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ソニーの有機ELテレビは映像と音の一体感がスゴイ! その裏にある10年に渡るノウハウを聞く

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2017/06/13
ソニーの有機ELテレビは映像と音の一体感がスゴイ! その裏にある10年に渡るノウハウを聞く © KADOKAWA CORPORATION 提供 ソニーの有機ELテレビは映像と音の一体感がスゴイ! その裏にある10年に渡るノウハウを聞く

ソニーの有機ELテレビ「A1」シリーズ ソニーの有機ELテレビ「A1」シリーズ  有機ELテレビを発売したメーカーに各社に直撃取材を行ない、それぞれの特徴やメーカーならではの独自の強みをじっくりと聞き出していく本特集。前回のパナソニックに引き続き、今回はソニーだ。  同社の有機ELテレビは「KJ-65A1」(実売価格 86万円前後)と「KJ-55A1」(同54万円前後)の1シリーズ2モデルのラインナップ。  もちろん、同社のテレビのブランド「ブラビア」の最上位となる位置づけではあるが、ソニーには液晶のハイエンドとなる「Z9D」シリーズもある。こちらは画面サイズが100V型、75V型、65V型とより大型となっている。 有機ELと液晶、どちらも最上位機種! 今回お話をお伺いした、ソニービジュアルプロダクツ 企画マーケティング部門 商品企画部 企画3課 統括課長の中野陽介氏 今回お話をお伺いした、ソニービジュアルプロダクツ 企画マーケティング部門 商品企画部 企画3課 統括課長の中野陽介氏  ソニーの考え方としては、有機ELが液晶よりも上というわけではなく、どちらも最上位として位置づけているという。  液晶のZ9Dも画質としてはかなりのレベルに到達しており、画面の最大輝度では有機ELよりも優位にあるなど、映像にこだわる人にはこちらもおすすめだという。 正面から見ると画面以外何もないA1シリーズ 正面から見ると画面以外何もないA1シリーズ 液晶テレビ最上位機種「Z9D」シリーズ 液晶テレビ最上位機種「Z9D」シリーズ  有機ELは高いコントラスト性能だけでなく、自発光の広い視野角が魅力で、リビングで家族全員が揃って高品位な映像を楽しめるなど、パネル特性の異なる液晶とは違った点からアプローチしている。それぞれの良さを打ち出してユーザーの選択肢を広げる戦略と言えるだろう。  ちなみに、発売直前となる取材時の状況では、画面サイズも大きく価格も高価な65V型が人気で、予約も好調とか。55V型もしっかりと売れているが、有機ELではより大きな画面サイズのモデルを選ぶ人が多いようだ。 スタンドがない!? 画面以外の要素を可能な限りそぎ落とした大胆なデザイン 背面には太いついたてが1つ。これでパネル部を支えている 背面には太いついたてが1つ。これでパネル部を支えている  KJ-65A1の実物を見ると、映像の美しさもさることながら、今までにない大胆なデザインに驚かされる。薄型テレビにつきもののスタンドがないのだ。 ついたてのカバーを外すと、ウーファーと端子部が現われる ついたてのカバーを外すと、ウーファーと端子部が現われる  サイドから見るとわかるが、前面のディスプレー部は傾斜したデザインになっており、やや厚みのある“ついたて”で支えられている。ついたてとなる部分にチューナー部や入出力端子部があるので、パネル部自体は上から下まで薄い形状となっており、有機ELの薄さが際立つ。  設計コンセプトは映像と音、そしてデザインが三位一体となったもので、映像のためにそれ以外の要素は可能な限りそぎ落とした。 薄いパネル部。基本的にこの薄さのまま下方まで続いている 薄いパネル部。基本的にこの薄さのまま下方まで続いている 正面から見て左下のちょこっとある「SONY」ロゴ 「BRAVIA」の表記にいたっては背面に書かれている 正面から見て左下のちょこっとある「SONY」ロゴ 「BRAVIA」の表記にいたっては背面に書かれている  画面周囲のベゼルも細身で、正面から見ると映像だけしか見えない。象徴的なのが「SONY」のメーカーロゴさえも、左下の目立たない位置としていること。本来ならばセンターにあるべきロゴも映像にとっては邪魔として、目立たなくしている。ちなみに「BRAVIA」ロゴは背面にある。  画面の傾斜も、画面を低くすることでリラックスして視聴できる見下ろし形の視聴スタイルとして、美しい映像を快適に楽しめることを狙っているという。  細部の仕上げや背面までこだわったデザインも美しい。