古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

かつての「百獣の王」も、いまや勝負への執着心なし……“筋肉バカ”を捨てた武井壮はどこへ向かう?

サイゾー のロゴ サイゾー 2017/08/28
© Cyzo 提供

 芸能人が名を売るためにキャラクターをつくろうことは珍しくない。若い頃の小倉優子は「こりん星からやってきたお姫様」を自称していた。ピコ太郎は「友人・古坂大魔王にプロデュースされたシンガーソングライター」という設定を貫いている。

 いや、そんな大それた話じゃなくとも、この手の例は枚挙に暇がない。ワイルドキャラでブレークしたスギちゃん、ハードゲイキャラでブームを巻き起こしたレイザーラモンHG、“バブリー”を前面に押し出して活躍中の平野ノラなど。「キャラ芸人」と呼ばれる面々は、文字通りキャラクターありきで世へ出ることに成功した者ばかりである。

 しかし、キャラクターを発射台としてブレークを果たした芸能人たちは、必ずといっていいほど共通した悩みを抱えることになる。それは、「いつから“素”の自分に戻ればいいのか?」。例えば、デニムベストから私服への緩やかな移行を画策していたスギちゃんであったが、どうやらそれはうまくいかなかったらしい。というか、移行し終える前に露出自体が減少してしまった。

■武井壮の存在意義は、いまだに“筋肉”しかない

 さて。ここで、武井壮にフォーカスしてみたい。西麻布の夜道をダッシュし、トレーニングに励み、バーで休憩しているところをピエール瀧に見いだされてブレークに至った武井。その頃の彼が”家なし生活”を送っていたことは有名。そして現在は、都内一等地でリビング70畳の高級マンションに住んでいることも多くの人が知る話だ。

 別に、それはいい。単純にテレビ界で成功したことの証しだし、夢のある話ではないか。 ここで、振り返りたい。彼が世に出てきた時のギミックはなんだったのか? あの頃の武井の通り名は「百獣の王」であった。

 グリズリーと相対したら「あぁーっ!」と6週間叫び続けて接近させず、相手が痩せた頃合いを見てレバー付近の毛を抜き、そこ目掛けて抜手をお見舞いして攻略。ゴリラと相対したら、細くて短い後ろ足でハンマーパンチを仕掛けてくるだろうからガッチリつかんで受け流し、ガラ空きになった後ろ足にローキックを20発くらいお見舞いして攻略。こうした脳内シミュレーションを各番組で披露し、「俺は百獣の王だ」と言い張るキャラクターがウケて武井はブレークを果たす。

 いまだタンクトップでテレビに出続ける武井。正直言って、彼のニーズは今でも“筋肉バカ”の一点しかなく、ほかの存在意義は見当たらない。

■なぜか、負け姿をさらすことに躊躇のない武井

 8月17日放送『有吉ジャポン ゴールデン!芸能人のリアルお金事情大調査SP』(TBS系)に、武井が出演した。

 個人事務所のため、ギャランティがそのまま自分の収入となる彼の現在は、紛れもなくリッチマン。都内一等地の高級マンションだけでは飽き足らなくなった武井は「インドで家を買いたい」と告白。早速、この告白から4日後には物件探しでインドへ旅立っている。

 行き着いたのは、住民男性の大半が用心棒を職業に選ぶ謎の村であった。仕事に備え、上半身裸でトレーニングに励む男たちの体つきは、かなりヤバい。中でも、ある男は際立っていた。背中の筋肉は異常に発達しているし、太ももはまるで丸太ん棒のよう。武井が横に立つと、体つきの違いは一目瞭然だ。

 そして、用心棒たちによるインド相撲が始まった。ここに、なんと武井も参加する。まずは、明らかに武井より体格が細い男を相手に一番を取り、圧勝。さすがだ。

 だが、まだ終わらない。武井の次の相手は、前述のヤバい体格をした男である。この一番は、まさに大人vs子どもであった。武井が歯を食いしばってなんとか攻略しようとするも、相手のインド人男性は笑顔のまま。脚を軽くすくわれた武井は「うわぁ~!」と悲鳴を上げて転がされてしまうのだ。

 潔く「いやぁ、参りました」と握手を求めにいった武井だが、油断させたところで不意打ちタックルを狙いにいく。……が、相手は笑顔のままそれを受け止め、腰投げを一閃! この勝負は、武井の完敗に終わった。

 ここで問題なのは、「砂をつかんででも……」という勝利への意欲が武井からまるで見えなかったことだ。どうやら今の彼は、負け姿をさらすことになんの抵抗もないらしい。

 武井の“先代”ともいえる寺門ジモンは、芸能人レスリング大会への出場をオファーされるや「相手を殺してしまうから」という理由で拒否。腕相撲番組への出場をオファーされたら「力を入れすぎると脱腸してしまう」という理由で、またしても拒否。実力測定可能な場へ出陣することをかたくなに拒んできたといわれている。

 そんなジモンと取って代わるように、十種競技の元日本チャンピオンという経歴を持つ武井が出現。「こっちのほうがリアルだ!」とジモンが座っていた座席を奪取した武井であったが、そんな彼の存在意義は、今でも際立った身体能力を誇示することではないのか? なぜなら、彼はほかの“売り”を我々に見せてくれたわけではないのだから。

 スタジオでインド相撲対決のVTRを見ていた堀江貴文は「アイツ(ヤバい体格をした男のこと)、俺が日本に連れてくるよ? アイツにタンクトップを着せて、ちょっと日本語覚えさせて」と、コメント。続けて、有吉弘行は「数年前のボブ・サップくらいの人気は出そうですよね」と感想を述べたが、それを耳にした武井は思わず苦笑いしていた。

 何度も言うが、リッチになることは素晴らしい。しかし、今の居場所がいつまでも安泰だと思うなかれ。自分の“売り”がなんであるか、武井は再認識したほうがいい気がする。

(文=火の車)

サイゾーの関連リンク

image beaconimage beaconimage beacon