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人間の知能を決める遺伝子が52個発見される! 遺伝的に「賢い」人間に見られる3つの特徴とは!?(最新研究)

TOCANA のロゴ TOCANA 2017/06/01 株式会社サイゾー

 人間の賢さを決める遺伝子が発見されたという研究論文が大きな話題となっている。論文によれば、「賢い」遺伝子を持つ人々には、いくつかの特徴が見られるという。英紙「Daily Mail」など多くのメディアが驚きをもって報じている。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2017/06/post_13327.html

■52個の知能遺伝子

 研究を発表したのはアメリカとヨーロッパの合同研究チームで、論文は今月22日に学術誌「Nature Genetics」に掲載された。チームはアメリカ・ヨーロッパで集められた78,308人の遺伝子プロファイルとIQテストの結果を比較し、大規模解析によって知能に関係する遺伝子や遺伝子変異を探索した。結果、52個の重要な遺伝子が見つかり、このうち40個の遺伝子は今回新たに発見されたものであった。

 研究によると「賢い」遺伝子を持つ人々には高学歴、高身長、非喫煙者という特徴が見られた一方、アルツハイマー病や抑うつ状態、統合失調症、肥満である可能性は低かったそうだ。また興味深いことに、「賢い」遺伝子と自閉スペクトラム症との関連がみられたという。

■賢さと自閉スペクトラム症

「一般に知能が高い人が集っているはずの某国立大学にも、かなりの肥満や精神科通院中の学生や研究者、教授なんかが大勢いたけどね……という感想はさておき、自閉スペクトラム症との関連は面白いですね」

 こう感想を述べたのは、生物学に詳しい理学博士X氏だ。自閉スペクトラム症の特徴として「コミュニケーションおよび対人関係の障害」、「同一性へのこだわりや興味・関心の狭さ」などがあるとされる。研究者や医師などの専門家の中にはそのような特徴を持つ人々が多くいると、かねてから指摘されている。X氏の周囲にも自閉スペクトラム症の特徴を示す人々が大勢いるという。

「自閉スペクトラム症の特徴を持った人が学問に興味を持ったなら、結果として高学歴になるのも当然でしょう。なにしろそういう人は、勉強をするのが全く苦じゃないんですから」(X氏)

 さらにX氏はIQテストで知能を測ることの限界も指摘する。

© TOCANA 提供

「IQを測るテストというのは、学校のテストと似たところがあります。高学歴者は試験というものに慣れており、さらに高得点を取るための訓練を積んでいますから、IQが高く判定されても不思議じゃありません。非常に面白い研究だとは思いますが、IQテストで高得点を取れる欧米の人々に、どのような身体的・遺伝子的な特徴があるかを示しているだけとも考えられます」(X氏)

■人間の知性を決めているのは?

 さて、今回見つかった遺伝子の多くは脳内の神経細胞の分化やシナプスの伝達経路の形成などと関わっているとみられている。「賢い」遺伝子と脳の容積にも関連が見られたそうだが、脳の大きさと知能は必ずしも比例しないことも分かっている。

 研究チームによれば、今回発見された52個の遺伝子は知能の個人差のうち2割程を説明するにすぎないそうで、実際にはもっと多くの遺伝子が人間の知性の形成に関わっているという。研究責任者の一人、オランダ・神経ゲノミクス認知研究センターのダニエル・ポスツマ氏は、知能を決めるのは「賢い」遺伝子の数ではなく、複数の遺伝子変異による特定のパターンではないかと推測している。

 人間の知能には遺伝子と環境の両方が影響を与えており、遺伝子はIQの測定結果の半分程度を説明できるに過ぎないともいわれている。今回の大規模解析からも、人間の知性とそれを決める遺伝子の、一筋縄ではない複雑な関わりが示された。また、「賢い」遺伝子が人生の成功を決めるわけでもない。ただ一つ言えることがあるとすれば、高学歴、高身長でタバコを吸わない「賢い」遺伝子を持っていても、日々頭を鍛えていなければ宝の持ち腐れであるということくらいだろう。(吉井いつき)

※イメージ画像:「Thinkstock」より

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