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仕事ができないだけじゃない PC機内持ち込み禁止のリスク

ITmedia エンタープライズ のロゴ ITmedia エンタープライズ 2017/06/12
仕事ができないだけじゃない PC機内持ち込み禁止のリスク: 画像:ITmedia © ITmedia エンタープライズ 提供 画像:ITmedia

 2017年3月、驚きのニュースが流れました。米国政府はアラブ首長国連邦(UAE)やカタール、トルコなどからの直行便に関して、ノートPCの機内持ち込みを禁止したのです。持ち込み禁止の理由は、「ノートPC型の危険物」の持ち込みを防ぐための安全上の理由だとしています。そして2017年5月、米国政府はノートPCに準じる機器の機内持ち込み禁止施策を、「全ての米国直行便」に拡大する可能性を示唆しています。

 そのときには当然、日本も含まれるでしょう。出張で米国に向かう際、「ノートPCを機内に持ち込めなければ困る」というビジネスパーソンも多いはず。米政府の施策は、「いきなり明日から実施」ということもあり得るので、そのときに慌てないよう、今回は対策を考えてみたいと思います。

●機内持ち込み禁止ならスーツケースに入れればいい?

 今回の施策はあくまで「ノートPCの機内への持ち込みの禁止」です。米国内に持ち込めないわけではなく、預け入れ荷物(スーツケース)の中に入れればいいということになります。

 しかし、問題はスーツケースの取り扱いです。雑に扱われ、放り投げられたとしても文句は言えませんし、保安上、中を開けてチェックされることもあるので、どんなに厳重に梱包しても、開けられて雑に戻されることだってあり得ます。そう考えると、精密機器の代表格であるPCをスーツケースに入れるのは、リスクでしかありません。仮にスーツケースに入れるにしても、「しっかりと梱包する」ことが必要です。

 預け入れのリスクは、損傷だけではありません。壊れるならまだしも、「盗難」に遭う可能性すらあります。企業においては、この盗難こそが一番のリスクといえるでしょう。盗難まではいかなくても、保安検査員があなたのPCを触る可能性だってないとはいえません。こうした場合のリスクを最小限にとどめるための対策も講じておく必要があります。

 まずは簡単に利用されないように、「ログインID/パスワードの管理をしておく」、分解してHDDを取り出されてもデータを簡単に盗まれないよう「ディスクの暗号化を行う」、場合によっては念のため「BIOSパスワードを設定する」ことも必要かもしれません。

 これからは会社としても、「壊れることくらいは許容する」心構えが必要かもしれません。なんだか、アメリカ出張が面倒くさくなりますね(苦笑)。

●さらなる問題はデータの漏えい、ならば……

 これまでなら、ずっと手元に置くことができたノートPCが、客室内に持ち込めないことで盗難や紛失のリスクにさらされることになります。そうなると、もう少し「ノートPC内のデータ」を気にする必要があるかもしれません。

 さきほど対策として挙げたのは、「ノートPC内にあるデータにロックをかける」という手法であり、それではまだリスクが大きいと考えるなら、“そもそも機内にデータを持ち込まない”ことも考えるべきかもしれません。

 私の場合、ファイルの保存はDropbox/iCloud(アップル)、メモはEvernoteを利用しています。これらのサービスを使えば、通信環境さえあればクラウドに接続することでデータを復元できます。ですから、面倒ではありますが空港で「データを消去」し、アメリカ国内でWi-Fi環境につながったら「データを再ダウンロード」することで、盗難、紛失リスクをさらに下げることも可能です。

 Dropboxの場合、メニューから「このDropboxのリンクを解除」を押し、ノートPCとDropboxとのつながりを解除した後、ノートPC内に残っているDropboxフォルダを削除します。渡航後、もう1度DropboxをノートPCとリンクすると、もともと存在していたファイルがクラウドから降りてくるはずです。

 Evernoteはアプリからログオフしておきましょう(厳密にはローカルにノートのデータベースファイルが残っているので、削除が必要かもしれません)。

 ここまでやることを考えると、もはや企業は海外出張用に、「OSとVPN接続、最低限のアプリのみを入れた海外出張専用ノートPC」を用意しておく必要があるかもしれません。機内へのPC持ち込み禁止が日本のビジネスパーソンを困惑させる前に、検討を始めてみてもいいでしょう。

 個人的には、「タブレットはダメでも、スマートフォンの持ち込みは許されている」ことから、もしかしたらノートPCの運用を無理に変えるより、「仕事も全てスマートフォンでできる」よう、自分を改造した方が早いかもしれないと思い始めています。

 スマートフォンを使いこなしているデジタルネイティブな若い人たちにとっては、その方が合理的かもしれませんね。

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