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アングル:トランプ氏が戦術転換、民主党取り込み姿勢鮮明に

Reuters のロゴ Reuters 2017/09/14

[ワシントン 13日 ロイター] - トランプ米大統領は、移民や税制改革などの問題で以前ほど強く自己主張していない。連邦債務上限引き上げや予算案に続き、野党・民主党との合意にこぎ着けて議会における法案成立を目指そうとしているからだ。

トランプ氏は以前にも穏健な態度を見せたことはあるが、すぐに保守路線に戻ってしまった。しかしホワイトハウスの側近グループの話では、今回の戦術転換の背後には、数カ月に及ぶ議会工作の失敗を経てトランプ氏が法案通過の面で何らかの成果を上げたいと強く望んでいることがあるという。

現在与党の共和党は上下両院で過半数を握っているとはいえ、内部対立のせいで医療保険制度(オバマケア)改廃の取り組みはとん挫した。特に上院では議席数が52とかろうじて半数を超える程度にとどまるだけに、今後税制改正を進める上で、党内の足並みがそろわないことが障害になりかねない。

ホワイトハウスのマーク・ショート議会担当補佐官は今週記者団に「われわれはこの夏、(上院で)共和党が50とか52の議席を保っている状況は信頼に足るものではないという教訓を得た」と語った。

トランプ氏も共和党指導部の党内政治力に不満を募らせ、法案成立のために保守強硬派に頼る作戦は捨て去りつつある。ホワイトハウスの陣容も大統領首席補佐官が古参共和党員のラインス・プリーバス氏から議会との太いパイプを持つジョン・ケリー氏に交代し、首席戦略官だったスティーブ・バノン氏ら右派の側近が解任された。

トランプ氏は12日、ホワイトハウスに7人の上院議員を招いたが、うち3人は民主党員だった。13日は民主党のチャールズ・シューマー上院院内総務とナンシー・ペロシ下院院内総務との夕食を予定。この夕食を前にトランプ氏は、税制改正に富裕層への増税を含む可能性があると述べ、富裕層減税に反対する民主党に秋波を送った。

<反発>

先週はトランプ氏の民主党への歩み寄りがさらに進み、ノースダコタ州で開かれた税制改正に関する集会には地元選出の民主党のハイディ・ハイトキャンプ上院議員を帯同した。同州は共和党の強い地盤で、ハイトキャンプ氏は来年の中間選挙で劣勢とみられている。

フロリダ州とテキサス州に相次いでハリケーンが襲来し、トランプ氏としては実務に専念せざるを得なくなった面もあり、議会に対して超党派で災害支援策を支持するよう訴えた。

もっともトランプ氏と民主党の接近に、苦虫をかみつぶしている勢力もある。共和党の一部などを含む強硬な移民反対派は、不法移民の子供として米国にやってきた「ドリーマー」の支援を議会が法制化する条件としてメキシコ国境の壁建設の予算手当は主張しない、とホワイトハウスが表明したことに怒り心頭だ。

アングル:トランプ氏が戦術転換、民主党取り込み姿勢鮮明に © REUTERS アングル:トランプ氏が戦術転換、民主党取り込み姿勢鮮明に

保守派からは、これでホワイトハウスは交渉力を相当失い、ドリーマーの処遇で妥協を望むトランプ氏の気持ちが民主党に「付け込まれる」と懸念する声が聞かれた。

また共和党議員の間では、税制改正の詳細をまだ詰めていない段階でトランプ氏が民主党を取り込もうとしていることへの不安も出ている。デーブ・ブラット下院議員は「税制改正の内容がはっきりするまで民主党側にドアを開きたくはない」と話し、シューマー氏やペロシ氏と超党派の合意形成に言及するトランプ氏に苦言を呈した。

(James Oliphant、Roberta Rampton記者)

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