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ドラマ『東京タラレバ娘』は音楽も秀逸! 作曲家・菅野祐悟が手掛ける、表情豊かな劇伴の裏側

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/02/02 株式会社サイゾー
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 放送回を重ねるごとに、巷のアラサー女性たちからは悲鳴があがり、SNS上で賛否のトークバトルも繰り広げられている話題のドラマ『東京タラレバ娘』。吉高由里子や坂口健太郎ら、豪華なキャスト陣とともに作品に彩りを与えているのが、音楽担当の菅野祐悟だ。  ドラマ以外にもアニメや映画など、これまで数えきれないほどの作品で劇伴を手掛けてきた、超売れっ子作曲家の菅野。たとえ彼の名前を知らなくても、彼の作った音楽は聞いたことがあるという人はかなり多いだろう。最近でいえば、前クールの月9ドラマ『カインとアベル』でも、菅野が音楽を手掛けていた。  これまでに菅野が携わった作品を振り返ると、ドラマ『MOZU』や『ガリレオ』、アニメ『亜人』や『PSYCHO-PASS』など、サスペンスシリーズやシリアスな内容のものが目立つ。なので、ラブコメディである今回の『タラレバ娘』でどんな音楽がつけられるのか、放送前はなかなか想像ができなかった。  そもそも、ドラマ制作は撮影のスケジュールがタイトで、放送日直前に映像が完成することも多い。そのため、劇伴作曲家は出来上がりの映像を見ずに音楽制作に着手する。打ち合わせと最初に渡される1、2話分の台本をもとに、作品のイメージを広げて10話分の劇伴を作るのだ。なので、今回の『東京タラレバ娘』のように原作がある場合は比較的イメージをつかみやすいが、オリジナル脚本のドラマだと苦戦することも多いという。(参考:ラジオ「WEEKLY MUSIC TOP20」1月28日放送分ゲストコーナー)  さらに、音楽が実際に映像とどのように掛け合わせられるかは、作曲家本人も放送を見て初めて確認するそうだ。ドラマ制作の現場がいかにスピード感に溢れているかは、菅野が今年1月10日に「東京タラレバ娘 音楽完成」とツイートしていることからもわかるだろう(※第1話放送はそれから8日後の1月18日)。  そうして迎えた第1話の放送では、ストーリーもまだそれほど大きく動き出していなかったためか、音楽もどちらかというと控えめで、菅野ファンとしては少々物足りなさを感じてしまったというのが本音だ。しかし、そもそも作曲家は、個性で勝負するアーティストとは異なる存在だ。菅野自身、「個人的には自分の色を出していくつもりはなくて、相手となる作品に合わせる、というスタンスで常に作っている」(参考:SPICE 菅野祐悟インタビュー)と語っている。なので、今回は作品の世界観に合わせて劇伴作家としての仕事をきっちりこなしたのだろうと、当初は思った。  だが、第2話、3話と視聴するにつれ、その考えはいい意味で覆された。2話では新たなキャラクター・涼(平岡祐太)の登場に合わせるかのように、劇伴でも新曲が投下され、ストーリー展開とともに、音楽も急速に個性の色を見せはじめたのだ。  本作はラブコメということもあって、キャラクターの喜怒哀楽やシーンの移り変わりがとても早い。音楽もそれに合わせて、ロックなギターサウンドからオーケストラ演奏、民族調からオペラ風の歌唱と、ジャンルレスにテンポ良く切り替わっていく。しかも、それぞれの曲が登場人物や場面の雰囲気に絶妙にマッチしているものだから、見ている側はさらにどっぷりと作品の世界観にのめり込んでしまうのだ。  表情豊かな音楽の中でも、シリアスなシーンで流れるピアノの切ない旋律には、とりわけ心を持っていかれてしまう。菅野が手掛ける音楽は「叙情的」と評されることも多いが、本作でも、それまでのコメディタッチを忘れさせるような、エモさ満点のサウンドが織り込まれている。菅野ファンであればきっと、「そうそう、これこれ」となるのではないだろうか。  『タラレバ娘』では、そうしたある種「菅野らしい」ともいえる楽曲を堪能できるほか、彼の圧倒的な引き出しの多さにも触れることができる。今後のストーリー展開はもちろん、劇伴も引き続き新曲が投下されていくのか、とても楽しみだ。(まにょ)

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