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なぜ日本で個人間決済ははやらない? 割り勘アプリ「paymo」の代表に聞いてみた

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2017/01/25
なぜ日本で個人間決済ははやらない? 割り勘アプリ「paymo」の代表に聞いてみた: 割り勘アプリ「paymo」リリース発表会での木村新司氏 © ITmedia Mobile 提供 割り勘アプリ「paymo」リリース発表会での木村新司氏

 個人間のモバイル電子決済ツールといえば「LINE Pay」や楽天銀行の「Facebookで送金」があります。これらは便利ではあるものの、日本ではそれほど普及していません。一方で、米国や中国では、モバイルウォレットやモバイル送金決済サービスが広く日常で使われています。

 決済プラットフォームサービス「Anypay(エニーペイ)」と割り勘アプリ「paymo(ペイモ)」を手掛けるAnypay社の代表・木村新司氏に、なぜ電子決済や個人間決済ツールが日本で普及しないのかを聞いてみました。

●国も注力する「キャッシュレス決済」

 日本政府による「日本再興戦略改訂2014」では、「2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催等を踏まえ、キャッシュレス決済の普及による決済の利便性・効率性向上を図る」旨が盛り込まれています。2020年に向けて、日本の決済市場は大きく変わっていくと木村氏は予測します。

 しかし、実際のところ、電子決済は米国や中国と比べ、日本ではなかなか普及していないのが現実です。その理由を木村氏はこう語ります。

 「日本で電子決済が広がらないのは、人口当たりのATMの数が多いことで、お金をすぐに下ろせる環境があること、そしてこの環境があることで、デビットカードがそれほど普及していないことの2つにあると考えます」

●伸びている友人間のスマホ送金

 こうした電子化決済の中でも、今中国と米国で急速に普及が進んでいるのが、「友人間」におけるモバイル送金決済ツールだといいます。簡単にいえば、友人同士でレストランで食事をした際に、現場では代表者がまとめて支払い、後から割り勘して飲食代をスマホで効率的に集金するという使い方です。

 「海外ではモバイルウォレットやモバイル送金決済サービスが普及しており、特に中国では『WeChat Pay』、米国では『venmo』というモバイル送金決済ツールが急速に伸びています。日本でも、かつてガラケーがスマホに置き換わったように、決済の転換点が訪れると予測しています」(木村氏)

 木村氏は個人間のコミュニケーションを介して行われる“割り勘”用途に注目しており、「割り勘は通常、複数の人たちで行われるので、バイラル的に利用者が増える見込みがある」と自信を見せます。

●“本人確認”の煩雑さ

 現在でも、日本ではすでにモバイルの個人間決済ツールがいくつか存在します。これらがそれほど普及していない理由はどこにあるのでしょうか。

 「電子決済が普及していない理由と同様、まずデビットカードが普及していないことが理由と考えています。そうなると、電子決済にはどうしてもクレジットカードを使用することになるため、決済手数料がかかることで、ハードルが上がります」

 「もう1つの理由は、本人確認が必要なところにあるのではないでしょうか。“送金”には身元確認が必要になります。アメリカでは、日本のマイナンバーのような市民IDが普及しているため、そのIDとクレジットカードがあれば送金可能です。しかし、日本ではまだマイナンバーが普及していないので、身分証明といえば免許証になってきます。個人間決済の際にわざわざ免許証を出さないといけないのは面倒ですよね。この2つが個人間決済ツールがいまだに普及していない理由と考えます」

●集金をコミュニケーションに

 こうした背景から生まれた割り勘アプリが「paymo」です。姓名、メールアドレスだけで無料登録でき、クレジットカードを登録すれば、友人・知人同士での割り勘ツールとして使えるというものです。

 飲み会幹事は、飲み会の後、「こないだの飲み会、●●円かかったから、一人××円だよ。払ってね」と飲み会参加者へとメールやLINEなどでかわいいスタンプ付きで送ります。メンバーは、paymoをダウンロード、登録すれば簡単に飲み代金をスマホで簡単に支払うことができます。

 paymoが既存の個人間決済ツールと大きく異なるのは、「送金」ではなく、個人に発生した「債務への支払い」という点にあります。よって、証明書となるレシートや領収書のアップロードを必要とします。

 「paymoでこだわったのは“送金”ではないことと、コミュニケーションです。個人間のお金のやりとりには、必ず何らかのコミュニケーションが行われるため、顔写真やスタンプなどで楽しくやりとりできるようにしました。

 また、paymoは飲み会幹事に特にメリットがあるツールです。友人や会社での飲み会、ランチ、女子会、カラオケなど、楽しい時間の後には必ずついてくるのが、面倒な集金。後で『あのお金、払ってね』と催促するのも気まずいものです。支払う側も、小銭を出す面倒さや手持ちがないこともよくあることです。

 そんな割り勘が、いつものLINEやメッセンジャー、メールなどでの気軽なやりとりの中で、楽しくスピーディーに行えることは、飲み会幹事にとって画期的なことだと思います。また、招待一人につき300円相当のポイントを付与するサービスもあるため、集金側になると得します」(木村氏)

 「本人確認」というハードルがなく、普段のモバイルコミュニケーションのままに飲み会代の請求が気軽に行えるという点で、これまで国内では普及が難しかった決済アプリの決定版となることができるでしょうか。

 テクノロジーの力で飲み会幹事の手間が軽減されると同時に、飲み会などのお金を要する集まりの機会の創出や、ポイント制度のメリットから、自ら飲み会幹事になって集金側に回りたくなる人も増えていくような、新しい流れも起きてくるかもしれません。

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