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ポメラ「DM200」徹底レビュー どれくらい快適に打てるのか?

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2016/11/07
ポメラ「DM200」徹底レビュー どれくらい快適に打てるのか?: キングジムのポメラ新モデル「DM200」。本体色はブラックのみ © ITmedia PC USER 提供 キングジムのポメラ新モデル「DM200」。本体色はブラックのみ

 かつてのワープロ専用機に似た、テキスト入力に特化したマシン「ポメラ」の最新モデル「DM200」が登場した。

 ポメラと言えば、インターネットへの接続などテキスト入力の阻害要因となりうる機能を排除したキーボード搭載マシンであり、先代モデルが搭載していたQRコード変換機能を除けば、外部とデータをやりとりするには基本的にメモリカードを経由するしか方法がないという、割り切った設計が大きな特徴だった。

 今回の新製品は、従来モデルの大きな特徴だった本体を開くとすぐに起動する手軽さ、打ちやすいキーボードなどはそのままに、外部とデータをやりとりするための機能を新しく搭載したことが大きな目玉だ。まずはポメラに求められる携帯性やキーボードの打ちやすさをチェックしていこう。

●ディスプレイは5.7型から7型に大型化

 本体はスタンダードなクラムシェル構造で、電子辞書を横に2台並べたかのような横長のボディーだ。本体サイズは263(幅)×120(奥行き)×18(高さ)mmとなっている。

 キーボードありきの本体サイズということで、7型(1024×600ドット)のモノクロ液晶ディスプレイの左右には大きな余白がある。先代モデルではここにいくつかのファンクションキーを搭載していたが、DM200ではそれらがなくなり、外観はすっきりしている。

 先代モデルはディスプレイが5.7型と小さく、それだけ左右の余白も多かったため、ファンクションキーがないとデザイン的にアンバランスだったが、DM200ではそのようなことはない。

 持ち歩きを前提とした製品であるため、ボディーはかなりの剛性がある。従来モデルのような段差やロゴの突起もなく、地味ながら洗練されているイメージだ。

 キーボードに折りたたみ構造を採用していた2世代前までのモデルは、入力時に本体がしなる問題があったが、DM200にそうした不安定さは一切ない。ノートPCのように熱を発さないのも隠れた利点と言える。

 その反面、本体重量は約580gと、従来モデル(約440g)に比べてスマートフォン1台分に相当するだけの重量が増しているのは、大きなマイナスだ。

 画面はグレア加工とされているが、手持ちのデバイスには必ず反射防止シートを貼る筆者から見ても、外光の反射はそれほど気にならない。事実、喫茶店など天井の蛍光灯が映り込みやすい環境でも問題なく使用できた。視野角は上下左右とも十分広く、デバイスの特性を考えると、左右の視野角はのぞき見防止のためにももっと狭くてよいと感じるほどだ。

 ディスプレイはバックライトを搭載しているため、暗い場所でも作業できるのはメリットだ。明るさの調整は6段階のみで、実質的に使えるのは3択程度でしかないのだが、「F9」キーを使えばわざわざ設定を開かなくとも素早く切り替えられるので、操作性そのものは悪くない。照度センサーは搭載しないので、外光に合わせて自動的に調光されるといった機能はない。

●バッテリーは乾電池から内蔵型へ

 恐らくユーザーの間でも賛否両論あると思われるのが、電源が乾電池からUSB充電式(リチウムイオンバッテリー)に切り替わったことだ。モバイルバッテリーを持ち歩くユーザーにとっては外出先で充電できるようになったのは利点だが、乾電池の入手性の高さゆえ外出先でも容易に交換できるセールスポイントは失われてしまった。

 約5時間の充電で約18時間駆動するので、毎日充電すれば何ら問題はないのだが、単三電池2本で約30時間駆動した従来モデルほどのモビリティーはなく、ここは一長一短といったところだ。

 このほか、目につくマイナス要素としては、USBコネクターにケーブルを挿して充電する際、画面を閉じた状態だとステータスが判別できないことが挙げられる。本体の左側面にあるUSBコネクターとメモリカードスロットと並ぶ形で、充電のステータスを表示できるLEDが欲しいところだ。

