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レーザーをあてると野菜の産地が分かる? NTTの新技術にびっくり

ITmedia エンタープライズ のロゴ ITmedia エンタープライズ 2017/04/05
レーザー照射で野菜の産地が分かる? NTTの新技術にびっくり: 発表会ではオリジナルレシピの料理を試食できた。栄養価が高い旬の野菜を冷凍しているとのことで、生野菜とそん色ない味わいだった © ITmedia エンタープライズ 提供 発表会ではオリジナルレシピの料理を試食できた。栄養価が高い旬の野菜を冷凍しているとのことで、生野菜とそん色ない味わいだった

 2000年台初頭に発生したBSE問題以降、「食の安全」に対するニーズを背景に、食材の産地証明を行うケースが増えている。スーパーマーケットで、青果商品の生産者をPOPなどで紹介しているのを見たことがある人も多いだろう。これまで食材の産地を証明する手段は、農協などが発行する「産地証明書」という書類くらいしかなかったが、データ分析で“科学的”に産地を証明しようという動きもある。

 4月4日、NTTテクノクロス、農園リゾートを運営するザファーム、献立アプリ「ソラレピ」を運営するエス・アイテックスの3社が、「生野菜超え!おいしい冷凍野菜とおやつやさいキャンペーン」を開始したと発表した。

 ザファームがネット通販で展開している野菜(生野菜1種、冷凍野菜6種)に、NTTテクノクロスが産地および、野菜の品質(糖度や栄養素)と合わせて付加情報を提供、管理栄養士が監修したオリジナルレシピをソラレピ上で公開する。共働き世帯が増える中、家事にかかる時間の短縮を支援するのが狙いだ。

●レーザー照射で野菜の産地が分かる?

 NTTテクノクロスは、NTT研究所が開発していた通信用のレーザー光源を使い、野菜の産地を証明する。野菜の中に含まれる水分を蒸発させ、蒸気にレーザーを照射することで、水分に含まれる水素および酸素の安定同位体(通常とは質量が異なる原子)の比率を測定。ガスが吸収した光の波長で分析を行うが、レーザー光源の性能が高いため、高精度な分析が行えるのだという。

 植物は産地で降った雨水を取り入れて生育するため、野菜の中に残っている水分は、各地の雨水の影響を受ける。緯度や高度によって雨水の成分は変化するため、各地の水源のデータと照合して、産地を特定できるというわけだ。

 実証実験自体は2016年から始めており、結果が良好だったため実用化に踏み切った。実際の野菜を使うため、研究に役立つデータが得られるというのもNTTテクノクロスにとってのメリットになる。

●農業IoTにも応用可能

 今回は野菜の産地を証明する目的でレーザーを利用したが、分析の切り口が見つかれば、他の食材などにも応用可能とのことだ。「従来は研究所などでしか使われなかった技術を、どのようにサービスに転用できるかを研究している」(NTTテクノクロス フューチャーネットワーク事業部の酒井歩氏)という。

 NTTテクノクロスでは産地証明に加えて、味(糖分)や栄養素も測定し、ザファームの通販サイトに情報を表示する。各データはNTTのクラウドサービス上に蓄積し、品質調査サービスとして提供するところまで視野に入れる。センシングデータによる分析ということで、「農業IoTに関連した事業にも応用できる」と酒井氏は話す。

 「土壌データや生産管理データも組み合わせれば、提供できるサービスの幅は広がる。昨今は農業IoT関連のサービスを始めるベンチャー企業も多いが、今回のキャンペーンのように、流通まで含めた展開を行っている例はまだまだ少ない。サービスのメリットを消費者の方々にまで届けることが重要だと考えている」(酒井氏)

 ネットスーパーの「Oisix(オイシックス)」など、店頭だけではなく、Web上で青果の販売を取り扱う事業者が増えている今、「産地証明が必要になる場面は増えるだろう」と酒井氏。ビッグデータが食の安全を支える日も遠くはないだろう。

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