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トランプ米大統領、就任100日の通知表 公約は果たせたか

Reuters のロゴ Reuters 2017/05/01

[27日 ロイター] - トランプ米大統領は29日、就任から100日目を迎えた。同氏は最初の100日間で様々な公約を実現するとしていたが、成果はまちまちだ。

就任から100日間の歩みをまとめた。

<ヘルスケア>

オバマケア(医療保険制度改革法)の見直しは、大統領選中の最大の公約の1つだったが、オバマケア改廃法案は共和党内の支持が得られず、3月下旬に撤回された。

その後、修正版のオバマケア改廃法案には、このほど下院共和党の保守派で構成する「フリーダム・コーカス」が支持を表明したが、党内穏健派から十分な支持が得られるかは不透明。上院通過のハードルは、さらに高いとみられている。

<減税>

トランプ氏は、1980年代以来最大の税制改革を実施すると繰り返し表明してきた。大統領はこのほど、税制改革の基本方針を表明。(1)法人税率を35%から15%に引き下げ(2)個人所得税の最高税率を35%に引き下げ(3)相続税の廃止(4)海外利益の本国送還(レパトリ)に対する税率を一時的に引き下げる━━ことが柱。

ただ、詳細は明らかにしておらず、共和党幹部の間でも、改革の「道しるべ」程度にしかならない、との声が漏れている。

<外交政策>

外交政策は、この100日間で大きく変わった。

・ロシア:大統領選中は、プーチン大統領を高く評価し、対ロ関係の改善に動く意向を示唆していた。その後、トランプ陣営が選挙期間中にロシア側と接触していた疑惑が浮上。トランプ氏は、このところプーチン大統領と距離を置く姿勢をみせている。

4月初旬には、トランプ氏が決定したシリアへの巡航ミサイル攻撃をプーチン氏が非難。トランプ氏は、対ロ関係が「史上最悪かもしれな

い」と発言した。

・北朝鮮:北朝鮮の核兵器・ミサイル開発は、トランプ氏にとって、安全保障上の最大の脅威とみられている。トランプ政権は、国際制裁の強化と外交圧力を通じて、北朝鮮の兵器開発を阻止する方針。トランプ氏は、北朝鮮への対応を強化するよう、中国に圧力をかけている。

・北大西洋条約機構(NATO):トランプ氏は、選挙期間中にNATOを「時代遅れ」と批判していたが、4月中旬には「時代遅れではない」と評価する姿勢に転じた。

・シリア:トランプ氏は、就任初日に、シリア内戦への関与をこれ以上深めたくないと述べていたが、シリアで化学兵器が使用されたことを受けて、シリア空軍基地への巡航ミサイル攻撃を指示した。

<移民と壁>

トランプ氏は、不法移民の取り締まり強化と強制送還を公約に掲げていた。メキシコとの国境に壁を建設し、建設費をメキシコに負担させる意向も示していた。

一連の発言の効果もあり、メキシコ国境で今年3月に拘束された不法移民は、過去17年で最低となった。

トランプ氏は国境への壁の建設を主張しているが、予算審議の難航で政府機関が閉鎖される事態を防ぐため、壁の建設予算計上をいったん断念した。

1月27日には、難民とイスラム圏7カ国の市民の入国を一時制限する大統領令を発令したが、連邦裁判所が大統領令を差し止め。3月初旬には、修正を加えた新たな入国制限を命じたが、やはり連邦裁が差し止めを指示した。

トランプ氏は、不法移民を保護する「サンクチュアリ・シティ」(聖域都市)に対して、連邦助金支出を停止する大統領令も出したが、連邦裁はこのほど、差し止めを命じている。

<最高裁判事>

明確な勝利の一つ。昨年死去した保守派のスカリア氏の後任に同じく保守派のニール・ゴーサッチ氏を任命。民主党の強硬な反対にもかかわらず、議会上院で承認された。

<貿易>

就任間もなく環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を発表し公約を実行。

情報BOX:トランプ米大統領、就任100日の歩み © REUTERS 情報BOX:トランプ米大統領、就任100日の歩み

北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱もちらつかせていたが、カナダとメキシコとの首脳協議の後、協定停止は求めないことを表明した。

ダンピングや不公正な補助金、「不均衡な」為替、非互恵的な貿易慣行など、貿易赤字の原因の見直しを指示。

中国を為替操作国に認定するとしていたが、4月半ばの為替報告書では見送った。

<規制>

公約で米経済に悪影響を及ぼしている規制の撤廃を主張。「キーストーンXL」原油パイプラインの建設を承認したほか、オバマ前大統領時代の気候変動関連の各種規制を撤廃した。

国有地での掘削や採掘、その他の開発を推進するため、国定記念物に指定されている自然保護地域や歴史的建造物について指定の見直しを指示したが、反対派からの訴訟も予想されている。

その他、前政権が最後の数カ月で承認した環境、エネルギー、教育、金融サービス分野の規制の見直しを指示。

<米国製品の購入、米国人の雇用>

選挙戦で企業に雇用の海外移転を止めさせると主張し、就任前からユナイテッド・テクノロジーズ(UTX.N)傘下の空調大手キャリア、フォード・モーター(F.N)などに圧力。ただキャリアは依然インディアナ州で雇用を削減、フォードもメキシコ工場の撤回は需要減が要因としており、海外への雇用流出阻止がどれだけ成功するかは未知数。

高度な専門技能を持つ外国人向けの査証「H─1B」発給の厳格化を指示。抽選での発給方式の修正あるいは撤廃する考えを表明した。

<DRAIN THE SWAMP>

かねてからのスローガンで、既成政治の特別の権益者やエリートの影響力を排除しワシントンを変えると主張してきた。民主党候補のヒラリー・クリントン氏がゴールドマン・サックスで有償で講演を行ったことを批判していたが、大統領就任後は自身の陣営に複数のゴールドマン出身者を起用した。

大統領令で政治任用者に離職後5年間ロビー活動を禁止、外国の政府や政党のための活動は永久に禁止した。

*見出しを修正しました。

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