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きれいなボケと美しい暗所撮影……フルサイズ一眼で撮る写真の世界

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2017/05/30
きれいなボケと美しい暗所撮影……フルサイズ一眼で撮る写真の世界 © KADOKAWA CORPORATION 提供 きれいなボケと美しい暗所撮影……フルサイズ一眼で撮る写真の世界

 前回、「α7II」がお買い得であるという話をした。フルサイズの撮像素子を持つデジカメが欲しいならお買い得だと思うが、逆にフルサイズ機のなにがいいのかわからない、という人も多いと思う。  今回はフルサイズ機で撮る写真は何がいいのか、解説していきたい。 背景が美しくボケる写真が撮れる  フルサイズ機の最大の特徴が素子サイズ。35mm判と同じ大きさの撮像素子は、レンズの焦点距離の表記そのままの撮影範囲が得られる。  普及機の一眼レフやミラーレス機が採用している撮像素子はAPS-Cサイズやフォーサーズサイズが多い。  APS-Cサイズは35mm判と比較してほぼ半分、フォーサーズではほぼ1/4ほどになる。撮像素子の面積が小さいということはその分、レンズの焦点距離が短くなってしまう。  35mm判で標準レンズと呼ばれるのは焦点距離50mmのレンズだが、APS-Cサイズ機で同じ画角で撮ろうとすると焦点距離は30mm前後になってしまう。フォーサーズ機では25mmだ。  当然ながら30mmや25mmといったレンズは基本的に広角レンズに分類されてしまう焦点距離で、その分ピントの合う範囲、被写界深度が深い。  そして、同じ絞り値で撮った場合に35mm判よりもピントの合う範囲が広くなる。  製品撮影や風景などで、できるだけ絞らずにピントを深くしたい場合にはかなり重宝するのだが、最近の写真の傾向として「いかに背景をぼかしやすいか」というのが重要視されている。  スマホやコンデジの写真に見慣れると背景が大きくぼけているだけでいい感じに思えてしまうのは仕方がなく、主要な被写体にピントが合っていて周りがボケていれば被写体が目立つし、余計な情報はボケて気にならなくなるのでパッと見でよく感じるのだ。 レンズ選びは結構重要! 「FE 24-70mm F2.8 GM」。コンパクトな「α7II」に装着してもかなりの重量感を感じる。外寸は最大径87.6mm、全長は136mm、重量は886gとα7IIよりも大きく重い。最短撮影距離は0.38mだ 「FE 24-70mm F2.8 GM」。コンパクトな「α7II」に装着してもかなりの重量感を感じる。外寸は最大径87.6mm、全長は136mm、重量は886gとα7IIよりも大きく重い。最短撮影距離は0.38mだ  「FE 85mm F1.4 GM」は中望遠レンズの代表的なレンズで、最大径89.5mm、全長107.5mm、質量は820g。やはりα7II並のサイズがある。最短撮影距離はAF時で0.85m、MF時で0.8m「FE 85mm F1.4 GM」は中望遠レンズの代表的なレンズで、最大径89.5mm、全長107.5mm、質量は820g。やはりα7II並のサイズがある。最短撮影距離はAF時で0.85m、MF時で0.8m フルサイズ機を使うなら、ぜひとも大いにボケる写真を撮ってみたい。大きくぼけさせるにはできるだけ絞りを開けて撮りたい。 それなら大口径のレンズがあったほうがいいということで、今回は標準域のズームレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM」(希望小売価格は税別で27万8000円)と大口径中望遠レンズ「FE 85mm F1.4 GM」(同22万5000円)の2本で撮影をしてみた。 キットレンズでは開放値がF3.5だったりF5.6など手軽なものが多いが、フルサイズ素子を楽しむならぜひともレンズにもこだわっていただきたい。 FE 24-70mm F2.8 GMは24mmから70mmと常用しやすい焦点距離をカバーしつつも、ズーム全域で開放F値がF2.8と明るいのが特徴だ。 