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【終末科学】地球の自転が停止した瞬間、いったい何が起こる!? 誰一人として生還できない地獄の世界を徹底解説!

TOCANA のロゴ TOCANA 2017/08/24 株式会社サイゾー

 お天道様が西から昇る――。現実的に起こり得ないことを表現するために、しばしば用いられる慣用句だ。まあ、実にありふれた文章表現である。太陽が東から昇り、西へと沈みゆく。この世にこれほど“当たり前”なこともなかなかあるまい。

 今回は一つの思考実験として、その“当たり前”が崩れたときに予想されるさまざまな天変地異について紹介したいと思う。精緻かつ深遠な知識を有するトカナ読者諸賢であれば容易に想像がつくかもしれないが、やはり、どうしたってとんでもないことばかりが起きてしまうようである。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2017/08/post_14210.html

■自転が停止した瞬間、すべては東へと吹き飛ぶ!

 もし、地球の自転が急に停止したら……。便宜的に場所を赤道上のどこかであると仮定すると、地上のすべては直前まで秒速465メートルの等速運動を続けていたことになる。それが急に停止すると、慣性によって、ありとあらゆるものが秒速465メートルのスピードで東の方向へとぶっ飛んでゆくことが予想される。それは拳銃から発射された弾丸よりも速いスピードだ。

 人、建物、動物、地面、自動車、自動販売機、木々、石、電柱、等々。それらが全部、世界の果ての果てのさらに向こう側へと、轟音を響き渡らせながら凄まじいスピードと勢いで吹き飛んでゆく阿鼻叫喚の世界である。

 見渡す限りのすべてが東へと吹き飛んだ後だが、ほどなくして秒速465メートルの強烈な突風が発生する。なぜなら“空気”もまた“物体”だからだ。慣性の法則は免れない。

 秒速465メートルの風というと、有史以来まだ誰も経験したことないレベルの強風だ。それは音速を超えており、原子爆弾の爆風をも凌駕した風速だ。そのため自転停止の瞬間に運良く飛行機に乗り合わせるなどして先の災難を免れた人たちも、この突風に巻き込まれてほぼ間違いなく死ぬ。

■運よく生き延びても、さらなる地獄があなたを待ち受ける!

 さて、基本的な物理の観点からすれば、赤道から離れれば離れるほどに被害は少ないように思えるが、実は案外そうでもない。たしかに、自転停止の瞬間に北極か南極に居さえすれば、慣性の法則で東方向へと吹き飛ぶ懸念は薄い。しかしながら世界的に発生する、先述の強烈な風に巻き込まれるだろうし、数キロの高さに達した津波が世界中を強襲して全部を飲み込んでゆく。地球上のどこにいても無傷でいられるはずがないのだ。

 加えて、昼夜の概念が消滅し、地球の半分は常に太陽が照りつける不毛の灼熱地獄、反対側のもう半分は夜が終わらず海も凍る極寒の荒野と化す。昼の地球と夜の地球の境界に僅かばかり、生存に適したエリアが存在するかもしれないが、そのエリアも地球の公転によって1年間というスパンで少しずつ移動してしまう。つまり、継続的に生存に適した土地は存在しなくなるのだ。

 さらに、自転が停止することにより、地球から地磁気が消滅することが予想される。普段、地磁気は私たちを宇宙空間より間断なく降り注ぐ放射線から守ってくれているシールドのようなものだ。したがって、それがなくなると、強烈な紫外線や有害な放射線が四六時中、私たちに向かって無慈悲に降り注ぐことになり、私たちはがんと放射線障害に苦しめられることになるだろう。

 そのため、自転停止の瞬間に運良く宇宙空間にいたとしても、地球へと帰還した途端にそれらの病との闘いがはじまる。そして、その闘いに勝ち目はない。必ず、死ぬ。

■遠心力で引き上げられていた赤道近辺の海水が流出

 ところで、今の地球は完全な球体ではない。自転の遠心力によって、北極と南極を結んだ円よりも赤道の円の方が長いのだ。しかし自転が停止すると遠心力がなくなり、今度はあべこべに赤道の円よりも北極と南極を結んだ円の方が長くなることが予想される。

© TOCANA 提供

 また遠心力は海にも作用していて、現在の赤道付近では、遠心力によっておよそ8キロメートル海の水位が引き上げられている。自転が停止すれば赤道近辺の海水はなくなり、それらは一気に北極と南極の方向へと移動してしまうと論理的にシミュレーションされている。そして赤道近辺にしか陸地は存在しなくなり、ほかの地域は水没してしまう。

 ……と、さんざ悲惨で凄惨な予測ばかりで少し落ち込んでしまうが、安心してほしい。地球の自転が停止するような事態はしばらく起こらない。事実、地球の自転は徐々に遅くなっている。しかし、1日が25時間になるのでさえ2億年近く先の話なのだ。自転が止まる頃には私たちは誰一人として生きてはいまい。

 それにもし地球の自転が急に停止するようなことになっても、私たちのほとんどは訳もわからないままその瞬間に死んでしまうから、さして心配をする必要もないだろう。(文=池上徹)

※イメージ画像:「Thinkstock」より

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