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『過保護のカホコ』唐突に全員仲直りの雑すぎる結末に不満噴出…無理やりハッピーに

サイゾー のロゴ サイゾー 2017/09/14
© Cyzo 提供

 高畑充希出演の連続テレビドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の最終回が13日に放送され、平均視聴率14.0%と自己最高記録を更新し、有終の美を飾った。

  最終回は、カホコ(高畑)と初(竹内涼真)が結婚し、親族たちが抱えていた問題も丸く収まるというハッピーエンド。ネット上では「みんなが幸せになって良かった」「感動した」との声がある一方で、「無理やりきれいにまとめた感じ」「広げすぎた風呂敷を雑に畳んで終わった」といった感想も少なくなかった。

【詳細画像はこちら】http://biz-journal.jp/2017/09/post_20596.html

 最終回の結末に疑問を感じる人が少なくなかった理由の筆頭は、なぜカホコと初が結婚しなければならないのかが、よくわからなかったことではないだろうか。そもそも彼らがなぜそんなに互いに惹かれ合っているのかもよくわからないし、なぜカホコの母・泉(黒木瞳)の反対を押し切って結婚を急ぐのかもさっぱりわからない。カホコは在学中でほぼ社会経験ゼロ、初もバイトと絵画制作に明け暮れる貧乏学生でしかない。

 こんな状況で「つらい時だからこそ結婚したい」と言われても、勢いで盛り上がっているようにしか見えず、結婚に賛成しろというほうに無理があるのではないか。拙速な結婚に何の疑問も持たずに盛り上がるカホコたちと親族たちにまったく感情移入できず、「本当にそれでいいの?」とずっと白けた気持ちで画面を見ざるを得なかった。

 チェロのプロの道を断念し、ずっとグレていた従姉妹のイト(久保田紗友)が急に改心して元通りのいい子になったのも、あまりに唐突すぎる。先週描かれた祖母・初代(三田佳子)の死よりも前に、彼女の心境が変化する様子があっても良かったと思うし、結果的に死に目に会えなかったことで後悔する描写があっても良かった。ところが、今まで何があっても態度を改めようとしなかったのに、最後はこれまでさほど絡みのなかった泉の説得でコロリといい子に戻ってしまった。最終回でコロッと態度を改めるくらいなら、ここまで引っ張る必要があったのだろうか。

 家族がみんな元通り仲良くなりました、という結末も少々残念だった。ドラマの序盤はとても仲の良い家族を描き、次第にそれぞれが抱えている弱点や悪意を描いておきながら、最後は再び善人だけの家族に戻ったというのがなんだか嘘っぽい。むしろ、互いの良い面も悪い面も受け入れ、時には憎まれ口をきいたりしつつも笑い合って暮らすような関係が描かれていたら、「家族のあり方が一歩前進した」と素直に受け取ることができただろう。こんな結末では、いろいろあったのに何も進歩せず上辺だけの関係を続ける人々を見せられたようで、逆に不穏なものさえ感じてしまう。

 ただ、脚本の遊川和彦氏は意図的に不穏な結末を描いたのだという解釈もできる。カホコを嫁がせた泉は正高に離婚を切り出し、初との新婚生活を送るカホコは言動が泉そっくりになっていた。初は相変わらず定職に就かず、バイトと似顔絵売りで生計を立てているようだし、カホコが働く児童施設も儲けが出るようにはとても見えない。

 遊川氏お得意のバッドエンドだけは避けたものの、ハッピーエンドを装いつつ、その先を考えたらとてもハッピーとは言い切れないという結末に落とし込んだというところだろうか。実はテーマ性がそれほどなく、何を軸として描きたいのかもブレブレではあったが、主演の高畑と助演陣の巧みな演技力のおかげで時折感動させられる作品になった、というのが最終回までを通しての感想だ。

(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)※画像は『過保護のカホコ』公式サイトより

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