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トラックボール搭載だと……! 全部入りのマルチペアリングBluetoothキーボードを試す

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/04/06 06:00
トラックボール搭載だと……! 全部入りのマルチペアリングBluetoothキーボードを試す: トラックボールを搭載した小型キーボード「TK-DCP03BK」 © ITmedia PC USER 提供 トラックボールを搭載した小型キーボード「TK-DCP03BK」

 タッチ操作が主体のスマートフォンやタブレットの普及によって、テキスト入力を快適に行うための“外付けキーボード”を求めるユーザーは少なくない。最近のトレンドはiOS/Android/Windowsの3プラットフォームに対応し、複数デバイスの接続をスムーズに切り替えられる製品だ。

 エレコムから登場した「TK-DCP03BK」は、それらの機能に加えてマウスカーソル操作なども行えるトラックボールを搭載。ポインティングデバイスとしての機能を持たせたユニークな製品だ。今回は実際の使い勝手をチェックしていこう。

●最大3台のスマホ・タブレットに加えてUSBの有線接続にも対応

 スマホやタブレットと組み合わせて使う外付けキーボードには、持ち運び用として折りたたみ機構を備えたタイプと、据え置きを前提にデバイスを設置できるスタンドを搭載したタイプに大きく分けられる。本製品は後者のタイプだ。サイズや厚みからして常時持ち歩いて使うのは難しいが、がっしりと本体によって重量のあるタブレットを安定して設置できることが特徴だ。

 12.9型までのタブレットに対応するとされているが、これはAppleの「iPad Pro」を指すと見てよいだろう。

 スタンド部は、スマホもしくはタブレットを立てかけることで電源がオンになる仕組みだ。わざわざ電源ボタンを操作しなくとも、使うときだけ電源が入る。厚みを調節するためのアジャスターも添付されているので、薄型の製品から保護カバーを装着した厚みのある状態の製品まで幅広く設置できる。

 本製品は最大3台までのマルチペアリングが可能だ。対応OSはiOS、Android、Windowsの3つで、ペアリング先の切り替えは専用のスライドスイッチで行う。物理的な操作なので直感的で使いやすく、マルチペアリング式の製品にありがちな切り替えの待ち時間もストレスが少ないレベルに抑えられている。さすがに瞬時とはいかないものの、試した限りではiOSとAndroidの双方向切り替えで約5〜6秒といったところ。実用レベルといえるだろう。

 本製品は3台のデバイスをペアリングできる以外に、USBケーブルを使った有線接続にも対応する。普段はPCと有線で接続しておき、スマホやタブレットで文字入力をしたい時だけ、スライドスイッチで切り替えてスマホやタブレットと接続するという使い方ができる。BluetoothとUSBは排他接続なので、“USBケーブルを抜かないとBluetoothが有効にならない”といったことはない。

 ちなみに本製品の電池寿命は約6カ月と長いが、USB接続時は電池が不要なので、万一電池が切れていてBluetooth接続ができない場合の救済策にもなりうる。さらにUSB給電にも対応するなど、至れり尽くせりだ。

●トラックボールは実用的だが、径が小さいため慣れが必要

 本製品の最大の特徴であるトラックボールについて見ていこう。実物を見て驚くのが径の小ささだ。パチンコ玉よりも小さい極小サイズで、90年代のトラックボール内蔵ノートPCにあった“大きめのビー玉ほどのサイズ”を予想していると面食らう。

 キーボードから手を離さずにポインタを動かせるのは確かに便利だが、ボールの径および配置の関係で、親指の腹ではなく側面に近いところで触れて動かす必要がある。最初はコントロールがうまくいかずに苦労する。

 マウスの左右ボタンに相当するキーはトラックボールから見て左右にレイアウトされている。キーサイズはかなり巨大で、押し間違えにくい上に、中央はもちろん四隅を押してもきちんと反応する。

 ちなみにスイッチは「カチッ」という音のするマイクロスイッチではなく「カコッ」という音のするタクトスイッチで、後述するキーボード部分とはまったくキータッチが異なる。個人的にはもう少し軽いほうが好みだ。

 注目したいのがトラックボールの周辺キーだ。左右ボタンよりも内側、トラックボールを囲むように上下左右4つのキーがあり、これを用いて画面スクロールが行える。

 そもそもトラックボールはポインタを動かすためのもので画面のスクロールを行う機能はないが、本製品はこれらのボタンによってスクロールを可能にしているというわけだ。左右ボタンと同じくかなり押し応えがあるのが惜しいが、仕組みとしては実用的だろう。

