古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

バランス型のスペックが光る専用キーボード付きWindows 8.1タブレット──「Lenovo Miix 2 11」

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/05/23 ITMedia
バランス型のスペックが光る専用キーボード付きWindows 8.1タブレット──「Lenovo Miix 2 11」 © ITMedia 提供 Lenovo Miix 2 11

 レノボのMiix 2 11は、専用キーボードドックを備えた高機能Windows 8.1タブレットだ。今回は性能とバッテリー駆動時間にフォーカスして検証していこう。

●Core i3搭載のWindows 8.1タブレットの性能を検証

 レノボのMiix 2 11は、11.6型フルHD表示対応のIPS液晶ディスプレイを搭載したWindows 8.1タブレットだ。明るく視野角の広いIPSディスプレイのほか、タブレットとしては性能な第4世代Core i3のYシリーズを搭載するスペック構成、タブレットのスタンドを兼ねる専用の着脱式キーボードユニット(キーボードドック)を標準で同梱する点などが特徴だ。すでに外観やキーボードユニットの使い勝手などに関しては先行してレビューを掲載しているが、ここではベンチマークテストを実施して、性能やバッテリー駆動時間を検証する。

 テスト結果を見るまえに、基本スペックを改めて紹介しよう。CPUには、Core i3-4012Yを搭載している。メモリが4Gバイト(DDR3L-1600デュアルチャンネル)、ストレージが128GバイトSSD)、64ビット版 Windows 8.1という内容だ。詳細なスペックは、比較用PCも含めて別表にまとめている。

●SDP4.5ワットのCore i3-4012Yに注目

 Core i3-4012Yは、第4世代Coreプロセッサーファミリーの中でも最も消費電力が低いYシリーズのモデルで、TDP(熱設計電力)は11.5ワット、SDP(特定シナリオを想定した電力指標)は4.5ワットだ。

 このYシリーズのプロセッサを搭載したデバイスは、CPUのスペックから性能の推定がしにくい。それはTDPのほかにSDPという電力指標が導入されており、これらの指標の範囲内でメーカーがかなり柔軟な電力管理を行なえるためだ。

 SDPとは、タブレットの利用シーンを想定した電力指標と考えてよい。ノートPCとタブレットでは利用するアプリケーションもCPUへの負荷も異なるため、タブレットデバイスの熱設計、電力管理を適切に行なうために用意された電力指標がSDPだ。

 熱設計、電力管理の基準が異なればパフォーマンスも影響を受ける。同じCore i3-4012Yを搭載した製品でも、SDP4.5ワットを基準に設計されたタブレットと、TDP11.5ワットを基準に設計されたノートPCでは性能が違ってくる。タブレットであってもSDPギリギリで設計されているとも限らないようで、実際のパフォーマンスは製品ごと実際に計測してみないと分からないところがある。

 今回、比較用にはCore i5-4210Y(TDP11.5ワット/SDP6.5ワット)を搭載したタブレット(Venue 11 Pro)と2-in-1デバイス(XPS 11)を用意した。Venue 11 Proはタブレットとしてはかなりパフォーマンス優先で電力管理を行っている製品であるので、そのあたりも考慮に入れつつ見てもらいたい。なお、Windowsの電源プランによって電力管理基準が変わる製品も多いため、Miix 2 11に関しては、「バランス」のほかに「高パフォーマンス」の電源プランでも測定を行なっている。

●CPU、ストレージ性能の検証

 まず、CINEBENCHでCPU性能をみてみよう。R11.5とR15を実施しているが、傾向は同じだ。シングルスレッドで処理するCPU(シングルコア)のスコアはCore i5-4210Yを搭載するVenue 11 Proの8割程度、マルチスレッドで処理するCPUのスコアは7割程度だ。後者はCPUのスペック差だけ見ると少し物足りなく感じるかもしれないが、Venue 11 ProのスコアはXPS11と大差なく、タブレットとしてはかなり良いスコアなので、Miix 2 11のスコアが妥当なスコアだといえる。電源プランによる違いはまったくなかった。

 SSDは、評価機ではSAMSUNGの「MZMTD128HAFV-000L1」という型番のmSATAモデルを搭載していた。CrystalDiskMarkの結果はご覧のとおり。比較用製品と比べると少し書き込み性能が低いが、タブレットに搭載されるSSDとしては悪くない性能だ。電源プランを「高パフォーマンス」にするとシーケンシャルリードや4Kのランダムリード/ライトが向上した一方、QD32 4Kリードのみ低下した。QD32のこのくらいの差はコンシューマ用途では無視していい。値が変化するのは省電力機能と関連していると思われるが、特別レスポンスを良くしたいというときは電源プランを「高パフォーマンス」にしてみてもよいだろう。

