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カルーセル麻紀が語る、日活ロマンポルノの魅力「隠れているからこそ濃密なエロスが溢れている」

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/03/09 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 1971年に製作を開始した日活ロマンポルノ。昨年、生誕45周年を迎え、リブートプロジェクトが始動するなど、新たな盛り上がりを見せている。「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと製作条件の下、日本映画史に名を残す監督・脚本家・スタッフたちが力をつけていった。男と女の生き様を、美しく深く描いた数々の作品の中で、これまでソフト化されてこなかったタイトルが、この度一挙にDVD化される。 参考:行定勲ら5人の監督は“ロマンポルノ”をどう蘇らせたか? 松江哲明×モルモット吉田が語り合う  その中でもとりわけ注目されているのが、カルーセル麻紀が主演を務めた『カルーセル麻紀 夜は私を濡らす』だ。“ミスターロマンポルノ”こと西村昭五郎が監督を務め、切なく哀しい物語を情感たっぷりに、カルーセル麻紀の美しく艶やかな肢体と共に描いている。  リアルサウンド映画部では、同作品のDVD特典コメンタリー収録後のカルーセル麻紀にインタビューを行った。当時の思い出から、ロマンポルノについて、そして現在の性表現にまで話は及んだ。 「シャワーシーンの撮影のとき、相手役の浜口さんが舌で私の前貼りを剥がす素振りをみせて! それは冗談だったのですが、この人は一体!? と思ったのを覚えています。後で聞いたら、ロマンポルノに何作品も出演している方だったので、慣れていらっしゃったんでしょうね(笑)。共演者にほとんど知り合いがいなかったので、初めはびっくりしました」  カルーセル麻紀は、ロマンポルノ初出演にして主演作となった本作の思い出をそう振り返る。 「私はもともと日劇ミュージックホールのストリッパーだったので、裸になることに対しては抵抗ありませんでした。アングラ劇場で初めて芝居を経験したとき、私の台詞でお客さんが泣いているのが見えたんです。それが、演技に目覚めたきっかけだったかなあ。今回、40年前の自分の映像を観ましたけど、色気がないなと思いました。ただ、テレビの私しか知らない方はショックを受けるんじゃないですか(笑)。キスシーンなんかとっても、“本気”のキスを私はしていたから相手は嫌がっていたんじゃないかしら」  本人は否定するものの、当時の作品に刻まれた彼女の色気には、誰もが目を見張るほどのものがある。今の時代から見ても決して色褪せることのないカルーセルのファッションも注目のポイントだ。 「衣装もアクセサリーも全部自前です。ほとんどがパリで買ったものだったと思う。誰よりも先駆けてスカーフを結んで、ターバンも巻いて。時代を先取りし過ぎていたかも」  カルーセル演じる鮎川涼子は、歌手を夢見るホステス。涼子にはギャンブルに精を出すヤクザの男が“ひも”としてついていた。 「私はお金持ちとの方とは、ほとんど付き合ったことがなくて、だいたいダメ男ばっかり。劇中、涼子が作曲家の男に見初められて彼と関係を持っている最中にヒモ男がそこに鉢合わせたり、涼子が作曲家の浮気現場を目撃したり……まさに修羅場が何回か訪れますが、あれも経験ありです(笑)」  様々な規制があるからこそ、日本独自のエロスが育まれたとカルーセルは語る。 「ロマンポルノの面白さは、淫靡なところはあるけど、お話の筋もしっかりしているところ。映倫の規制もあるから、局部は見せないで撮影するし、当然実際に行為をしているわけではないのに、隠されているからこそ、濃密なエロスが溢れている。直接的に見せない、想像させるエロティシズムは日本独特のものじゃないでしょうか」  いまなお愛され続けているロマンポルノ。本作をはじめ、その魅力はこれからも語り継がれていくことだろう。 「こうやって映像として残っていることは本当に幸せなこと。日活もよく私で一本撮ろうと思いましたよ。40年前の映像ですけど、衣装も違和感なく見ていただけると思いますし、細くてきれいな私が映っています(笑)。日活を支えたロマンポルノ、女優たちが輝いていた作品群を是非見てほしいですね。その時代、その年齢でしか刻まれていない女優の身体が、どの作品にも映し出されていますから」(取材・文=石井達也)

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