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ポップに!増殖中 ニューミュージック歌手に依頼も

毎日新聞 のロゴ 毎日新聞 2014/05/01 12:22 毎日新聞
Photo: 著名人が手がけた主な校歌(西暦は制定年) © 毎日新聞 著名人が手がけた主な校歌(西暦は制定年)

 ポップな校歌が増殖中だ。地元の歴史を盛り込むなど、とかくお堅いイメージが強かったが、少子化による学校統廃合が相次ぐ中でニューミュージックの歌手らに新しい校歌の作詞や作曲を依頼するケースが増えている。さすがにロックばりのはじけた曲調はないが、ポップな校歌は母校の自慢になる?【梁川淑広、飯田憲、塩田彩】

 光る海/寄せる波/相模の海は世界につづく/はしりはしり/青春を/まっすぐ生きて/夢をこの手で/つかもう

 静岡県熱海市で4月4日にあった市立熱海中学校の開校式。壇上ではオフホワイトのスーツ姿の女性が、少し甲高い、伸びのある声を響かせた。

 1980年代、「フレンズ」のヒット曲などで知られるグループ「レベッカ」のボーカリスト、NOKKO(ノッコ)さん。8年前から音楽プロデューサーで夫のGOH・HOTODA(ゴウ・ホトダ)さんらと熱海市内で暮らす。今春、近所の小嵐中が閉校し熱海中と統合されたのを機に、新しい校歌の作曲を市から依頼された。

 作詞は歌人の佐佐木幸綱さんで、祖父の信綱さんが旧校歌の作詞者。NOKKOさんが校歌を作るのは初めてだが「私に話があったということは、古風なものは期待されていない」と、ソウルフルで盛り上がれる3拍子の曲にした。式でピアノを伴奏した3年の谷口令奈さんは「弾いたり歌ったりするのが楽しくて、乗ってくる校歌。大事にしたい」と喜ぶ。

 昨春、2校を再編した横浜市中区の市立横浜吉田中の校歌は人気バンド「サザンオールスターズ」の原由子さんの作詞作曲。統廃合された市立吉田中が原さんの母校で、出川進校長が依頼した。

 詞の原案は生徒たちが作成した。生徒会が新しい学校への思いをつづった言葉を募り、夏休み中にまとめたものを原さんに渡し、今年1月に完成。3月の第1期生の卒業式で初披露された。「始まりの地 横浜に 新たな船出の 音響く」と始まり、3番の「此処(ここ)から始まる 夢がある 大志を抱け」で締めくくる。中学校の過去、現在、未来と、外国籍の生徒が約4割を占め多様な価値観を受け入れながら学ぶ生徒の姿を表現した。出川校長は「生徒からも地域からも愛される校歌になった。大切に歌い継いでいきたい」と言う。

 いきなり英語の「Be together」で始まり「WowWow/あの風のように君のココロに寄り添って飛べたら」と、丸ごとJポップでいくのは、群馬県高崎市の高崎健康福祉大高崎高校の校歌。2001年の共学化に際し、中森明菜や尾崎紀世彦らの歌謡曲やアニメ主題歌を多く手がけた冬杜花代子(ふゆもり・かよこ)さん(故人)に作詞を依頼した。野球部が12年のセンバツで4強入りして全国的に有名になり、「歌詞を教えて」などと問い合わせの電話が相次いだ。

 学校法人の磯貝昭夫副理事長は「目新しい歌詞をとお願いしたが、校歌らしくないという声が出て、当初はなかった校名を最後に付け加えた」と振り返る。学校ではないが、この春にはシンガー・ソングライターの松任谷由実さんが作詞作曲した長野県立科町の町立保育園園歌も話題になった。

 「女子校という選択」などの著書がある教育ジャーナリストのおおたとしまささんは「公立校は今、国の学習指導要領による規制、学校選択制の導入などによる競争という二つの方針の間で『一体どうすれば』と悩んでいる。その中で、独自性を出す打開策の一つとして校歌が着目されているのだろう。私立校も含め話題づくりの側面もありそうだ」と話す。

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