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エプソンが「100枚/分」の高速印刷ラインインクジェット複合機を投入

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/02/02
エプソンが「100枚/分」の高速印刷ラインインクジェット複合機を投入: ハイエンドモデルの「LX-10000F」を囲んで、左からセイコーエプソン取締役常務執行役員プリンター事業部長の久保田孝一氏、セイコーエプソン代表取締役社長の碓井稔氏、エプソン販売代表取締役社長の佐伯直幸氏 © ITmedia NEWS 提供 ハイエンドモデルの「LX-10000F」を囲んで、左からセイコーエプソン取締役常務執行役員プリンター事業部長の久保田孝一氏、セイコーエプソン代表取締役社長の碓井稔氏、エプソン販売代表取締役社長の佐伯直幸氏

 エプソンは2月2日、100枚/分の高速印刷に対応したラインインクジェット複合機・プリンタの新ブランド「WorkForce Enterprise」を発表。「LX-10000F」と「LX-7000F」の2シリーズを2017年5月に発売する。

 製品ラインアップは、印刷速度が100枚/分の上位機種として「LX-10000」およびFAX搭載モデル「LX-10000F」、75枚/分の下位機種として「LX-7000」およびFAX搭載モデル「LX-7000F」を用意する。

●独自のラインインクジェット技術で差異化

 通常のインクジェットプリンタは、用紙を垂直方向に搬送しながら、プリントヘッドの乗ったキャリッジを水平方向に往復させてインクを吐出して印刷する。このため、用紙に面で一度に印刷できるレーザー・LED(電子写真方式)のページプリンタに比べて、特に大量印刷時の速度が不利だった。

 LX-10000F/LX-7000Fは、印刷する用紙幅の端から端までをカバーするライン型のプリントヘッド「PrecisionCoreラインヘッド」を新開発して搭載することで、キャリッジの移動なく、固定されたヘッドで高速な印刷を可能にした。静電気で用紙を吸着して搬送する「静電吸着ベルト」も採用し、紙送りの高速化と安定化も図っている。A4印刷速度はカラー/モノクロ、片面/両面いずれもLX-10000Fが100枚/分、LX-7000Fが75枚/分だ。

 同社が新開発したプリントチップは、幅を1.33インチから1.53インチに延長しつつ、ノズル間隔を10%狭めて333dpiの解像度を実現。このチップを36枚斜めに並べて有効ノズル数が約3万3500のラインヘッドを構成することで、ヘッドの小型化と高密度化を両立し、印刷解像度600×1200dpi(最高解像度600×2400dpi)で高精細印刷を行う。

 これまで同社の一般オフィス向けプリンタ複合機では2チップや4チップのプリントヘッド(キャリッジ搭載型)を採用していたため、これと比較して圧倒的な高速印刷が可能になったわけだ。

 インクジェット方式ではインクがノズルに詰まることで正常に印刷できなくなるトラブルも起こり得るが、ノズル数が多いLX-10000F/LX-7000Fでは対策されている。ノズル詰まりが発生した場合、「ノズル自己診断システム」で1枚印刷するごとにノズルの状態を自動検知し、画質を調整する仕組みを搭載した。

 一般的に電子写真方式と比べたインクジェット方式の弱点としては、印刷のにじみや裏写りが挙げられるが、LX-10000F/LX-7000Fは最適化した顔料インクを採用し、高速印刷に耐える速乾性を保ちつつ、にじみと裏写りを抑えた。

 インクジェット方式はレーザー・LED方式に対して印刷プロセスで熱を使わないため、省電力の面でもメリットがある。最大消費電力はLX-10000Fが320W、LX-7000Fが300Wで、高速プリンタながら家庭用電力(100V/1.5A)でも動作可能だ。TEC値(動作時と待機時を含めたトータルの消費電力量)はLX-10000Fが1.2kWh、LX-7000Fが0.9kWh。

 インクジェット方式は電子写真方式に対して、印刷プロセスでインクを吐出するシンプルな構造なので、LX-10000F/LX-7000Fは高速印刷プリンタ複合機ながら定期交換部品が少ないのも特徴だ。月間印刷枚数2万枚で60カ月利用した場合、必要な交換部品は給紙ローラーのみだ。

