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乃木坂46の3期生は“新たな坂の上り方”を示す 『お見立て会』に感じたこと

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/12/23 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 乃木坂46が12月6日から9日までの4日間、東京・日本武道館にて『Merry Xmas Show 2016』を開催した。  グループとしても握手会やテレビ出演を除くライブは今年最後であり、千秋楽である9日のアンダー単独公演は、1年の集大成にふさわしい内容だった。だが、イベントはここで終わりではない。その翌日である12月10日には、今年行なわれたオーディションでグループに新加入した12名の3期生が『お見立て会』を行ない、満員の武道館で“新たな坂の上り方”を提示してみせたのだ。  筆者が3期生の面々を初めて目撃したのは、9月4日に行なわれたオーディションの合格発表時だった。そこから3カ月が経過し、各メンバーは自身の個性と向き合い、悩み抜きながらも現時点での「自分らしさ」を見せてくれたように思う。  この日は「自己紹介スピーチ」「体力テスト」「初のライブパフォーマンス」という3つの試みが行なわれた。本稿では、その中から「自己紹介スピーチ」と「ライブパフォーマンス」でのメンバーの姿についてレポートしたい。  「乃木坂46唯一の沖縄県出身」という伊藤理々杏は、13歳ながら“釣り師”の才能があることを感じさせる王道のアイドル性を持ち合わせていたし、『塔の上のラプンツェル』のミュージカル部分を披露した久保史緒里は、1期生・生田絵梨花に近い素質があるように思えた。岩本蓮加はスピーチで「最年少の12歳です!」と述べて客席がざわついたが、その反応を肯定できるくらい大人びたメンバーだ。そのほかにも、ギターの弾き語りを披露した向井葉月、緊張で口が乾きながら横笛を吹いた中村麗乃、特技の習字で「努力・感謝・笑顔」と書いたものの、「感」の「心」部分が抜けていた佐藤楓、名前の由来を誇らしげに明かした吉田彩乃クリスティー、様々な「ながら般若心経」を見せてくれた阪口珠美、それぞれが一度見るだけで記憶に残るインパクトを与えてくれた。  とても17歳とは思えない高身長の梅澤美波は、目を潤ませながら「アイドルっぽくない見た目、今はコンプレックスなこの身長を武器に変えたい」と話す。コンプレックスというのは、言い換えれば個性であり、アイドルという職業において、ひとたびそれは“強み”になる。実際にライブパフォーマンスで、彼女の動きはどの位置にいても良い意味で目を引いていた。  ライブでは、「命は美しい」「裸足でSummer」「ガールズルール」がフルサイズでパフォーマンスされた。齋藤飛鳥がオリジナルセンターを務める「裸足でSummer」は、そのキュートな見た目とは裏腹に、ライブになると明るい曲でもどこか艶っぽく見える与田祐希がセンターポジションへと立つ。「ガールズルール」は、登場時にファンからひときわ大きな歓声を浴び、オリジナルセンター・白石麻衣と同じく“モデル路線”を歩んでいきそうな予感のする山下美月が中央で踊る。  そんなパフォーマンスや先述のスピーチにおいて、12名のなかで最も目を引いたといえるのは、“暫定センター”の大園桃子だった。  アイドルシーンがある種の成熟を迎えたといえる現在、ここまでタレントの人数が多くなればなるほど、後発のアイドルについては、誰しもが「〇〇っぽい」とカテゴライズできてしまう。しかし、大園桃子はそんなことを一切考えさせない。スピーチ時は入場から号泣し、マイクの前で小刻みに震えたかと思いきや、「習いごとはたくさんしたのですが、特技になることはなにもなかった」と言いつつ「鹿児島で有名なCMがあって。『将来何になるのー?』って聞くので、皆さんは『公務員ー!』と言ってください」と語り、会場の爆笑を誘うなど、発言にまったく掴みどころがない。そんな彼女がセンターに立ったのは、西野七瀬がオリジナルセンターを務める、高難易度のダンスが特徴的な「命は美しい」だった。先のスピーチとは別人のように、クールな歌と踊りを披露する大園が見せたギャップは、その場で見ていて末恐ろしさすら感じさせるほど魅力的に映った。  イベントの最後には、2017年2月2日から12日にかけて、3期生初公演となる舞台『3人のプリンシパル』(AiiA 2.5 Theater Tokyo)の開催が発表された。同公演は、1期生と2期生がこれまで『16人のプリンシパル』として行なってきたもので、1幕のオーディション(自己PRや即興コントなど)を見て、観客が本編である2幕の出演者16人を投票によって決めるというものだ。各メンバーは『プリンシパル』を通じて自己と向き合い、ときに葛藤しながら現在のグループを形作った。  2015年以降は本格的な舞台公演へと駒を進めてきた乃木坂46。2期生の誕生から約2年半の時を経て、3期生が再びその試練に立ち向かうのは、乃木坂46が充実期を迎えている今だからこそ、未来を担う彼女たちにいま一度“原点”を知ってもらうということかもしれない。とはいえ、タイトルの変更が表しているように、同じ内容をなぞるだけとは考えにくい。この舞台を機に生まれる変革は、12人に新たな“坂の上り方”を提示するーーそうなったとき、グループはまた一つ次のステージを迎えるのだろう。(中村拓海)

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