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アングル:米石油備蓄売却案、市場均衡というOPEC目標に寄与

Reuters のロゴ Reuters 2017/05/24

[ニューヨーク 23日 ロイター] - トランプ米大統領による2億7000万バレルの戦略石油備蓄(SPR)売却提案は、意図せずして、石油輸出国機構(OPEC)が求めている世界石油市場の再均衡化を支援するかもしれない。

25日にはウィーンでOPEC総会が開催される。OPEC加盟国とロシアなどの非加盟国は、日量180万バレルの減産延長に合意する見通しだ。

予算案が議会で承認されてもSPRからの売却の多くはかなり先に実施される見込み。これにより原油価格の上昇予想が抑えられ、OPECによる石油市場の安定化という長期目標達成に寄与するだろう。

米政府は6億8800万バレルのSPRのうち、2018年から27年までに2億7000万バレルを売却し、資金調達したい考え。

過去の予算では25年までに合計1億9000万バレル近くの売却が認められた。これは日量6万5000バレル、1カ月では巨大タンカー1隻分に相当する。

予算教書によると、18年にまず5億ドル分を売却。その後、段階的に拡大し、27年には約39億ドルまで引き上げる見通し。市場には日量で約7万4000バレルの石油が追加流入する計算となる。

売却分を徐々に増やすことにより、将来時点の価格が低下し、原油先物カーブにおいて期近物より期先物が割安となる。いわゆる「バックワーデーション(逆ザヤ)」と呼ばれる状態だ。

OPEC加盟国と非加盟国が減産したことで供給量は減少している。ただゴールドマン・サックスのアナリストは今週のメモで、OPECは市場安定化のために供給過剰を抑える以上のことをする必要があると指摘。現状の「コンタンゴ(順ザヤ)」から「バックワーデーション」に変化させるべきと述べている。

そうでなければ、米国のシェールオイル生産業者に過去最高水準の生産を維持するインセンティブを与え、市場に一段と石油が流入、OPECの市場シェア低下につながることになる。仮にSPRの売却により、期先の価格が低下すれば、シェールオイル生産業者は掘削装置を増加させないだろう。

RBCキャピタル・マーケッツのグローバル・エネルギー戦略担当ディレクター、マイケル・トラン氏は「市場に石油が流入すれば、長期にわたって価格が低下する」と指摘。段階的に売却されるため急速な価格上昇は抑えられると述べた。

米議会が予算案を承認するかは不透明。さらに米国は国際エネルギー機関(IEA)の加盟国として、輸入の90日分に相当する備蓄を義務付けられている。米エネルギー省によれば備蓄量は10月時点で約142日分だ。

アングル:米石油備蓄売却案、市場均衡というOPEC目標に寄与 © REUTERS アングル:米石油備蓄売却案、市場均衡というOPEC目標に寄与

(Catherine Ngai記者)

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