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ビットコイン急騰急落、何が起きているのか 注目すべきは「中国」

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2017/06/01
ビットコイン急騰急落、何が起きているのか 注目すべきは「中国」: 画像:ITmedia © ITmedia NEWS 提供 画像:ITmedia

 5月に入り急騰してきたビットコイン。国内最大手取引所bitFlyerでは、1ビットコインの価格が1カ月で15万円台から、一時は34万円を超えるまでに上昇した。しかし、5月25日を境に下降に転じ、一気に20万円台まで急落、29日時点では27万円前後で取引されていた。いまビットコインに何が起こっているのか――。

●ビットコイン市場に大口投資家からの資金

 ビットコインは2009年に運用が開始されたインターネット上の仮想通貨。手数料の安さと、銀行などの中央集権によらない分散型による取引のセキュア性から新たな決済・送金手段として注目されてきた。現在では、ビックカメラがビットコイン決済を試験導入するなど普及の兆しが見えてきた。

 一方、市場はまだ安定せずビットコイン価格は乱高下している。人気に便乗して購入してしまうと、損失を抱える可能性もあり注意が必要だ。ビットコインで損失を被らないためにも、価格乱高下の背後を考えることが重要になる。

 ビットコイン価格に大きな影響与える要因の1つとして「大口投資家の存在」がある。

 元ヘッジファンドマネジャーで著名な投資家マイケル・ノボグラッツ氏は、自身の全投資資金の10%をビットコインとイーサリアムに投資していることを明らかにしている。イーサリアムとは、第二のビットコインと呼ばれる仮想通貨のことだ。

 この他にも40億ドルを運用するベンチャーキャピタルの創業者マーク・アンドレッセン氏や、仮想通貨関連事業を行うDigital Currency Groupの創業者バリー・シルバート氏など、数多くの著名投資家がビットコインに投資しているといわれている。

 こうした投資家らはビットコインの社会的インパクトや可能性に期待し、長期運用を前提に投資し、この数年続くビットコイン価格の底上げを担ってきたと推測できる。なぜなら、テクノロジー界隈(かいわい)のインフルエンサーでもある彼らがビットコインに投資をしたという情報は、フォロワーや他の投資家の投資行動にも影響を与えたと考えられるからだ。

 一方で、短期売買を目的とした投機家らの資金もビットコイン市場に流入していることに留意すべきだろう。投機家らは、短期の価格差から利益を得ることを目的に取引きしている。

 例えば、市場価格が上がりそうな気配があると買うが、その買いが他の投機家の買いを呼び、市場価格がある程度まで価格が上昇した時点で、利益確定のために売る。するとまた他の投機家らの売りを呼び、価格は一気に下がる。

 ビットコインだけでなく、株価や為替など市場価格が直線ではなくジグザグに動くのは、投機的な動きが背景にあるからだ。

 今回特に顕著となったビットコイン価格乱高下。多くのメディアが取り上げたため興味を持ったひとも少なくないだろう。ただし、まだ安定しない市場に飛び乗るのは危ない。ここでは、ビットコイン価格に大きな影響を与えている投機資金と中国の動向について解説したい。

●ビットコイン価格を乱高下させる投機マネーと中国の影響

 ビットコインへの投機資金流入は今に始まったことではない。いまからさかのぼること4年前の2013年11月末、ビットコインは約200ドルから1カ月で1000ドルと5倍に急騰した。このときに指摘されたのが投機資金の流入だった。

 案の定、同年12月初めにビットコインは直近高値の1140ドル付近から40%近くも急落した。そのきっかけとなったのが、上海のビットコイン取引所、BTCC(比特幣中国)による人民元預け入れ停止措置だった。当時すでに世界最大級となっていたBTCCに流れ込んだ人民元が、急騰の要因になったと考えられたために実施された。その後2014年1月30日に人民元の預け入れを再開している。

 2017年5月時点の取引量ベースの国別市場規模は、米国、日本が最大で、次いで中国と言われている。中国の取引量シェアは世界全体の80%とも90%と言われていた時期もあるが、2017年初めに国内で実施された規制措置で取引量は激減。しかし、依然として世界3位の規模を誇っており無視できない存在だ。さらに、今後の展開次第では中国の取引量が戻ってくる可能性も指摘されている。

 中国でのビットコイン需要はなぜこれほど高いのか。1つは投機目的だが、この他人民元安に対応するためのヘッジ手段として多用されているからとも考えられる。

 2016年10月12日、ビットコイン価格は10週間ぶりの高値をつけた。これは、中国人民銀行が元安を容認するとの観測が広がり、中国のビットコイン需要が高まったからと見られている。この日を境に同年末までの2カ月間で、人民元は6.72元から6.98元へと下落を続けた。同時期のビットコインの値動きを観察すると、630ドル付近から一気に1000ドル付近まで上昇している。元安のヘッジとして、ビットコインに資金が流れ込んだ格好だ。

 投資資金や投機資金の他に注目すべきは、中国当局の動きだろう。中国国内の取引所を取り締まる当局の動きが、市場に大きなインパクトを与えているからだ。

 2017年初め、中国金融規制当局は国内主要取引所を立ち入り検査したと発表。これに伴いビットコイン価格も急落した。立ち入り検査の目的は、取引業者が法令順守しているか確認するもの。取引所側は、信用停止措置などで当局への協力姿勢を示したとされる。この他、マネーロンダリング対策を強化させるなど、市場安定化に向けてさまざまな措置がなされた。

 また6月には中国人民銀行がビットコインに関する管理規則を発表する予定で、新規則の内容次第では相場が影響を受けるとも考えられている。

 このように、投機資金や中国の動向がビットコイン価格に影響を及ぼしてきた。これらが今後のビットコイン動向を見る上で助けとなるはずだが、まだ発展途上であるビットコイン市場はこの他にもさまざまな要因に影響を受けると考えられる。世界情勢、国別の規制、為替など多角的な視野で考えることが重要だ。

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