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世界遺産登録で観光バス急増、排ガスが問題に

毎日新聞 のロゴ 毎日新聞 2014/05/09 毎日新聞
Photo: 三保松原では松枯れの懸念が強まっている=井上知大撮影 © 毎日新聞 三保松原では松枯れの懸念が強まっている=井上知大撮影

 世界文化遺産に登録された三保松原(静岡市清水区)周辺で排ガスの影響が指摘されている問題で、市は8日、ゴールデンウイーク(GW)に合わせて松並木手前に設けた観光バス用の新駐車場の利用率が伸びず、9割以上が旧駐車場を使っていたと明らかにした。三保松原までの距離がネックになっており、遺産保護と観光の両立の難しさが改めて浮かび上がった。市は今後も旅行会社などに新駐車場の利用を訴える。【平塚雄太】

 旧駐車場に入るには、三保松原の景観の一部である松並木「神の道」を通過する必要があり、遺産登録後に急増した観光バスによる排ガス、振動で松枯れが進む可能性があると懸念されていた。

 市は、観光バスが付近を通らないよう、旧駐車場から約500メートル手前に4月29日、新駐車場を設置。観光客は新駐車場でバスから降りて歩いてもらうよう関係団体に呼びかけ、旧駐車場は「移行期間」として出入りできるものの、利用を自粛するよう求めていた。

 ところが、市観光・シティプロモーション課によると、4月26日〜5月6日の11日間で三保松原を訪れた観光バス299台のうち、新駐車場だけを使ったのは20台のみ。93%に当たる他の279台は旧駐車場を使うか、新駐車場にバスをいったん止めても、観光客が帰る際は旧駐車場まで迎えに行っていた。

 同課は「新しい駐車場はできたばかり。ツアーの滞在時間が短く、雨の日などは客を歩かせたくないと旅行会社が判断したのではないか」と説明している。

 現在、三保松原を巡るツアーの平均的な滞在時間は30〜40分で、今後は昨年新設された市観光ブース「はごろも情報ひろば『みほナビ』」などもPRし、1時間程度、現地のスポットを堪能してもらえるよう訴える。旧駐車場は今年9月末には閉鎖される予定。

 一方、GW11日間のマイカー来訪者は1万2887台で、既存の駐車場160台に加えて200台の臨時駐車場を設け、誘導員も増員し対応した。

 昨年は富士山の遺産登録の過程で、三保松原が「富士山と距離があり、砂浜の消波ブロックも景観を阻害している」などと除外勧告されたため、返って注目が集まり、GW中は三保半島と市街地を結ぶ「三保街道(県道199号)」まで車があふれた。今年は付近の渋滞がほとんどなかったという。

 田辺信宏市長は8日の定例記者会見で「神の道が世界遺産の構成資産と知らない人も、歩いてもらうことで認識してもらった。回遊性は向上している」と一連の施策の成果を強調し、新駐車場の利用は「旅行会社にできるだけ我々の趣旨を伝え、協力を求めていく」と話した。

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