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今年も来たぞ、「メイドさんにたっちなう」――親睦を図るカギは「iBeacon」にアリ

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/05/29 16:05 ITMedia
今年も来たぞ、「メイドさんにたっちなう」――親睦を図るカギは「iBeacon」にアリ: Bluetooth接続により、スマートフォンで色や輝度などを制御できる電子工作の制服。カチューシャを身につけるメイドのしおんさん © ITMedia 提供 Bluetooth接続により、スマートフォンで色や輝度などを制御できる電子工作の制服。カチューシャを身につけるメイドのしおんさん

 5月28日から東京ビッグサイトで開催されているワイヤレスジャパン2014で、日本Androidの会がNFCタグやiBeaconの活用事例を紹介。秋葉原のメイド喫茶で働くしおんさんがLEDで光り輝く“電子工作”の制服やアクセサリーを身につけ、その姿を披露した。

 2013年のワイヤレスジャパンでは主にNFCタグの活用事例を紹介していたが、2014年は低消費電力の近距離無線技術である「Bluetooth Low Energy(BLE)」を利用した「iBeacon」とNFCの組み合わせを提案。iOS 7に搭載されたことで注目を集めているiBeaconの仕組みやNFCとの違いについても言及された。また、メイド喫茶「橙幻郷」で試験的に行っているというNFCタグとiBeaconの活用事例では、お客さんとメイドさんがより密にコミュニケーションを取れるような、うれしい話も飛び出した。

●iBeaconで何ができるの?

 iBeaconは、BLEを使った新技術で、電波を発信する「Beacon」と呼ばれるデバイスに近づくと、Bluetooth接続によりスマートフォンの位置情報を取得したり、そのデバイスが設置された店舗の情報を受信したりといったことができる。

 そのため、NFCと異なり、スマートフォンのBluetoothをオンにしておけばBeaconの近くを通りがかっただけでプッシュ通知がされる仕組みだ。例えば服屋のあちこちにBeaconを設置しておけば、店の近くを通りがかると店内に入るよう促され、特定の服に近づくと服の情報が通知され、商品を買うとその商品に合う別の商品の情報が届き、退店すると感謝の通知が届く、という流れだ。そのほか、米メジャーリーグのスタジアム近くを通るとその日の試合情報が通知されたり、美術館や博物館などでも展示情報が通知されたりするなどの試みがなされている。

●NFCとiBeaconは何が違う?

 登壇者の大坂泰弘さんは、「一概にNFCとiBeaconのどちらがいい、悪いという問題ではない」と前置きした上で、両者のスペックを比較した。iBeaconはNFCより通信距離が長く、iOSにも対応しているなどの特徴があるが、NFCはタグを数十円で購入でき、アプリの事前インストールは不要だ。

 最も大きな違いは、NFCはユーザーが何らかの意思を持って対象に近づきタッチをする必要があるのに対して、iBeaconは意識せずとも自動的に情報がプッシュされてくるという点だ。どちらも「人とモノをつなぐ」という点では同じであるため、大坂さんは「両者を組み合わせることで、よりコミュニケーションが楽しくすることができるのでは」と話す。

●「あの世とこの世」をつなぐ

 NFCとiBeaconを組み合わせた事例の1つ目は、愛するペットとの思い出を想起させる仏壇だ。ペットが生前遊んでいた玩具に写真や動画を読み込ませたNFCタグを貼り付け、玩具で該当箇所にタッチするとAndroid端末上で写真や動画が再生される。NFCにタッチしてくれない日々が続くと、iBeaconを利用してスマートフォン宛にペットから催促のメッセージが届くほか、NFCでタッチしたあとは「遊んでくれてありがとう!」などの通知が来る。少し切ない気持ちにはなるかもしれないが、かわいがっていたペットと疑似的につながりを継続できることによろこびを感じる人もいるはずだ。

●「メイドさんとご主人様/お嬢様」をつなぐ

 そして、読者諸氏の関心が最も高いであろうメイドさんとのコミュニケーションも、iBeaconの活用によりさらに活性化されるようだ。今回はフルカラー表示のテープLEDを内蔵するカチューシャに、イヤリングや制服が加わり、さらに華やかになったメイドさんも登場した。

 2013年の講演では、メイドさんの服にNFCタグを設置し、ユーザーがそれをタッチすることでメイドさんとコミュニケーションが図れるというデモが行われた。このNFCログアプリ「たっちなう」を使うと、メイドさんのプロフィールデータが記載されたWebページにアクセスでき、タッチ数でポイントをためられるなどの利点がある。店舗側にとっても、集客効果の向上やユーザープロファイルの取得、来店履歴の管理などに利用できるメリットがある。

 今回iBeaconを活用するにあたり、大坂さんは「タッチなうの楽しさは、人が貼ったNFCタグを見つけるよろこびにある」とした上で、ユーザーがメイド喫茶に入店すると自動でその日のタグの設置場所に関するヒントをプッシュ通知し、そのままメイドさんとコミュニケーションを取りながら店内のNFCタグを探すという試みを提案した。メイドさんが装着するNFCをタッチするとプレミアム情報を入手できる流れは前回と同様だ。

 毎回同じ場所にあるNFCタグを繰り返しタッチすると飽きが生じてくる。iBeaconはそれを解消するだけでなく、会話のきっかけを作り、メイドさんとの親交をさらに深めるというのが画期的だ。日本Androidの会の代表である小暮敦彦さんによると、「この試みは橙幻郷でイベントがあるときなど、試験的に行っています」ということだった。ほかのメイド喫茶にこの仕組みを提供することは現時点では予定していないという。「NFCタグがある」という理由で堂々とメイドさんにタッチできる仕組みが今後普及していくことで、秋葉原の未来はますます明るくなる……かもしれない。

[村上万純,ITmedia]

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