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その利用シーンは縦横無尽──「IdeaPad Yoga 13」をグニッと折って使ってみる

2014/09/20 02:14

レノボがなんといおうとも、やっぱり気になる"変形"Yoga

変形ギミックが注目されがちなIdeaPad Yoga 13だが、正当なクラムシェルタイプのUltrabookとしても高い性能を有する

 IdeaPad Yoga 13は、液晶ディスプレイを360度と底面まで開くことで、クラムシェルスタイルとスレートスタイルのタブレットのように"変形"できるUltrabookだ。本体の重さが約1.53キロと、片手て小脇に抱えて使うにはやや重い。レノボ・ジャパンは、裏まで開く液晶ディスプレイによって、IdeaPad Yoga 13を4つのモードで使うように提案している。それは、クラムシェルスタイルで使うノートブックモードに、液晶ディスプレイを底面まで360度開いたスレートスタイルで使うタブレットモード、そして、液晶ディスプレイを開く途中、約300度程度開いた、液晶ディスプレイをボディの前面に設置したスタイルのスタンドモード、そして、さらに開いて屋根のようなスタイルで使うテントモードだ。

 ノートブックモードは、通常のクラムシェルスタイルノートPCと同様の使いかたになる。ただし、ディスプレイにタッチパネルを内蔵しているのに加えて、OSにWindows 8 Proを導入しているので、キーボードとタッチパッドで"無理して"操作するのではなく、自然なアクションでWindows 8を使うこともできる(もっとも、ショートカットキーを習得することで、キーボードでもWindows 8はだいぶ使いやすくなる)。

 液晶ディスプレイを底面側まで完全に開いた状態で、その姿はスレートタイプとなり、タブレットPCのように使うことになる。分厚い本体で持って使うのは無理に思える従来のコンバーチブルタイプのノートPCとは違い、本体の厚さが、16.9ミリと薄いこともあって、大画面のタブレットデバイスと、見た目はほとんど変わらない。デザインとしても無理のないスレートスタイルのタブレットPCだ。ただ、重さが約1.5キロとスレートタイプのタブレットデバイスとしては重い。クラムシェルのノートPCとして携帯するには、それほど重くないが、立った姿勢において"片手で"本体を持ちながら使うのは、短い時間でもつらかった。そうなると、片手で持つのはあきらめて、本体を机なりテーブルなり自分の腹やひざに載せて使うようになる。IdeaPad Yoga 13のスレートスタイルでは、本体を水平において、テーブルPCのように使うのが無理のない運用だろう。

 液晶ディスプレイを立てて使いたいなら、専用のスタンドが必要になるが、IdeaPad Yoga 13は、「スタンドモード」にすることで、液晶ディスプレイを本体の前においたスタイルで利用できる。PCの操作も、タッチパネルとWindows 8の組み合わせなので、キーボードが使えない制約を意識しなくていい。同様に、液晶ディスプレイを立てて本体が自立してほしいが、スタンドモードのように本体底面積の333.4(幅)×224.8(奥行き)ミリのスペースを確保できない場合は、さらに液晶ディスプレイを開いて(見た目には、さらに"折る"感じになる)、屋根のように立ててしまう「テントモード」にすると、設置に要するスペースはさらに少なくてすむ。

 実際、外出中にIdeaPad Yoga 13のような13型ワイド以上の液晶ディスプレイを搭載するモデルを使おうとすると、喫茶店のカウンターや乗り物が用意するテーブルなど、そのままおいて使えない場面に意外とよく遭遇する。また、実体験として、自宅のテーブルは、常に片付いておらず、ノートPCを置くのも一苦労するが、Webページにアクセスしてコンテンツをみるとか、検索エンジンを使うなど"ちょっと使い"のときに、テントモードのIdeaPad Yoga 13は、片付いていないテーブルでも気軽に使えてしまう。

 なお、同様の方法を採用するコンバーチブルなUltrabookに、Let'snote AX2がある。こちらも、機構的にはテントモードが可能だが、設定の関係でテントモードでは画面の天地が逆になったまま表示してしまう。画面表示をユーザーが回転することで正常にできるが、テントモードでも自動で画面を回転してくれるIdeaPad Yoga 13が使いやすい。

IdeaPad Yoga 13の“Yoga”たる4つの変形モード。クラムシェルスタイルの「ノートブックモード」のほかに、「スタンドモード」(写真=左)、「テントモード」(写真=中央)、そして「タブレットモード」(写真=右)をユーザーの利用シーンに合わせて使い分ける


シンプルで使いやすく、そして頑丈なダブルヒンジ

変形機構はダブルヒンジを採用する。構造も利用方法もシンプルだ

 液晶ディスプレイの開閉機構は、ダブルヒンジを導入した。スライド式のコンバーチブルモデルとは異なり、その姿と仕組みはシンプルで、これが本体の薄型化と軽量化に貢献している。ヒンジのトルクはタッチ操作でディスプレイをつついても倒れることなく、ディスプレイを底面まで開く(感覚としては、ディスプレイと本体をバキッと"折る"に近い)のが、面倒に思うほど固くもなく、ちょうどいい強さに調整している。液晶ディスプレイを開いて天地が逆になったときの、画面回転も遅延なくユーザーを惑わすこともない。

