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アングル:出遅れる欧州銀行株、買いに逆風でも強気健在

Reuters のロゴ Reuters 2017/09/11

[ロンドン 8日 ロイター] - 今年に入って欧州株の大きなテーマの1つだった銀行株の買いは、欧州と米国の金利正常化の遅れによって厳しい局面を迎えている。しかし強気派はなお売りに転じてはいない。

投資家は今年序盤、欧州銀行株に殺到した。割安感や政治リスク後退、世界経済の改善に伴う着実な金利上昇の期待などが背景だった。

ところが8カ月が経過し、欧州銀行株指数は市場全般に対して出遅れている。金利が10年近く続いた低水準から正常に戻れば、銀行の収入と利益が大幅に増えるはずだと思われたものの、そうした状況は投資家が想定していたほど早期に実現しそうにはなくなった。先進国ではずっと物価上昇力が弱く、欧州と米国では本格的な金利上昇見通しが顕在化しないままだ。

間もなくファンド業界は締めの季節に入り、今年のリターンが来年も顧客をつなぎとめられるかどうかを左右する。それだけにアンダーパフォームしている銀行株を抱える資産運用担当者としては、いかにも時期が悪い。

7日時点で欧州銀行株指数の年初来上昇率は3.2%と、欧州主要企業で構成するSTOXX600指数の半分弱にとどまっている。

銀行株の値上がりに賭けてきた投資家にとっては、欧州経済が想定通り持ち直しているだけに余計に悔しさが募る。UBPのマネジングディレクター、スコット・ミーチ氏は「ファンダメンタルズに関するコンセンサスは正しかったし、銀行株の配当やバリュエーションは素晴らしい。(だが)株価を抑えているのは金利環境だ」と指摘した。

アングル:出遅れる欧州銀行株、買いに逆風でも強気健在 © REUTERS アングル:出遅れる欧州銀行株、買いに逆風でも強気健在

ほとんどの欧州銀行株は、金利先高観の急速な後退とともに上半期に記録した値上がりの大部分が帳消しになってしまった。

7日には欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、ユーロ高が物価見通しの重しになっていると発言して金融政策正常化がやや遅れると示唆すると、銀行株は0.8%下落。株価全般が当面の緩和継続への安心感で上昇したのと対照的な動きだった。

問題はECBだけではない。米国債利回りが数年来の低水準で推移していることも、銀行が利ざや拡大を図るのがいかに難しいかを示している。背景には、トランプ米政権の政策実現能力を巡る不透明感などから米連邦準備理事会(FRB)が年内の追加利上げに動けるかどうか懐疑的な声が出ていることがある。

<配当の魅力>

それでも欧州銀行株の強気見通しを堅持しているアナリストや投資家は少なくない。一部の投資家は、金利がいずれ上がり、それにつれて銀行の利益も上向くと主張している。

プライベートバンクのデグルーフ・ピーターカムの資産運用部門を率いるローレント・ガエタニ氏は「ユーロ圏の成長率2%とドイツ国債利回り0.35%という組み合わせはあり得ない。遅かれ早かれECBは(引き締めに)動く」と語り、今はドイツの金利商品を売って欧州銀行株を買う取引に乗り出す水準にあると説明した。

欧州銀の配当増加が投資家の保有を続けさせている面もある。各行は過去10年で資本増強に奔走してきたが、ようやく利益をより多く還元できる態勢になった、と主張するのはアクシオムAIのジェローム・レグラス氏だ。

ゴールドマン・サックスは、2019年までに利上げがなかったとしても欧州銀セクターからの資本還元があり得ると予想。7日付調査ノートでBNPパリバ(BNPP.PA)やKBC(KBC.BR)などは増配が見込めるとしている。

(Julien Ponthus記者)

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