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『弱虫ペダル』『ハイキュー!!』『おそ松さん』……「残念」「地味」キャラがいま人気の理由

エキサイト Bit のロゴ エキサイト Bit 2017/02/02 田幸和歌子
© Excite Bit 提供

昔は漫画やアニメの人気キャラといえば、「圧倒的に強い天才系」や「天才であるライバルに負けまいと、ひたむきに努力して強くなるキャラ」が多かったように思う。

例えば、『スラムダンク』なら、男子は桜木花道かミッチー(三井寿)、女子は圧倒的に流川楓だった気がする。実際、連載時の人気投票では桜木花道が約2万票を獲得。2位で約13000票の流川に圧勝していた。

『ドラゴンボール』ならなんだかんだで孫悟空が常に人気だったし、『キン肉マン』ならかつてはロビンマスクやウォーズマン、バッファローマンが、『北斗の拳』ならケンシロウ、レイ、ラオウなど、やっぱり強いキャラは人気があった。

ところが、最近のマンガ・アニメでどのキャラが好きかを10代~20代に聞くと、意外な答えが返ってくる。

「凡人」「ちょっと残念」「やや地味」キャラが人気

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例えば、『弱虫ペダル』では、第1~3回の人気投票で1位を主人公・小野田坂道が獲得したことや、第4・5回では存在感も優しさも抜群の巻島祐介が獲得したのはよくわかるが、第6回で1位になったのは、「凡人」の“パーマ先輩”こと手嶋純太だった。

また、『ハイキュー!!』では第二回の人気投票で、主人公・日向翔陽に迫り、2位を獲得したのが、「菅さん」こと菅原孝支。スタメンじゃないのに、2位なのだ。

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さらに、『おそ松さん』の「推し松総選挙」で1位となったのは、中二病的なナルシストのカラ松だ。

スタッフも予想できなかった『おそ松さん』人気

なぜ、天才&王道主人公キャラや、努力でのし上がるキャラではなく、「凡人」や「ちょっと残念」「ちょっとイタい」、やや地味キャラが人気なのだろうか。

アニメ・アイドルに詳しいライターの松本まゆげさんは言う。

「確かに昔は、圧倒的に強い天才系キャラへの憧れや、一生懸命汗をかいてひたすら頑張って努力して強くなっていくキャラの人気があった気はしますよね。でも、今はどんなキャラが人気なのか、よくわからないんです(笑)。『おそ松さん』も企画的に面白いこと、人気声優さんたちが揃っていることなどから、個人的にもそこそこヒットするとは思っていましたが、別に努力するわけでも頑張って何かを成し遂げるわけでもない、クズでニートな6つ子がワチャワチャしているだけなのに、ここまでの人気になるとはスタッフ陣も予想できなかったようですね。しかも、一番人気がカラ松というのも、ちょっと意外なんです」

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カラ松の魅力って、どこなのだろうか。

「かなりナルシストで中二病っぽくて、少しイタイタイプに見えるのに、実はヘタレで、すごく優しくて家族思い。しかも、彼的には『家族に優しい俺!』に酔っているだけなのかもしれませんが、いい塩梅で表に出ているので魅力として捉える視聴者が多いのかもしれません」

言われてみれば、『弱ペダ』のパーマ先輩も、実力ある先輩たちと、才能・個性豊かな坂道たち後輩にはさまれ、地味に見えるものの、仲間をさりげなくアシストしたり、励ましたりと、面倒見の良さが際立っている。

また、『ハイキュー!!』の菅さんは、チームメイトたちを叱咤激励しては、自分の役割を見失いかけた者に勇気を与えたり、緊張した者をリラックスさせたりしている。しかも、ただ優しいわけでも、脇役に徹しているわけでもなく、自分の意思を強く持ち、戦いの場から降りずに闘志を燃やしているからこそ、仲間を応援し、支えているのだ。

そう思うと、自身が活躍するよりも、周りを輝かせる役、アシスト役のほうに好感を抱く人が一定数いるということだろうか。

「今の若い人たちはテレビをすごく真面目に見る」

また、若者向け番組の制作関係者は言う。

「テレビ離れと言われてますが、今の若い人たちは、すごく真面目にきちんとテレビを見るんですよ。むしろ表面的な情報ではなく、その背景にあるもの、ストーリーなどを知りたがる傾向がある。若い人たちに番組モニターで集まってもらったとき、人や店、モノの簡単な紹介を多数詰め込むような内容を見せると、『で、あの人はどうなっちゃったの?』『あの話の続きをもっとしっかり聞きたかったのに』という声が多い。キャラクターについても、単純にカッコいいとか強いとかではなく、もっとその人の考え方や生き方、バックグラウンドの部分に惹かれる人が多いのではないでしょうか」

キャラクター隆盛期のいま、若い人たちは、漫画やアニメのキャラクターに対して遠い距離から強さ・眩しさへの憧憬を抱くよりも、もっと身近に等身大として一人一人のキャラクターを見ているのかも。

(田幸和歌子)

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