 コンバーチブルタイプの変形機構として、液晶ディスプレイを360度開くタイプは、機構がシンプルで故障も少なく、重量の増加を抑えることが可能であるとともに、変形操作が簡単で、クラムシェルスタイルからスレートスタイルへの移行、そして、スレートスタイルからクラムシェルスタイルへの移行など、面倒に思って使わなくなることもない。

 ただ、スレートスタイルにしたとき、その形態で最も使いたい「立ったまま片手で本体を持って使う」には、1.5キロのIdeaPad Yoga 13は重い。実際、評価作業の期間において、スレートスタイルで使うのは、最初の1~2日に数度あっただけで、あとは、スレートスタイルを必要と思うことはなかった。一方で、Windows 8のタッチ操作に"体が慣れる"につれて、スタンドモード、そして、外出するとテントモードの利用回数が格段に増えていった。スタンドモードもテントモードも、レノボ・ジャパンが訴求する「ユーザーの利用シーンに合わせて柔軟に形を変える」の意図通りにその威力を発揮している

本体とディスプレイをぐりっと開いてクラムシェルスタイルとスレートスタイルを変形する。動作としては、本体とディスプレイをグニッと折る感触にも近い

 


左右に配置したUSBにUltabookとしては打ちやすいキーボード

 本体に搭載するインタフェースは、左側面にHDMIとUSB 3.0、音量調整ボタンがあり、右側面にSDメモリーカードスロットとUSB 2.0、そして、角型の電源コネクタと画面回転ロックボタンを備える。正面にも左寄りにインジケータを内蔵した小さな電源ボタンを備える。IdeaPad Yoga 13の側面は、天板と底面パネルがややはみ出して側面が相対的に引っ込んだデザインなので、電源ボタンやSDメモリーカードスロットに挿入したメディアカードを取り出すときの押し込みは、意識して"深く"押さないとならない。特にメディアカードの取り出しは底面パネルに接しているだけにやりにくい。ここは、使い勝手よりデザインが優先してしまっている。

正面には電源ボタンとバッテリー充電インジケータを備え(写真=左)、背面には排気口があるもののインタフェースは設けていない(写真=右)


左側面には、HDMIとUSB 3.0、ヘッドセット端子、音量調節ボタンがあり(写真=左)、右側面には、角型の電源コネクタとUSB 2.0、SDメモリーカードスロット、画面回転ロックボタンを用意する(写真=右)


 液晶ディスプレイのサイズは13.3型ワイドで解像度は1600×900ドットだ。同じサイズのUltrabookでは、最新モデルで1920×1080ドットの解像度を採用するモデルも増えてきた(より小型の11.6型ワイドの液晶ディスプレイでも解像度が1920×1080ドットを実現している)。ここは、価格設定と見やすいサイズのバランスで、1600×900ドットも妥当な仕様と思えるが、高解像度が何より重要というユーザーは、1920×1080ドットのモデルも希望したいところだろう。液晶ディスプレイには、10点同時押しに対応するタッチパネルを内蔵する。Windows 8 Proの導入で、クラムシェルスタイルのノートPCでもタッチ操作の存在意義が高まっているが、ユーザーも、Windows 8 Proを使っているうちに自然な流れで画面にタッチしていて驚いてしまったりする。体が慣れるというのはこういうことをいうのかもしれない。

 キーボードは、アイソレーションタイプで6列配列だ。ThinkPadもいまやアイソレーションタイプの6列配列だが、IdeaPad Yoga 13では、ESCキーとDeleteキーの横幅はそのほかのキーと比べてやや広いものの、ThinkPadシリーズのキーほどの違いではなく、PrintScreenキーは右上にある。日本のユーザーは、Enterキーの右隣にもう1列キーがあることも難色を示すだろう。キーを押した感触は、同じUltrabookのThinkPad X1 Carbonと比べて、薄く、そして、平たく感じる。ただ、これは、ThinkPad X1 CarbonのキーボードがUltrabookとしては突出して優れているためで、IdeaPad Yoga 13のキーもぐらつくことなく、たわむこともなく、安心してキー入力を続けられる。ほかのUltrabookと比べても打ちやすい。

 評価用機材の天板はシルバーグレーで、表面を梨地にして非光沢にしている。これは、もう1つのカラーバリエーション「クレメンタインオレンジ」も同様だ。汗をかいた指紋が目立つ一方で、表面加工のために後をふき取るのが難しい。見た目を重視するユーザーには、困ったことになるだろう。

