古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

これ本当にお墓!? 高野山に変わり種「企業墓」を建てるには

エキサイト Bit のロゴ エキサイト Bit 2017/06/28 10:15 かるめら

© Excite Bit 提供

誰もがいずれはお世話になるであろうお墓。ですが、我々はそれらに関する知識をあまり持っていません。たとえば「お墓にはどのような人が眠っているのか」という問題について。多くの人は「個人あるいはその家族」と答えるかと思われますが、どうやらそれがすべてではないようです。

また、お墓の形状についても、定番である四角く細長いものが必ずしもすべてにあてはまるとは言えません。中には非常にユニークな形をしたものも存在しています。

今回は、和歌山県は高野山にある一風変わった「企業墓」なるものについて取材を行いました。

企業墓集まる中の橋へ

© Excite Bit 提供

高野山へは南海電鉄なんば駅から極楽橋駅下車。その後高野山ケーブルカー、バスを経由して山内に入れば到着です。

企業墓は「弘法大師霊廟」へ向かう道のひとつである「中の橋コース」に多く見られるようです。中の橋コースへは、高野山駅から出ているバスに乗り「奥の院前」で降りればすぐにたどり着けます。

© Excite Bit 提供

時間はかかりますが、徒歩で行くことも可能です。その場合は道中にある喫茶店「光海珈琲」で休憩するのがオススメ。この店の名物である光海コーヒーは、卵の黄身をプラスすることによっておいしくなるという変わり種。まろやかかつすっきりした甘みはクセになってしまいますよ。

想定外な形の企業墓たち

© Excite Bit 提供

中の橋コースを歩きはじめて早々に遭遇するのが、全長4メートルはあろうかという巨大なロケット。実はれっきとしたお墓というからびっくり。航空機やパーキングシステムなどを手がける新明和工業株式会社の企業墓なのです。弔われているのは、かつてその会社で働いていた社員たち。企業と人とのつながりの強さを実感させられます。

このほかにも、高野山にはユニークなお墓がたくさん。その一部を紹介いたしましょう。

© Excite Bit 提供

ストッキングや靴下でおなじみな福助株式会社のお墓はやはりこの形。近づいてみると、かなり精巧に作られていることが分かります。

© Excite Bit 提供

電気化学工業株式会社(現:デンカ株式会社)の企業墓は「無限」を表すメビウスの輪。ちなみに、比較的さいきん建てられたものだそうです。

© Excite Bit 提供

ラガーでおなじみキリンビール株式会社の企業墓には聖獣・麒麟(きりん)が。同社のロゴにも使われているので、比較的有名ではないでしょうか。

© Excite Bit 提供

缶コーヒーなどで知られているUCC上島珈琲株式会社のお墓には石造りのコーヒーカップ! 赤石で中身まで再現されているという作り込みのすごさにはもはや脱帽。

© Excite Bit 提供

朝のお供として欠かせない株式会社ヤクルト本社の企業墓には、巨大ヤクルトが鎮座。「ヤクルト」の4文字も墓地の中では妙に目立ちます。

© Excite Bit 提供

日産自動車株式会社の物故従業員慰霊碑には、作業員の銅像が建てられていました。亡くなられた社員に対する敬意が感じられます。

© Excite Bit 提供

これは企業墓ではなく、吉本興業の漫才師であった花菱アチャコ氏の墓。なんと、落書き用の石版が設けられています。隣に置かれていた墓碑によれば「らくがきは即ち良久加幾で好いこと長く更に活力を増すもの」なのだとか。らくがきができるお墓なんてひょっとして日本で唯一かも。

© Excite Bit 提供

日本しろあり対策協会が建てたお墓もかなりユニーク。なんと、駆除されたしろありが葬られているのです。「やすらかにねむれ」とありますが、逆に元気だとむしろこっちが困りものです。

© Excite Bit 提供

こちらはフグの供養塔。関西の人はフグをよく食べると言われています。フグ大好きな方は一度お参りしておくといいかも?

企業墓に関する疑問あれこれ

このようにバラエティ豊かな企業墓ですが、建てるにあたっては何か条件があるのでしょうか。総本山金剛峯寺部補職の吉川さんに聞いてみました。

まず、なぜ変わった形の企業墓が作られるかということについては「企業イメージによるもの」とのご回答をいただきました。やはり会社法人である以上、お墓にもその偉業を反映したものとしたいようです。

© Excite Bit 提供

また、企業墓自体は決して高野山だけにしかない特別なものではなく、一般的な公園墓地あるいは会社の敷地内に建てられている場合もあります。それに企業墓すべてが変わった形をしているというわけでもなく、この高野山にもいわゆる「ふつう」の形をしたそれらが多数見られました。

建てるにあたっての資格や条件等についてですが、公序良俗に反していなければ、どのような企業でもよいとのこと。ただし「弘法大師に帰依する信徒であること」ならびに「奥之院に墓地を持っていること」が条件となります。ただし、後者についてはすでに奥之院墓地すべての土地が分譲されている状態なので、新たに欲しい方は墓地所有者と交渉する必要があります。

続いて企業墓の形については、審査が必要となります。一般的でない形状の墓を建てる場合には、まず図面を添えた上で申請を行う必要があるのです。

© Excite Bit 提供

審査では「墓の形状が企業の事業と一致しているか」「墓地(景観)に適した形状であるか」などといった点から合否が決定されます。新明和工業のロケットやUCCのコーヒーなども審査の結果通ったものではありますが、近年はそうした変わり種を制限する動きもあり、仮に似たようなものを申請したとしても通らない可能性が高いようです。

高野山でさまざまなお墓参りを

© Excite Bit 提供

高野山には企業墓だけでなく、歴史上の人物のお墓も多数遺されています。たとえば大石蔵之助や織田信長、武田信玄に上杉謙信などです。特に上杉謙信の墓は木造の霊廟になっており、文化財にも指定されています。

ユニークなものから文化的に重要なものまで、さまざまなお墓が一カ所に集うこの場所は、ある種さまざまな発見に満ちているといえるでしょう。新しい考えや視点を見出した方は、一度お墓参りに行ってみるといいかも?

(かるめら)

エキサイトBitの関連記事

image beaconimage beaconimage beacon