ガラス板に挟まれたディスプレー部の周囲はアルミ素材で囲い、ついたて部分はファブリック素材と、異なる質感を組み合わせて品位の高いデザインに仕上げてある。  ムダのないシンプルなフォルムだが、じっくりと見ていくと、異なる素材の組み合わせで表情の豊かな姿になっているのだ。 画面全体から音が出る「アコースティック サーフェス」採用のスピーカー 背面にあるアクチュエーター。これを揺らすことで前面のガラスから音を出す 背面にあるアクチュエーター。これを揺らすことで前面のガラスから音を出す  ここで気になるのがスピーカーの存在。一見スピーカーがないようなデザインだが、映像と一体感のある音を再現するため、画面全体を振動させて音を出す「アコースティック サーフェス」という独創的なスピーカーを搭載しているのだ。  この仕組みは、左右の背面にそれぞれ2個のアクチュエーターを備え、ディスプレー全体を振動させることで音を出すというもの。  アコースティック サーフェスも、表示パネルが極めて薄い有機ELだから実現できたものだという。液晶の場合、表示パネルの背後にはLEDバックライトがあるので、こうした仕組みで画面から音を出すことは不可能だ。  低音域のためのウーファーはついたてとなるチューナー部に内蔵されており、壁の反射を利用して部屋全体に音を広げる。  画面を振動させて音を出すという技術は、決して珍しいものではないが、あまり採用例がないのは音質をキープするのが難しいから。  ディスプレーのガラス面から音を出すということは、ガラス固有の音のクセが出てしまうので、キンキンとした硬い音になりがちだ。 10年前の「ソニー ディーラーコンベンション 2007」参考展示されていたガラス管スピーカー。「Sountina(サウンティーナ)」として製品される 10年前の「ソニー ディーラーコンベンション 2007」参考展示されていたガラス管スピーカー。「Sountina(サウンティーナ)」として製品される 現在はグラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」として実用化されている 現在はグラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」として実用化されている  しかし、ソニーは以前から有機ガラス管を使って360度に音を出す「サウンティーナ」(NSA-PF1)のような製品を発売しており、ガラス素材を振動板とするノウハウも持っている。こうしたノウハウを活かして、画面から音が出るという大胆なアイデアを実現したのだ。  とはいえ、その開発は決して簡単なものではなかったという。一枚のガラス板の両側の左右のスピーカー用のアクチュエーターを装着するので、画面の中央付近で左右の音が混ざり、不要な干渉をしてしまう。それを避けるために、アクチュエーターの搭載位置は220回におよぶ試作を繰り返して最適な位置を選定した。  ガラス特有の音のクセをなくすためには、オーディオ回路で電気的な補正も組み合わせ、音質的な自然さと、豊かな広がり、映像と一体化する音像の定位なども含めて仕上げているという。  有機ELのような薄いパネルでないと実現できない方法と、ガラスを鳴らせて音にするというノウハウは、まさにソニーでしか完成できないものだ。 高画質エンジン「X1 Extreme」で有機ELのポテンシャルを引き出す 高画質エンジンの「X1 Extreme」 高画質エンジンの「X1 Extreme」  映像面では、有機ELの高コントラスト性能を引き出すため、高画質エンジンに「X1 Extreme」を搭載。  これは、液晶のハイエンドであるZ9Dシリーズにも搭載されたもの。ほかのメーカーでは有機EL専用にチューニングされた高画質エンジンを採用することもあるが、X1 Extremeは開発段階で液晶だけでなく有機ELなどの表示パネルとの組み合わせも想定されており、パネルの特性に合わせて最適な映像処理を行なう機能を備えているという。 X1 Extremeの主な特徴(Z9Dシリーズのもの) X1 Extremeの主な特徴(Z9Dシリーズのもの)  高輝度復元技術の「HDRリマスター」や、精密な映像再現が行なえる「デュアルデータベース分析」、高階調の表現を可能にする「Super Bit Mapping 4K HDR」といったソニーの高画質技術が結集され、美しい映像を実現している。 11V型の有機ELテレビ「XEL-1」。10年前に登場した 11V型の有機ELテレビ「XEL-1」。