2本ともα用のレンズとしては代表的なもので、プロ用途でも問題なく使える。むしろ、価格が高いのが最大の問題でありハードルかもしれない。おすすめレンズ2本の画質をチェック! ここからはレンズ2本の撮影サンプルを見ていこう。まずはFE 24-70mm F2.8 GMからだ。FE 24-70mm F2.8 GM広角側F2.8F4.0F2.8F4.0F5.6F8.0F5.6F8.0F11F16F11F16F22F22 絞り開放から全域でシャープネスが高い。開放では若干周辺光量の不足があるが1段絞れば解消する。F8.0くらいから絞っていくと徐々に解像力の低下があるようなので、絞って使う場合には注意だ。FE 24-70mm F2.8 GM望遠側F2.8F4.0F2.8F4.0F5.6F8.0F5.6F8.0F11F16F11F16F22F22 絞り開放では若干甘さがある。1段絞ったほうがいい。F8.0くらいまでは解像力の高さをキープできているが、それ以上絞ると徐々に低下していく。FE 85mm F1.4 GMF1.4F2.0F1.4F2.0F2.8F4.0F2.8F4.0F5.6F8.0F5.6F8.0F11F16F11F16 FE 85mm F1.4 GMは、絞り開放ではちょっと甘い感じ。ただし1段絞れば十分な解像力がある。F8.0くらいまではいい感じの解像力をキープできるが、それ以上絞ると徐々に甘くなっていく。 絞り開放での甘さはソフトな描写と捉えたほうがいいだろう。85mmといえばポートレート用とまで呼ばれるレンズで、女性と撮るのに最適。その場合にはぜひとも絞り開放で撮ってほしい。 ちなみに、最短撮影距離はレンズ前からの距離ではなく、撮像素子面からの距離なので注意しよう。大口径レンズの常だが、意外に近い場所にはピントが合わないのが難点でもある。 コンデジやスマホなら気兼ねなく被写体直前数センチまで寄れるが、大口径のレンズになるとなかなかそうもいかない。 しかし、それを補うのが交換レンズであり、その不便さも一眼カメラの醍醐味と言える。もし近くによって撮影をしたい場合には近い焦点距離のレンズでも口径が小さめのレンズを選ぶと近づいて撮影がしやすい。キットレンズなどは口径が大きくない分、その辺の対応もしやすい。背景を思いっきりぼかして撮る!85mm/F1.4。絞り開放のF1.4で絞り優先オートで撮影。ピントの合う範囲はとても狭く、花びらのエッジくらいにしか合っていないが、こういうのが35mm判素子と大口径レンズの醍醐味だ85mm/F1.4。絞り開放のF1.4で絞り優先オートで撮影。ピントの合う範囲はとても狭く、花びらのエッジくらいにしか合っていないが、こういうのが35mm判素子と大口径レンズの醍醐味だ 背景をぼかすコツは絞りを開ける、レンズの焦点距離を長くする、近づくの3つだ。 あらかじめレンズの最短撮影距離を把握しておき、ファインダーで確認しながら近づいてギリギリの位置を探そう。 絞りを開ける分、シャッタースピードが早くなるので手ブレの心配が減ると思うかもしれないが、近接撮影では通常の距離での撮影よりもシビアになる。手ブレには最大限の注意が必要。 α7IIならボディー内蔵の手ブレ補正機構で4.5段分の効果があるが慢心は禁物。しっかりとカメラを構えて安定した位置から撮影しよう。85mmで絞りの違いを見るF1.4F2.0F1.4F2.0F2.8F4.0F2.8F4.0F5.6F8.0F5.6F8.0F11F16F11F16 絞りを開放から1段ずつ絞って撮影。撮影距離はほぼ最短撮影距離。絞りは開いているほうが断然いい感じになるのがわかる。フルサイズならでは高解像力と幅広い階調を楽しむ フルサイズ素子の利点に解像力の高さと階調幅の広さがある。α7IIは約2430万画素で記録できるが、数値的にはそれほど高画素というわけでもない。 20Mクラスのデジカメは最近のミラーレス機では珍しくない。しかしAPS-Cサイズやフォーサーズと同じくらい画素数ということは1画素あたりの面積が大きくなっているということだ。 フルサイズ素子に比べてAPS-Cサイズは面積非で約半分、フォーサーズでは1/4になるということは、フルサイズ機とAPS-Cサイズ機、フォーサーズ機で同じ画素数なら1画素あたりの大きさがフルサイズ機はAPS-Cサイズ機の2倍、フォーサーズ機の4倍の面積があるということになる。 