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クラウドERPの雄、NetSuiteが野心的なUIやB2B機能を披露

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/05/14 ITMedia
クラウドERPの雄、NetSuiteが野心的なUIやB2B機能を披露: サンノゼの象徴ともいえる「テックイノベーション博物館」 © ITMedia 提供 サンノゼの象徴ともいえる「テックイノベーション博物館」

 米国時間の5月13日、シリコンバレーのサンノゼ・コンベンション・センターでクラウドERPの雄、NetSuiteの年次カンファレンス「SuiteWorld 2014」が開幕し、6500人のユーザーやパートナーが参加した基調講演ではビジネスアプリケーションの新しいスタンダードを目指した野心的なユーザーインタフェースや、B2Bでもオムニチャネルを実現する「B2B Customer Center」が披露された。

 同コンベンションセンターは、2006年にGoogleのエリック・シュミットCEOが「クラウドコンピューティング」という言葉を初めて使った会場としても知られている。「すべては雲の中にある」と彼が表現したクラウドは、わずか8年余りで、企業コンピューティングの本丸であるERPも飲み込み、さらにその適用領域を広げようとしている。

 Oracleの技術者だったエバン・ゴールドバーグCTOがNetSuiteを創業した1998年には、まだ「クラウド」という言葉もなかったが、彼が掲げたアイデアは、企業の基幹業務システムという領域でも存在感を増しつつある。

 顧客企業が2万社に達したNetSuiteは、ERP/財務会計やCRMなど、フロントからバックオフィスまで、業務全体をひとつのクラウド型アプリケーションスイートでカバーする。顧客レコードにひも付けてすべての情報を一元管理し、営業、サポート、財務会計、配送、請求書など、すべての業務を継ぎ目なく進めることができるほか、ビジネスインテリジェンス(ダッシュボード)機能も併せて提供、各種のKPIによって業務や経営の「見える化」まで実現するのが大きな特徴だ。

 2年前のSuiteWorldカンファレンスでは、「NetSuite SuiteCommerce」を発表し、e-コマース機能も大幅に強化された。

 現在、19の言語、190以上の通貨に対応しているため、海外現地法人の経営進捗もリアルタイムで見える化できるという。

●フラットデザインでビジネスアプリをさらに使いやすく

 NetSuiteはまた、クラウドアプリケーションベンダーとして、いち早くWindowsデスクトップのメタファーを脱し、いわゆるWebベースのモダンで野心的なユーザーインタフェースを提供してきた。

 初日の基調講演に登場したザック・ネルソンCEOは、UIに関する同社の足跡をたどりながら、Webベースアプリケーションにおけるインライン編集やAjax技術を活用したBIダッシュボードがその一例であり、また、ロールベースのUIという概念も同社が生み出した、と話す。

 NetSuiteは元来、顧客レコードにひも付けてすべての情報を一元管理し、すべての業務を継ぎ目なく進めるというデザインに基づいているため、ほかの部門向けにつくられたアプリケーションの連携とは異なり、シームレスで一貫したユーザーエクスペリエンスを追求してきた。SuiteWorld 2014の基調講演で披露した新しいユーザーインタフェースは、HTML5をサポートし、いわゆる「フラットデザイン」を取り入れ、さらにシンプルで使いやすいものにしている。

 ゴールドバーグCTOは、「わたしはNetSuite創業以来、基幹業務アプリケーションを単に使いやすいというだけでなく、楽しみながら使えるようにするにはどうしたらいいのか、多くの時間を割いてきた。新しいUIは、顧客を念頭に置いただけではなく、実際に顧客によってデザインされた。そのエクスペリエンスは、ビジネスアプリケーションの新しいスタンダードとなるものだ」と話す。

 新しいUIのハイライトは以下のとおり。

・スイートのすべてで全く新しいビジュアルデザインを採用

・ナビゲーショナルヘッダーによってナビゲーションはもちろん、Global Search、Recent Records、Help、Quick Add、Shortcutsといったツールに素早くアクセスできる

・新しいQuick Addツールは、どこにいても、タスクやイベント、連絡先などを素早く追加できる

・タブレット向けにエクスペリエンスを改良した

・ダッシュボードのパーソナライズを容易にした

 NetSuiteでは、新しいUIを今年第3四半期に予定している「2014.2リリース」で提供するとしている。

●B2Bでもオムニチャネルを

 基調講演でネルソンCEOが新しいUI以上に時間を割いたのが、B2Bでもオムニチャネルを実現する新しいB2B Customer Centerだ。

 「まるでeBayやamazonのようなB2Cのオンラインショッピング体験を堅牢なB2Bのe-コマースプラットフォームにも提供したい」とネルソン氏。B2Bのバイヤーは、発注状況や詳細、履歴、配送状況などをさまざまなチャネルやデバイスで確認できるほか、見積もりの承認、支払い、返品・返金請求などもより簡単に行えるようになるという。

 ネルソン氏は、新しいB2B Customer Centerによってディーラー向けのセルフサービスポータルを運営するVHA Corpをステージに招き上げた。カリフォルニア州ダイヤモンドバーに本社を置く同社は、米Sprint傘下のプリペイドブランド、「Boost Mobile」と「Virgin Mobile」の大手ディストリビューター。情報システム担当ディレクターを務めるジョン・マルチネス氏は、「B2B Customer Centerによって小売店が発注から配送の確認、支払いなどをセルフサービスで行えるようにした。わずか4カ月で取引の半数がオンラインに移行し、さらに比率が高まると期待している」と話す。

 調査会社、Forresterの試算によれば、B2Bコマースの市場は米国だけで5590億ドル、その規模はB2Cの2倍以上だという。

 B2B Customer Centerを含めたNetSuite SuiteCommerceの機能強化はまた、e-コマースの適用領域を、例えば「G2G」(Government to Government)にも拡大している、とネルソン氏は話す。やはり、基調講演でネルソン氏が紹介したテキサス州は、NetSuite SuiteCommerceを活用し、「TxSmartBuy」と呼ばれるG2Gサイト(購買ポータル)を運営、州政府のさまざまな局・部署がamazonのようなエクスペリエンスで調達業務を行えるようにしている。

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