●入力しやすいJIS配列キーボード、キーピッチは17mmを維持

 続いてポメラの肝であるキーボードについて見ていこう。

 キーボードは「Enter」キーが2列にまたがる、JIS配列の日本語キーボードだ。Windowsのユーザーであればほぼ違和感なく使うことができるだろう。キーカスタマイズの自由度も高く、親指シフトキーボードの設定にも対応する。

 キーのストロークは約1.5mmと十分に深く、キータッチも悪くない。V字ギアリンクなる構造を採用しているため、キーの端を押してもきちんと垂直に沈み込むのは秀逸だ。

 キーピッチは従来モデルと同じ約17mm(横方向)。モバイルノートPCによくあるサイズで、ノートPCで打ちやすさの1つの基準とされる19mmに比べるとさすがに窮屈さを感じるが、スマホやタブレット向けに設計された標準的な外付けキーボードよりは広く、ストレスははるかに少ない。

 折りたたみ機構を採用するスマホやタブレット向けのキーボードは、その構造ゆえ膝の上に置いての入力は難しいことも多いが、DM200は特に支障なく利用できる。

 ちなみに、筆者がよく押し間違えるのがキーボード右上の「Delete」キーだ。直下の「BackSpace」キーで手前の文字を削除しようとして「Delete」キーを押してしまい、直後の文字を削除するミスがよく起こる。特にキー配列がおかしいわけではなく、従来モデルもこの配列なのだが、縦方向のキーピッチが約15.5mmとやや詰まっているために取り違えやすいようだ。

 このほか、左上の「Esc」キーと、「半角/全角」キーが横に並ぶ配置も、人によっては違和感があるかもしれない。

 なお、最近のノートPCで実装例の多いキーボードバックライトは搭載していない。個人的には、キーボードバックライトはタッチタイピングができない人向けの機能だと思っているので、特に不都合は感じないのだが、ノートPCなどでこの機能に慣れている人にとっては、気になるかもしれない。

●カスタマイズ性が高く使いやすいメニュー

 続いてメニュー周りおよび表示性能について見ていこう。

 メニュー周りは従来モデルと同じく、PC用キーボードで「Windows」キーの位置にある「Menu」キーを押した際に、画面上部からドロップダウンで表示される。

 それぞれのメニューはキーボードショートカットに割り当てることが可能だ。次回のレビューで紹介する「ポメラSync」や「アップロード」、さらに「スクリーンショット」など利用頻度の高い機能は、あらかじめ「Shift」+「F1」など空いたショートカットに割り当てておくと、以降の操作がスムーズに行える。

 詳細は以下のスクリーンショットを参照いただきたい。

●専用ATOKと電子辞書機能も搭載

 IMEは「ATOK for pomera[Professional]」という専用のIMEへと進化しており、語彙数は従来の約3倍に増えたとされている。Google日本語入力などに比べると、アニメや漫画のタイトルやキャラ名など、トレンドによく出てくるようなワードの変換精度およびサジェストは依然弱さを感じるが、それでもかなり改善されたように感じる。

 もっとも、例えば片仮名で「ナス」と入力して「NAS」に変換するなど、片仮名をアルファベットに変換する機能はやや弱いので、こうした変換を多用するなら、自分で単語登録してやるか、自動登録を使って覚え込ませる必要がある。単語登録は最大2万件まで可能なので、困ることはないだろう。ちなみにいったん確定したテキストの再変換は「Ctrl」+「BackSpace」で対応する。

 個人的に面白いと感じるのは電子辞書機能だ。角川類語新辞典など4つの電子辞書コンテンツを搭載しているのだが、操作性は電子辞書専用機と比較しても遜色なく、画面が広いため1画面あたりの情報量も多い。複数の辞書を串刺し検索できる機能がないのは専用機と比べた場合にマイナスだが、簡単な調べ物であれば十分だ。

 電子辞書の専用機にはキーボードによるメモ機能を備えた製品もあるが、キーボードの使い勝手の悪さから実用性はほぼ皆無だ。DM200はその点、テキストの入力性能は他を圧倒しており、また画面が広いため一覧性も高い。辞書を切り替えると検索ワードが初期化されるといった使い勝手の悪い点を直せば、電子辞書のライトユーザー層を取り込むことも可能ではないかと感じる。

 次回は、注目の新機能である「ポメラSync」と「アップロード」をチェックする。

[山口真弘,ITmedia]

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