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スキマ時間で英語が身に付く? カシオの「デジタル英会話学習機」を試す

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/05/31
スキマ時間で英語が身に付く? カシオの「デジタル英会話学習機」を試す: カシオの英会話学習機「joy study(ジョイスタディ)」。搭載コンテンツが異なる複数のモデルが用意されている © ITmedia PC USER 提供 カシオの英会話学習機「joy study(ジョイスタディ)」。搭載コンテンツが異なる複数のモデルが用意されている

 英会話を学ぶ方法はさまざまだが、携帯していつでもどこでも気軽にリスニング学習が行える専用デバイスがあるのをご存じだろうか。

 カシオ計算機のデジタル英会話学習機「joy study(ジョイスタディ)」は、MP3プレーヤーほどのコンパクトなボディーに「とにかくひとこと英会話」や「キクタン英会話」などの英会話学習教材を詰め込んだ製品だ。付属のイヤフォンを用いて、通勤・通学などのスキマ時間を使っての英会話学習が行えるという触れ込みの学習教材である。

 英会話の上達を目的としたデジタル教材としては、専門教材の他、スマホアプリも候補になるが、本製品は書籍をベースとした著名な英会話学習コンテンツを10個も搭載しながら、本体込みで8000〜1万円程度(量販店での実売価格)と、リーズナブルな価格で入手できることが特徴だ。同様のコンテンツは電子辞書にも搭載されているが、本製品は持ち歩いて使える設計が1つの売りとなっている。

 このjoy studyには、これまで接客業をターゲットにしたモデル(JY-L03)が販売されていたのだが、2017年春に「販売・飲食向けモデル(JY-L04)」「宿泊・交通向けモデル(JY-L05)」という、ターゲットをさらに細分化・明確化した2モデルが追加された。いずれも、2020年に向けてますます増えると予想される訪日客の接客対応を強く意識したモデルと言える。

 今回は、販売・飲食向けモデル(JY-L04)を例に、具体的にどのような製品で、どのような使い勝手なのか、その特徴について見ていくことにしよう。なお今回はメーカーから借用したサンプルを用いているため、市販される量産品とは一部仕様が異なる可能性があることをご了承いただきたい。

●MP3プレーヤー風のボディー スピーカーは非搭載

 本体サイズはMP3プレイヤー並みと、書いたが、幅は68.5ミリとスマホ並で、高さは68ミリ、厚みは16.1ミリと、MP3プレーヤーと言ってもかなり大柄な部類に入る。ほぼ正方形になるよう、スマートフォンの下半分を切り落とした大きさだと考えると、おおむね間違いないだろう。重量は約75グラムと軽い。

 本体上部には電源ボタンとイヤフォンジャック、左側面には音量調節ボタンがある。また右側面にはMicro USBポートとストラップホールが用意されている。電源は単四電池×1本の他、eneloopまたは充電式EVOLTAも利用できる。電池寿命は連続再生時で約10時間が目安とされており、100時間を超えることもある電子辞書に比べると、やや短い印象だ。

 ディスプレイは2.2型のモノクロ液晶を採用する。電卓などに使われているのと同等の品質で、お世辞にも高級感はないが、バックライトを搭載していることもあり、暗い場所での利用にも対応できる。表示できる最大文字数は5行×14文字(168×64ピクセル)で、文字サイズの変更はできない。

 基本的な操作方法は、本体中央下部にある円形の上下左右キーで項目を選び、中央の「登録・決定」ボタンを押して選択するという流れだ。その左に配置されている「戻る」ボタンも含めて、説明書などは読まなくとも使い方は理解できるはずだ。ちなみに右側には、再生の一時停止と、速度の切り替えを5段階で行うためのボタンが配置されている。

 本製品はスピーカーを内蔵しておらず、コンテンツの再生には付属のイヤフォンが必須となる。イヤフォンなしで使えないのはやや不自由にも感じるが、イヤフォンのケーブルが抜けて周囲に音が響き渡るミスが起こり得ないのは、逆にメリットと言える。

●接客業で使える具体的な会話の暗記に最適

 では実際に使ってみよう。電源ボタンを長押しして電源をオンにすると、メニュー画面が表示される。今回紹介する販売・飲食向けモデルの場合、「とにかくひとこと英会話」「接客英会話」「キクタン」という3つのコンテンツに「設定」を加えた計4項目が表示される。

 「とにかくひとこと英会話」を選択して開くと、「まちかど英会話」「接客英会話【販売編】」「接客英会話【飲食編】」の3カテゴリーと、お気に入りの例文を登録できる「MY例文帳」の計4つがメニューとして表示される。それぞれのカテゴリーはSTEP 1〜3に分かれており、その中にさまざまなシチュエーション(トラック)ごとの英会話が収録されている。

 シチュエーションはなかなか具体的だ。例えば「接客英会話【販売編】」の「入店・店内案内」だと、「売り場をたずねられる」「商品を扱っているかたずねられる」「営業時間をたずねられる」といったシチュエーションについて、尋ねられるであろう質問とそれに対する回答が、それぞれ英語と日本語で表示され、かつ同じ内容が音声でも再生される。これらを繰り返し聞いて覚えることで、英会話の基本フレーズをマスターできるという仕掛けだ。