 さらに本製品は、左右ボタンの下にそれぞれ2つ、計4つのキーが備わっている。左側の2つがDPI調整ボタン、右側の2つがブラウザの戻る/進むボタンとなっている。つまり5ボタン以上の多機能ホイールマウスでできる操作を完全にエミュレートしているので、設置スペースの関係でマウスを置く場所を確保できず、キーボードしか置けない環境にはもってこいだ。戻る/進むボタンが一般的な5ボタンマウスと同じく、右手の親指で操作するレイアウトとなっているのも親切な印象だ。

●キーピッチは17.5mm。配置は一般的だが長文入力は少々つらい

 次にキーボードによる文字入力についてチェックしていこう。キーはパンタグラフ式で、キーピッチは約17.5mm。左右の指が干渉しないギリギリの幅だ。短文の入力には問題はないが、長文を入力する目的で常用するには少々つらそうだ。キーストロークは約1.7mmで、キータッチはそこそこしっかりとしているのだが、本体内部の空洞が広いのかキーを押すたびに音が響きやすいのが若干気になる。

 キー配置は使っていてそう違和感はないが、上下左右キーの形状およびサイズが周囲のキーと同一で指先では判別しづらく、目視しないと押しにくい。具体的には、左方向キーを押したつもりが、その隣にあるCtrlキーを誤って押してしまいがちだ。また右上にあるDeleteキーとBackSpaceキーについても、押し間違いがよく起こる。

 これらについては、指先で感触の違いが判別できるシールをキー表面に貼るなど、運用上の工夫をしたほうがよさそうだ。一方、この種のキーボードで何かと問題になりがちなEnterキーや左上のEscキー、半角全角キーは目視しなくても問題なく押せる。個人差もあるだろうが、参考にしてほしい。

 キー配置やサイズの問題とは別のところでネックとなるのがスペースキーだ。キーの左右それぞれ1/4程度は、押した際の反応がやや鈍い。この原稿もおもに本製品を使って書いているのだが、スペースキーを押して漢字変換したはずが無反応のまま、ということが数回に一回程度の割合で発生するため、前述の上下左右キーなどよりもこちらのほうがストレスになる。キーの中央を押せばきちんと反応するのだが、慣れるまでは苦労しそうだ。

 また、パームレスト部が小さいため、トラックボールを親指で操作できるように手をポジショニングすると、手のひらの中央あたりがちょうど段差にかかってしまい、打鍵していて不快感がある。キーボードの天地サイズを一定以下に収める以上、仕様としてはやむを得ないので、手前に市販のパームレストなどを置き、段差を解消してやるとよい。

●機能面に不足はないが、キータッチに馴染めるかがカギ

 タッチパッドではなくトラックボール搭載の外付けキーボードは今や絶滅したジャンルであり、現時点での競合はゼロといっていい。それゆえ本製品は貴重な存在であるわけだが、トラックボールを魅力的だと感じるユーザーの多くは軒並みパワーユーザーである。キーボードもそれなりのこだわりがある製品を常用していると考えられる。

 その点、打ち心地にこだわったキーボードを既に使用している場合、本製品に交換するとどうしてもキーサイズおよびキータッチにおいて使いづらさを感じるはず。独立したテンキーがないことを差し引いても、メインのキーボードとして常時利用するには少々厳しいというのが率直な感想だ。CapsLockキーのオンオフを表すLEDが用意されていないのもネックだ。

 本製品は、複数台のスマホやタブレットの接続先を1つにまとめることを狙った製品で、長文の入力までは想定していないというのがメーカーの本音だろう。メインのキーボードは別途用意されている前提で、本製品はその脇に置いてスマホやタブレットによるメールの返信など簡単なテキスト入力に利用し、かつメインのキーボードになんらかのトラブルがあった場合は一時的な代替にも使えるという位置付けならば、決して悪い選択肢ではない。

 1万6000円(税別)という標準価格はさすがに割高感があるが、現時点で各ストアの売価は1万円を切るところまで来ており、これならば妥当だろう。サブで使うのであれば合格点、メインで使うのであればキータッチに馴染めるかどうかが評価を分ける製品と言えそうだ。

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