●総合性能の検証

 FutureMarkのPCMark7は、実際のアプリケーションを使ってPCの用途全般をシミュレートするベンチマークテストだ。Webブラウズやテキスト編集といったライトな処理から、写真の加工、動画エンコード、3D描画処理などまんべんなく行い、総合スコア(PCMark score)はPCの総合的な性能のおおまかな目安になる。

 Miix 2 11の総合スコアは、Venue 11 Proの87%、XPS11の83%に相当し、なかなか良好なスコアといえる。System Storage Score、Raw System Storage Scoreで示されるストレージ性能も高い水準にある。電源プランの違いは全体的に高パフォーマンスが良いが、差は微妙だ。ストレージ性能が良くなる分が作用している点はあるだろう。

●3D描画性能の検証

 3DMarkはFuturemarkのベンチマークテストで、3D描画性能を見るテストだ。Ice Stormはモバイル機器(スマートフォン、タブレット)向けで、IceStorm Extremeでは高解像度表示(1920×1080ドット)でのテストが行なわれる。Cloud GateがメインストリームPC(CPU内蔵GPUシステム)向けとされており、FireStrikeはゲーミングPC(ビデオカード搭載システム)向けの描画負荷の高いテストだ。

 IcesStorm ExtremeのスコアはVenue Pro 11の61%相当、Cloud Gateでは66%相当と、いずれも差は大きかった。もっとも、Venue Pro 11とXPS 11の差は少なく(Ice Storm Extremeでは逆転)、やはりこれもタブレットとしてはVenue 11 Proのスコアが良すぎるのかもしれない。なお、電源プラン変更は理由は分からないが、逆効果になることが多かった。

 FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコアは、標準品質でもプレイできる水準には遠い。電源プランによる違いもなかった。

●バッテリー駆動時間と発熱のテスト結果

 bbench 1.01によるバッテリー駆動時間の計測は電源プラン「バランス」で行なった。バッテリー駆動時のディスプレイの輝度はどちらも40%だ。残り5分で休止状態に入るまでに、8時間43分と公称の値を上回る時間動作した。

 ファンレスではないが、動作音は非常に静かだ。低負荷時は耳を排気口の部分まで近づけないと聞こえない。高負荷時も耳から10センチほど離れた位置だと、強く意識して聞こえるかどうかというくらいだ。

 排気口の側、画面側のLenovoロゴのちょうど裏あたりを中心にボディ左側に発熱がある。横位置でホールドするときの左手の位置にもはっきりと伝わってくる。手に持ってゲームなどをする場合は少し気になる。

●バランス型タブレットとして魅力的な選択肢

 最後に、CINEBENCH R11.5、PCMark7、3DMark/Cloud Gateの3つのテストのスコア(電源プラン:バランス)について、Core i5-4200U搭載の標準的なUltrabook(HP Elite Revolve)のスコアを100とした場合の相対値を算出してみた。ここではAtom Z3770を搭載した富士通のARROWS Tab QH55/Mの値も加えている。

 その相対値はご覧のとおりであるが、PCMark7で72、CINEBENCHや3DMarkなどの負荷の高い処理で45前後というのは悪くないパフォーマンスだろう。CINEBENCHでAtom Z3770に負けているのは意外だが、タブレットでやるような処理でもない。PCMark7では圧勝しており、日常操作の軽快さでも上回る。

 800グラムという軽さ、フルHD表示のIPS液晶ディスプレイ、実測8時間以上のバッテリー駆動時間、そしてハイレベルの静音性と合わせて、うまくまとまっている。これまでにあまりなかったバランス型のタブレットとして魅力的な選択肢といえるのではないだろうか。もちろん、高音質スピーカーを内蔵するキーボードドックが付属し、ノートPCのような使い方もカバーできる点も見逃せない。

 直販モデルの価格は、Microsoft Office Home and Business 2013が付属して12万3206円となっている。安いとはいえない価格だが、キーボードドックを1万5000〜7000円ぐらいの価値と見積もると、理解できる価格だろう。これからWindows 8.1タブレットや2in1デバイスの購入を検討しているユーザーにとっては注目の製品だ。

[鈴木雅暢,ITmedia]

ITmedia NEWSの関連記事

image beaconimage beaconimage beacon