 もちろん実際には、この文章そっくりそのままの質問をされる可能性は低いだろう。とはいえ、ここで出て来るフレーズを暗記しておくことで、含まれている単語や文章の構造などから、何を聞かれているか把握しやすくなるのは間違いない。そうなればしめたもので、後は内容に応じて、同様に暗記しておいたフレーズの内容をアレンジし、回答すればよいというわけだ。

 ちなみに画面に表示される内容は、「ワンポイント」など画面でしか表示されない一部の解説を除いて、音声に合わせて自動的に切り替わっていくる。一時停止もできる他、速度を5段階で切り替えることも可能だ。またリピート再生では同じトラックを繰り返すだけでなく、収録されている全てのトラックを繰り返すこともできるので、集中的に覚えたい場合と、聞き流したい場合とで使い分けられる。

 使っていて多少気になったのは、1画面に表示できる5行の下に文章の続きがあった場合も、そのことを知らせるマークなどが表示されず、続きを見逃す場合があることだ。明らかに文章が途中で途切れている場合などはマークなしでも分かるのだが、箇条書きなどでは未表示の項番があるのを見逃しがちだ。この辺りは何らかの改善がほしいところだ。

●マニアックすぎるセールストークも

 残り2つのコンテツについても紹介しておこう。「デイリースピーキング 接客英会話」は、業種別によく使われるであろう問答を覚えるためのコンテンツで、最初に「土産物屋」「家電量販店」「ドラッグストア」「書店」といった具体的な業種を指定した後、それぞれの業種で想定される問答を学習する流れになっている。

 問答の内容はかなりマニアックで、例えば家電量販店の場合は、デジタルカメラを買いに来た海外客に対して、充電器が日本仕様であることを教えたうえで変圧器も併せて勧めるという、製品の特性も考慮したセールストークが紹介されている。またポイントとして、「単三電池」「単二電池」などの海外での呼び方といった豆知識も紹介されており、業種ごとに知っておかなくてはいけない知識をつけるのに適している。

 学習の流れとしては、まず英語で問答を3回聞いたのち、次に日本語訳も織り交ぜた状態で聞いて内容を確認し、ポイントの確認を経て日本語訳と英語を聞き、最後に仕上げとしてもう一度聞く、という学習方法(デイリースピーキング)が指定されている。リピート再生の方法は指定できるが、音声なしで文章だけ読んで学習することは原則できない仕組みだ。

 「キクタン英会話」は、チャンツと呼ばれる、リズムに合わせて読み上げられる英単語とその訳を、耳で聴きながら覚えていくコンテンツで、最近の電子辞書では搭載例が多い。内容は特定の業種業態を意識したものではなく、「基礎編」「初級編」「おもてなし編」など、基本的な英単語を覚えるためのコンテンツが収録されている。

 なお、本製品は基本的にイヤフォンを使って学習するというコンセプトだが、この「キクタン」に関しては、チャンツを使わないよう選択すれば画面をめくって覚えることもできるので、イヤフォンを使えないシチュエーションで本製品を使って英語学習を少しでも進めたい場合は、このコンテンツがお勧めだ。完全に覚えた単語にはチェックマークを入れることで、次回は非表示にすることも可能だ。

●実用性重視で完成度の高い製品

 以上、ざっと使ってみたが、スキマ時間を使って業務で使う英会話をマスターしたい人向けの実用性重視の製品として、完成度は高い。1万円程度で購入できることもあり、気軽に買って試すにはぴったりだ。

 ハードウェア的に改善を望みたい点としては、画面の情報量をもう少し増やしてほしいこと、電源の残量表示がほしいこと、後は電源ボタンだけは誤動作防止のためにスライドボタンにするなどの対策がほしいことだろうか。

 約16ミリという厚みが気になるかもしれないが、本製品は画面を見ながら音声を聴く学習方法が主であり、ポケットに入れずに常時片手に持って使うことになるため、厚みはそれほど問題にならないというのが率直な感想だ。

 注意したいのは、本製品に収録されているのはあくまで暗記のためのコンテンツであることだ。本製品は1画面に表示できる情報量も少なく、また検索機能もないので、実際に英語で接客する必要が生じた際に、本製品を片手に例文あるいは単語を探すといった使い方には向かない。そこを勘違いすると、この製品は使えない、ということになりかねない。そのような用途が主であれば、別の手段を考えた方がよいだろう。

 また、電子辞書であれば、例文中に分からない単語が出てきても、搭載されている辞書を使ってその意味を検索できるが、本製品はそうした機能はない。本製品には電子辞書のノウハウが多数搭載されているが、電子辞書とはコンセプトが全く異なっており、どちらかというと電子辞書(または紙の辞書)と併用すべき製品という位置付けが正しい。そうした点も、購入を検討する際には意識しておいたほうがよさそうだ。

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