車」がテーマの漫画やアニメ作品といえば、多くの人がまず『弱虫ペダル』を思い浮かべるのではないだろうか。2008年から連載をスタートさせた『弱虫ペダル』は、2013年のアニメ放送を皮切りに、若い女性を中心に爆発的な人気を呼ぶこととなった。その後、アニメは2期や劇場版も公開され、今月9日からは3期となる『弱虫ペダル NEW GENERATION』の放送もスタートしている。  しかしながら、松本が『南鎌倉高校女子自転車部』を描き始めたのは、2011年。当時、すでに『弱虫ペダル』は連載を開始していたものの、ブームの発端となるアニメ化以前のことだった。松本自身も、「当時は弱ペダもまだあまり注目されていなくて、自転車漫画はマイナージャンルでした」(参考:「FRAME」松本規之×きっか×佐倉イサミ対談)と、その頃の状況を振り返っている。  『弱虫ペダル』の功績は、メディアミックスでの度重なる大ヒットに留まらず、ファンの若い女性たちが実際にスポーツ自転車の世界へ参入していった点にもあるだろう。キャラクターや作品の世界観に憧れて、自らスポーツ自転車を購入するファンが急増したのだ。さらに、実在する土地を物語の舞台にしたことで、ファンが自らの足でその地を訪れる「聖地巡礼」によって、地域の活性化にも大きく貢献した。  そうしたスポーツ自転車ファンの増加に伴い、それまでは不毛地帯だった自転車アニメというジャンルも注目され、徐々に陽の目を見るようになった。『弱虫ペダル』の大規模なメディア展開以外にも、昨年末にはロングライドを題材とした日常系アニメ『ろんぐらいだぁす!』が放送され、そこからバトンを受け取るような形で、『南鎌倉高校女子自転車部』が放送を開始することとなったのだ。  また、こうした自転車アニメブームのほかに、「女子×部活」アニメのブームにも注目したい。何年か前までは、部活アニメといえば少年たちが主役のスポ根系が大半で、女子の部活ものはそれほどフィーチャーされていなかった。しかし、2009年放送の『けいおん!』や『咲-Saki-』以降、女子の部活アニメの広がりが顕著に見られるようになっていったのだ。  さらに、『けいおん!』では軽音部、『咲-Saki-』では麻雀部というように、一般的には女子が入る部活としてあまりイメージされにくいような、新しい切り口の部活アニメも数多く台頭しはじめた。昨年放送された作品では、バイク部を取り上げた『ばくおん!!』や、女子率の高い部活としては王道の吹奏楽部を描いた『響け!ユーフォニアム』なども、多くのファンに支持される良作であった。自転車部という、女子にはあまり馴染みのない部活動を取り上げた『南鎌倉高校女子自転車部』は、結果として、こうした女子×部活アニメブームの流れも汲むこととなったのだ。  自転車アニメブームと、女子×部活アニメブーム。こうした2つの流行が、『南鎌倉高校女子自転車部』アニメ化の強い追い風となっていたのだろう。今季放送のアニメは、本作と『弱虫ペダル』3期という、対照的な自転車アニメの2本立てとなっているので、自転車界隈のファンたちがどのような盛り上がりを見せるかにも注目しつつ、今後の放送を待ちたい。(まにょ)

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