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アニメ『クズの本懐』第3話で描かれたリアルな同性愛 ファンタジー的な百合描写とはどう違う?

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/01/28 株式会社サイゾー
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 フジテレビ・ノイタミナ枠で放送中のアニメ、『クズの本懐』。原作者の横槍メンゴは、もともと成人向け漫画を手がけていたこともあって、原作漫画でもかなり過激な描写が多い。そのため、アニメでもある程度は攻めてくるだろうと覚悟して放送に臨んだのだが、第1話冒頭から濃厚なキスシーンが炸裂したものだから、思わず面食らってしまった。さらに、先日放送された第3話では、主人公・花火と、花火の親友・早苗(えっちゃん)の女性同士の絡みも描かれ、一層ハラハラする展開となった。  第3話の予告が公開された時点で、ネット上では「レズの本懐」と揶揄されたり、いわゆる「百合」展開をもてはやすような声が散見された。しかし、本作で描かれている花火と早苗の関係は、これまでの地上波放送のアニメで頻繁に見受けられた百合描写とは、大きく異なる手法で描かれているように感じた。  そもそも、アニメや漫画のジャンルとしてしばしば使用される「百合」という言葉は、明確に定義することは難しいものの、主に女性同士の恋愛や友愛を示すものだ。また、百合と位置付けられている作品でも、「ガチ百合」や「GL(ガールズラブ)」と呼ばれるような本格的な恋愛ものから、友情の延長線上にある関係を描いたライトなものまで、幅広く存在している。  しかし、そうした百合要素を孕んだ作品の大半は、メインキャラクターが女性のみで、女子校などの閉鎖的空間が舞台となっている。そのため、男性キャラが登場することはほとんどなく、男性の存在自体が極端に排除されていることが多い。『ゆるゆり』や『ユリ熊嵐』のほか、百合アニメブームの発端となった、2004年放送開始の『マリア様がみてる』シリーズも、女子校での生活を描いた学園ものだ。  また、百合作品を好む女性も少なくないものの、どちらかといえば男性ファンへ向けた「萌え」が意図されているためか、女性同士の美しい関係性のみに焦点を当てて、ネガティブな側面は取り上げないような作品も多い。そのため、百合描写が見られるアニメの多くは、設定がやや非現実的で、ある種の理想郷が描かれている。  しかし、『クズの本懐』では、そうしたファンタジー的な百合描写とは異なる生々しさを持って、同性愛が展開されていた。「男嫌いで、初恋の相手は花火」だという早苗は、恐らくレズビアンなのだろう。しかし、意中の相手である花火のそばには、鐘井、麦という二人の男性が存在している。異性愛と並行して同性愛が描かれることで、ファンタジーとは程遠い、痛々しいほどのリアリティが感じられるのだ。  女性同士の恋愛を現実的な側面から描いたアニメ作品としては、2009年に放送された『青い花』も挙げられる。こちらもメインの舞台は女子校ではあるものの、登場人物を女性に限定せず、男性教師や男子大学生との恋模様も取り入れることで、よりリアルな世界観が構築されている。また、「失恋」「元恋人への未練」「同性の恋人を捨てての異性との結婚」など、決して美しいだけではない、人間の泥臭い部分が描かれているのも特徴的だ。そうした共通点から、『青い花』や『クズの本懐』で描かれている同性愛からは、決して夢物語ではない、現実性が感じられるのだ。  とはいえ、『青い花』と比べれば格段に直接的な性描写の多い『クズの本懐』。早苗の告白を受けて、花火は同性愛に目覚めていくのだろうか。二人はキス以上の関係に発展するのだろうか。今後も、手に汗握る展開に期待大だ。(まにょ)

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