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これでいいの…?アラフォー・シングルが抱く停滞感

All About のロゴ All About 2017/06/24

やりたいことをやってきたのに、35歳を超える頃からなぜ自分を見失うのか? アラフォー・シングルが抱きやすい「ポッカリ感」の源泉を紐解きます。 © AllAboutMedical 提供 やりたいことをやってきたのに、35歳を超える頃からなぜ自分を見失うのか? アラフォー・シングルが抱きやすい「ポッカリ感」の源泉を紐解きます。

アラフォー・シングルの永遠のテーマとは?

幼いころから親や先生に愛され、たくさんの友だちにも囲まれてきた。学歴はまあまあ悪くない。ほぼ希望通りの仕事にもつけて、収入もまあいい方。気がつけばアラフォーだけど仕事は面白いし、たぶん当面は続けていけそう。毎年1回は海外旅行を共にするシングル仲間、飲み友達もいる。

100%ではないけど、「やりたいこと」はほぼやってきた。「自己実現」はできている方だと思う。こんなふうに毎日を謳歌しているのに、30代も半ばを過ぎたころから、なぜか「あれもこれもやってきたけど、これでいいのかなぁ?」という思いがふと浮かぶ。

『負け犬の遠吠え』や『Around 40』のみならず、30代後半からのシングルを描く作品の多くは、こうしたぜいたくともとれる心境をもとに展開されます。うっかり他人に相談すると、「好きに生きてるんだから、じゅうぶん幸せでしょ!」と突っ込まれてしまう。でも、当の本人の心にはいつもモヤモヤした気持ちが張りつき、1人になったときに「これでいいのかなぁ?」という問いがふつふつと湧き出してしまいます。

30代後半からの発達課題が心に引っかかる

「『大事な宿題』をやり残しているような気がする」……アラフォー・シングルが抱くモヤモヤは、よくこんな言葉で表現されます。

多くの人、とくに女性は、その「大事な宿題」を「結婚・出産」とリンクさせて考えるものです。しかし、ステレオタイプな回答に飛びついてしまうと、問題の本質が分からなくなってしまいます。

私は、この年代のモヤモヤの本質とは、「自分だからこそできる何かを生みだし、育てているのだろうか」という問いなのではないかと思います。

心理学者のE.H.エリクソンは、人の一生を8つの発達段階に分け、各時期にはそれぞれの発達課題がある、と説きました。社会人になる頃から30代前半までの時期は「前成人期」と呼ばれ、この時期の発達課題は「親密」と定義されています。つまり、友だちや恋人など他人との間で、自分を見失わずに親密な関係を築くことです。

さらに進んで、30代半ばから60代にかけての「成人期」の発達課題は、「生殖性」と定義されています。つまり、何かを生みだすこと、そして育てることです。

「あれもこれもやってきたけど、これでいいの?」

既婚者の多くは、子を産み育てることで自然に「生殖性」を体感していきます。しかし、生殖性の定義はもっと幅広く、出産・育児に限定されているわけではないのです。

たとえば仕事や趣味で自分が見てきたこと、積んできた経験を何らかの形に残し、人々に伝えていくこと。未経験者や次世代を育成していくこと。こうした有形無形の何かを生み出し、育てるような行動を志向することが「生殖性」と捉えられるのです。

それができない場合、反転して「停滞性」を経験するとエリクソンは説きました。「自分の欲求は満たしてきたけど、それだけでよかったんだろうか」「自分のことばかり考えて生きても、なんとなくむなしい」……冒頭で述べたアラフォー・シングルに多い「あれもこれもやってきたけど、これでいいのか?」というつぶやきは、この停滞性ゆえの心情だと捉えることもできます。

「課題」はできることから始めてみよう

こうした心情が苦しいなら、やはりまずは一歩踏み出すことが大事ではないでしょうか。

繰り返しますが、子どもを持つことにこだわらなくても、「生殖性」を目指すことはできます。

たとえば、自分の経験を振り返って「自分だからこそできる何か」を生みだして形にしていく。仕事でチームをまとめたり、部下を育てる。学んできたこと、経験してきたことを伝え、人々に還元する活動をする。やってきた仕事を通じて、社会貢献を考えてみる……。

それまでのライフスタイルに、何かを生みだす行動や人を育てる行動、蓄積してきたことを還元する行動が加わっていけば、成人期の発達課題である生殖性へと近づいていけます。

まずは、自分の興味のあること、できそうなことから始めてみてはどうでしょうか。きっと何かが変わるはずです。

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