 インクカートリッジはブラック2本、シアン、マゼンタ、イエローの5本を採用。印刷可能枚数はブラック2本で10万枚、カラーで5万枚となっており、大容量カートリッジで交換頻度を抑えている。

 給紙は標準で2550枚の5way給紙、オプションの大容量給紙ユニット装着時で最大6050枚の6way給紙。排紙は標準で750枚、オプションのフィニッシャー装着時で最大4950枚。シフト機能やステープル機能も装備する。

 そのほか、9型の光学式タッチパネル液晶モニター、軽い力で操作できる用紙カセット、A4片面60枚/分、A4両面110面/分の両面同時スキャン機能といった使い勝手の工夫、マルチベンダー対応の認証印刷サポートといった機能も備えている。

●販売方法は3種類のプランを用意

 市場としては、大量の印刷枚数を必要とする「インクジェット軽印刷市場」として小売業、流通業、官公庁、自治体、学校、病院、印刷業を、既存の「複合機・プリンタ市場」として一般OA用途、官公庁、自治体、病院を主要ターゲットとしている。高速化により、これまでカバーしていなかったオフィスセンターマシンのコピー機や複合機も狙う。

 インクジェット軽印刷市場には競合するラインインクジェットプリンタ製品もあるが、高速なだけでなく高画質という付加価値で差異化するという。また、複合機・プリンタ市場ではスピード2倍の高速性をアピールする。

 購入方法については、月々の印刷枚数、1枚の印刷濃度の高さといったユーザーの利用形態を想定した3種類のプランから選べる。

 「オール・イン・ワンプラン」は既存の「エプソンのスマートチャージ」同様、本体を購入せずに月額制で規定枚数まで印刷できるプラン。インク、メンテナンスボックス、保守サービスも含まれる。

 5年契約の月額基本使用料は、LX-10000が7万円(税別、以下同)でカラー7000枚まで、モノクロ1万3000枚まで印刷可能、LX-7000が5万円でカラー3000枚まで、モノクロ7000枚まで印刷可能だ。超過分はページ単位で課金され、LX-10000がカラー3円、モノクロ0.8円、LX-7000がカラー3.6円、モノクロ1円。

 「インク・スタンダードプラン」は機器本体を購入(プリントヘッドを含まず)し、インクや保守サービスを必要に応じて別途購入、契約するプラン。本体価格はLX-10000が250万円、LX-7000が200万円だ。ランニングコストはLX-10000がカラー1.5円、モノクロ0.4円、LX-7000がカラー2.3円、モノクロ0.6円。

 「カウンター・チャージプラン」は機器本体を購入(プリントヘッドを含まず)、またはリーズで契約し、印刷した枚数分を課金するプラン。本体価格はLX-10000が250万円、LX-7000が200万円だ。ページ単位での印刷料金はLX-10000がカラー9円、モノクロ1.2円、LX-7000がカラー11円、モノクロ1.5円。

●一般オフィス向けのA3複合機も強化

 同社は「エプソンのスマートチャージ」対応モデルのA3複合機「PX-M7070FX」、A3プリンタ「PX-S7070X」も同時発表した。3月上旬にサービスを開始する。

 A3複合機「PX-M7050FX」とA3プリンタ「PX-S7050X」の機能や構造を見直した後継機。両面同時スキャンの速度を45面/分に高速化し、液晶モニターのユーザーインタフェースと操作性、FAX機能を改善し、リモートメンテナンス機能を内蔵した。また、内部構造を見直してメンテナンスしやすくしている。

 ターゲットは複合機・プリンタ市場で、コスト1/2をアピールして拡販を狙う。サービスプランは従来通り「オール・イン・ワンプラン」のみだ。5年契約の月額基本使用料は、PX-M7070FXが1万円から、PX-S7070Xが8000円から。

 今回同社が発表したエプソンのスマートチャージ新製品を含む中期(3〜5年程度)販売目標は、インクジェット軽印刷市場で40%のシェア、低速(30枚/分クラス)のコピー機・複合機市場で5%のシェア、高速(50枚/分クラス)のコピー機・複合機市場で5%のシェアを掲げている。

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