画素1つあたりの面積が大きい分、より多くの光を取り込むことが可能になり、情報量が増える。解像力が高く、階調の広い写真を記録することが可能になる。F4.0F4.0F11F11 上の写真は24-70mm/F2.8の広角側で撮影したもの。絞りをF4.0とF11に設定した2枚あるが、F4.0のほうは木の部分にピントが合って上のほうはボケている。 それでも木の表面の質感が高く再現され、上のほうがボケている分、ピントの合っている部分が際立って感じる。 また、F11まで絞ってほぼ全域にピントを合わせると上のほうの葉っぱまでも細かく再現されて高精細に感じる。 ともに木漏れ日のあたっている部分と影の部分が、白飛びも黒つぶれもしないで表現されている。階調が広いゆえだ。デジカメは人の肉眼ほど明暗差に強くはないが、見た時の印象に近い再現性はある。 適切な階調で記録するには適切な露出で撮影することが重要だ。適正露出というのは正解が1つだけではない。 撮る人の考えや印象で変わるので、撮った時にはいいと感じても後で少し変えたくなる場合もある。カメラ任せの露出で満足しないで自分なりの露出を考えてみるのもいいだろう。 そんな場合に便利なのが露出ブラケットだ。自動的に露出を変えて連写してくれるので後でゆっくり見て選べばよい。+0.7補正+0.3補正+0.7補正+0.3補正+1.0補正+1.0補正 上の写真は1/3段ごとに3枚を自動で連写。明るめの花の場合には露出がアンダー気味になるので+0.7の露出補正を基本にして撮影している。わずかな露出の違いでも効果は大きい。+0.7補正+0.3補正+0.7補正+0.3補正+1.0補正+1.0補正 こちらも+0.7補正したうえで1/3ごとにブラケット撮影。+1.0くらい明るくしたほうが美味しそうに見える。夕暮れでも手持ちで撮影ができる! 画素単位の面積が大きいフルサイズ機は暗所での撮影にも強い傾向がある。さらに、ボディー内蔵の手ブレ補正があれば安心感が高くなる。 夕暮れ時は肉眼で見て感じるよりもカメラにとっては暗いので、しっかりとホールディングして撮影しよう。夕焼けなどは意外に露出がかかる場合がある。ISO感度をオートのままにしていると思った以上に感度が上がってしまうのでチェックしながら撮影したほうがいい夕焼けなどは意外に露出がかかる場合がある。ISO感度をオートのままにしていると思った以上に感度が上がってしまうのでチェックしながら撮影したほうがいい薄暗い状況でも手ブレ補正の効果でブレない写真を撮りやすくなったが、それでも可能な限りしっかり安定した位置取りをして撮影しよう薄暗い状況でも手ブレ補正の効果でブレない写真を撮りやすくなったが、それでも可能な限りしっかり安定した位置取りをして撮影しよう 暗い夜景では画質がどうなるか、高感度撮影サンプルでチェックしてみよう。感度別撮影サンプル(夜景)ISO 50ISO 100ISO 50ISO 100ISO 200ISO 400ISO 200ISO 400ISO 800ISO 1600ISO 800ISO 1600ISO 3200ISO 6400ISO 3200ISO 6400ISO 12800ISO 25600ISO 12800ISO 25600 明るいシーンでは結構感度を上げてもいい感じではあったが、光量が少ない場合はかなり画質への影響が出てくる。 明るい場所よりもノイズの出方が顕著だ。最高感度でのノイズの出方とディテールの影響は暗いシーンのほうが大きい。 フルサイズ機は高感度に強いという傾向もあるがそれもある程度の感度までだ。むやみに感度は上げないほうがいい。フルサイズ機でこだわった写真を! フルサイズ機であれば、背景がきれいにボケた作品性の高い写真が撮れるほか、薄暗いシチュエーションでもより美しい写真が撮れる。 交換レンズがまだまだ高いのが大きなハードルだと思うが、作品性の高い、こだわった写真を撮りたいのならフルサイズ機を持ち歩くのもいいのではないだろうか。

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