液晶ディスプレイのサイズは13.3型ワイドで解像度は1600×900ドット。このサイズと実売価格では妥当な仕様だが、最新モデルでは同じサイズ、または、これより小型のサイズでも1920×1080ドットのモデルが登場したため、解像度に対するユーザーの要求は高くなっている(写真=左)。キーボードはアイソレーションタイプの6列配列で、Enterキーの右脇にもキーが存在する。キーピッチは実測で横方向が約18.5ミリに縦方向が約18ミリ。キートップサイズは14.5(幅)×15(奥行き)ミリだった。タッチパッドのサイズは実測で約105(幅)×70.5(奥行き)ミリと広く確保している(写真=右)


レノボが「イロモノではありません」といえるほどの高性能を発揮するIdeaPad Yoga 13

 IdeaPad Yoga 13が初めて姿を現して、その変形ギミックに多くの関係者が注目することになったが、レノボは、ユーザーが、その部分だけを抽出して「変わったイロモノUltrabook」と記憶するのを避けるため、製品を説明する機会があるごとに「IdeaPad Yoga 13は、イロモノではなく、メインマシンとしても使える正当なUltrabook」と訴求していた。その、根拠としていたのが「高い処理性能を発揮するハードウェア構成」だ。

 2012年11月の時点で、IdeaPad Yoga 13は、搭載するCPUとシステムメモリの容量が異なる2種類の構成がある。上位構成はCore i7-3517U(1.9GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.0GHz)と8Gバイトのシステムメモリを搭載し、下位構成では、Core i5-3317U(1.7GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大2.6GHz)と4Gバイトのシステムメモリを搭載する。そのほかの仕様は共通で、データストレージは容量128GバイトのSSD、チップセットはIntel QS77 Expressを採用する。

 実売価格は、上位構成が13万円前後で、下位構成が12万円前後と1万円ほどしか違わない。そうなると、予算の制約が厳しくなければ、ちょっと無理してでも上位構成を選択するのが望ましい。

 評価用機材は、Core i7-3517Uを搭載する上位構成だ。PCMark 7やCINEBENCH R11.5、3DMark 11、そして、CrystalDiskMark3.0.1Cなど、従来のWindows 7搭載PCでも使ってきたベンチマークテストで測定したが、PCMark 7のPCMarksでいえば、3000台の第2世代Coreプロセッサ・ファミリー搭載のUltrabookとくらべて、IdeaPad Yoga 13は4000台後半と確実に高い値を示している。同じCPUを搭載する最新のUltrabookと同等の処理性能を備えていると考えていいだろう。

デバイスマネージャーで評価機材の構成を確認する


評価機材で測定したWindows エクスペリエンスインデックス



 なお、IdeaPad Yoga 13が内蔵するリチウムポリマーバッテリーは、容量が約16.6ボルト3300ミリアンペアアワー(YbInfoで測定)で、データシートにおけるバッテリー駆動時間は7.5時間としているが、BBench 1.01(海人氏・作)で条件「60秒間隔でのWeb巡回」「10秒間隔でのキーストローク」「電源プランはバランス」「液晶ディスプレイ輝度は10レベル中、下からレベル5」で測定したところ、起動から6時間30分でバッテリー残量5パーセントになった。

標準付属のACアダプタは、サイズが105×65×17ミリと薄型でコード込みの重さは実測で約301グラムだった。出力は20ボルト3.25アンペアになる


 また、表面パネルの温度を非接触タイプの温度計で測ると、高負荷をかけた状態でもキーボード面は高くならず、最も高いFキートップでも35.8度だった。ただ、右半分より左半分が高くなる傾向も確認している。また、底面の表面温度はキーボード面と比べて高く、背面寄り中央で40.8度、同じく、背面寄り左で43.4度と長い時間ひざに載せて使うのは難しい。ただ、アイドル状態では、最も高い部分でも35.2度にとどまる。


 Internarional CESなどのイベントで、レノボがリリースに先行して公開する参考機材は、見た目が先行して話題となるが、実際の製品となるとなかなか登場しないか、投入する市場を限定(多くの場合、中国など)して短期間投入して、また次のイベントでユニークな参考展示をするということを繰り返してきた。

 IdeaPad Yoga 13が2012年1月に登場したときも、多くの関係者はギミックに注目していたが、実際に登場した製品は、コンバーチブルとして使いやすく、ほかの複雑な機構を採用するモデルと比べて、クラムシェルスタイルからスレートスタイルに姿を変えて利用するのが無理なくできる。実用性が高いコンバーチブルタイプのUltrabookといえるだろう。

 同様の仕組みを採用するLet'snote AX2と比べて、スレートスタイルの「タブレットモード」では、従来の「立って片手で持って使う」という常識から離れた利用方法を考えることになる。それでも、レノボが提案するスタンドモード、そして、Let'snote AX2より使いやすい「テントモード」は、IdeaPad Yoga 13の利用シーンを広げてくれるはずだ。

 常時持ち歩けるほどに薄くて軽く、移動途中の休憩や屋内で座って机に置いて使うという想定なら、IdeaPad Yoga 13は、その名の通りに、これまでにない利用シーンでも柔軟に使いこなすことができる、汎用性の高いUltrabookとなるだろう。

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