10年前に登場した  もちろん、同社は有機ELという表示パネルを使いこなすためのノウハウを蓄積している。2007年に世界初の有機ELテレビとして発売した「XEL-1」をはじめ、業務用のマスターモニターでも、有機ELパネル採用のモデルを生産している。A1シリーズの開発でもそれらのエンジンニアが協力し、映像を仕上げているという。  興味深いのは、業務用マスターモニターとA1シリーズの画作りの違いだ。有機ELテレビはそのポテンシャルの高さから、各社ともモニター的な忠実再現などを強くアピールする。  ソニーでも、X9Dシリーズはソニー・ピクチャーズの映画制作の現場でクライアントモニター(民生機での見え方など確認するためのクオリティーチェック用のモニター)として使用されており、A1シリーズもそうした用途で使われると思われる。しかし、マスターモニターとは大きく異なる部分もあるようだ。  マスターモニターでは、たとえば1000nitを超えた明るさの信号が入力された場合、それらはすべて1000nitの白い光になるという。一般的なテレビの感覚で言うと白飛びの状態になるわけだ。  民生用の機器ではそんなことはなく、1000nitどころか規格で定められた1万nitの信号が入ったときも、ディスプレーの能力の範囲内でその階調まできちんと表現することが求められる。  ある意味で測定器のように映像のチェックをするマスターモニターとは役割が違うのだそうだ。  正確さだけでなく、美しい映像として再現するための技術も持っていること。それがマスターモニターとの大きく異なる点と言える。 映像モード(画面は英語モード。製品では日本語となる) 映像モード(画面は英語モード。製品では日本語となる)  もちろん、映像モードはいくつかが用意されており、明るい部屋での「ダイナミック」や「スタンダード」、映画用の「シネマホーム/シネマプロ」などのモードで好みに合わせた選択も可能。 画質のカスタマイズも可能だ(同じく画面は英語モード。製品では日本語となる) 画質のカスタマイズも可能だ(同じく画面は英語モード。製品では日本語となる)  「シネマプロ」や「カスタム」は、テレビ的な映像処理を控えめにしたモニター的な画作りとなっており、マスターモニター的な映像で見てみたいという人のニーズにも応えられるものになっている。 最新の映画やデモコンテンツで映像と音の一体感を確認してみた 早速視聴してみた 早速視聴してみた  最後にその映像の実力を確認させていただいた。4Kで収録されたいくつかのデモコンテンツのほか、映画や音楽コンテンツを見たが、まず驚くのは美しい映像と音の一体感だ。  複数の登場人物が会話する映画の一場面などを見ると、まさに会話している人物のそれぞれの口の位置から声が出ているように感じる。  画面上の音の定位が見事に映像と一致しているのだが、それでいて音楽は画面からはみ出すほどに広々と広がる。  音場の広がりと定位感が実に優秀で、テレビの両側に立派なスピーカーを置いたというか、映画館のようにスクリーンの後ろにスピーカーがあり、スクリーンを透過して音が出ているような感じになる。この感じはなかなか得られない視聴体験だ。  派手なアクションの場面でも低音が思った以上に迫力たっぷりに鳴るし、オペラの舞台では、オーケストラの楽器が一斉に音を出すような曲でも各楽器をクリアに鳴らし分け、オーケストラのスケール感も雄大と、なかなかの再現力だ。  映像も鮮明で見通しのいいものとなっていて、4Kコンテンツとしての精細感が際立ったような再現となる。宇宙の暗闇に浮かぶ星の数も今まで以上に増えたように感じるし、薄暗いシーンの階調の豊かさや目を灼くような高輝度の輝きも存分に味わえる。 映像と音の一体感でコンテンツの魅力がアップ! ロビーに何気なく展示されていた77型の有機ELテレビ。現状、このサイズの製品はなく(2017年秋に投入予定)、参考展示品だ ロビーに何気なく展示されていた77型の有機ELテレビ。現状、このサイズの製品はなく(2017年秋に投入予定)、参考展示品だ  ソニーらしいくっきりとして鮮明な映像がさらに磨き上げられたような印象で、有機ELのポテンシャルの高さを実感できるが、映像と音が一体となることで、その魅力がさらに豊かになっていると感じる。  この感覚はまさにA1シリーズならではのものと思う。ぜひとも視聴環境の整った場所で、映像と音の両方を感じてみてほしい。  次回は、世界で初めて有機ELテレビを発売したLGエレクトロニクスについて紹介する。 ■関連サイト 製品情報 ソニー

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