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アングル:カナダ中銀のタカ派化、市場はシグナル見逃したか

Reuters のロゴ Reuters 2017/06/21

[オタワ 20日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)幹部から先週、相次いで利上げに布石を打つ発言が飛び出した。市場がこれに意表を突かれたとすれば、中銀が既に送っていたシグナルを実は見逃していたという可能性がある。

中銀のウィルキンス上級副総裁は12日、原油価格が急落した2015年に実施した大幅な緩和を今も維持する必要があるかどうか今後検討すると表明。翌日にはポロズ総裁が、利下げはほぼ打ち止めになったとの認識を示した。

こうしたタカ派発言を受け、市場が利上げ時期が予想より早まる可能性を意識したため、カナダドルは2日間で1.7%も上昇した。カナダドルはその後やや値を消したものの、依然として12日以前の水準を上回っている。

ただ一部のアナリストによると、中銀は4月と5月の声明でハト派姿勢からの軌道修正に着手し始めた。需給ギャップの解消がより早期になるとの見通しを示し、最近の経済データを「心強い」と受け止めていたからだ。またポロズ氏は4月、中銀の政策運営姿勢は「明らかに中立的」と説明していた。

マニュライフ・アセット・マネジメントのシニアエコノミスト、フランシス・ドナルド氏は「これは顕著な姿勢転換だったが、市場は全面的に理解しなかった。中銀はそれに不満を感じていたかもしれない」と話した。

つまりドナルド氏によると、先週のタカ派発言で中銀は、このままハト派姿勢が続くという市場が長らく持ってきた印象を正そうとした可能性があるという。

ローレンシャン・バンク・セキュリティーズのチーフエコノミスト、セバスチャン・ラボワイエ氏も、中銀は多くのエコノミストが利上げ時期を2018年以降とみている状況を踏まえて「エコノミスト(の予想)を正しい軌道に戻す必要がある。彼らが分かっていない要素が存在する」と考えたのではないかとの見方を示した。

そして実際に今の市場では、年末までに100%の確率で利上げが実施され、次回7月会合の利上げ確率も33.5%あると見込まれている。

米連邦準備理事会(FRB)は2015年に10年ぶりの利上げに踏み切る前に、フォワードガイダンスをうまく利用して市場に不安を与えないように努めた。しかし、ポロズ氏が利上げを控えて明快なガイダンスを提示することを市場は期待するべきではない。

フォレックスライブの通貨アナリスト、アダム・バトン氏は「カナダ中銀は市場にメッセージを送りながら、政策の柔軟性も巧みに維持してきた」と説明する。

これは短期的にカナダドルの振れが大きくなるのを許容しなければならないが、市場が先走って政策変更を織り込むよりもましだという理屈になる。TDセキュリティーズのチーフ・カナダ・マクロストラテジスト、フレッド・デマーズ氏は「市場が向かうべき地点に本来の時期よりも前に到達するのは中銀当局者にとって理想的ではない。中銀は手足を縛られていると思いたくないのだ」と述べた。

アングル:カナダ中銀のタカ派化、市場はシグナル見逃したか © REUTERS アングル:カナダ中銀のタカ派化、市場はシグナル見逃したか

ポロズ氏は15年に予想外の利下げを実施しており、必要なら市場を驚かせるのをいとわない面があるとの声も聞かれる。デマーズ氏は「ポロズ氏は(中銀当局者としては)幾分古いタイプに属する。市場を動揺させることを気にしていない」と分析した。

(Leah Schnurr記者)

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