古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

企業の価格・賃金設定、インフレ期待次第で慎重になるリスク=日銀総裁

Reuters のロゴ Reuters 2017/05/10

[東京 10日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は10日、都内で講演し、物価の先行きについて、期待インフレ率の動向次第では、企業の価格・賃金設定スタンスが想定よりも慎重なものにとどまるリスクがあると語った。物価2%目標には「なお距離がある」とし、強力な金融緩和の推進で「やり遂げる」と強調した。

総裁は、物価目標の達成に向けて「デフレマインドの転換に時間がかかっているのは事実」としながらも、「状況は着実に改善している」と述べた。

企業の価格・賃金設定、インフレ期待次第で慎重になるリスク=日銀総裁 © REUTERS 企業の価格・賃金設定、インフレ期待次第で慎重になるリスク=日銀総裁

消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)は引き続きゼロ%近辺で推移しており、2%には「なお距離があり、物価上昇のモメンタムは力強さを欠いている」状況。海外経済や企業・家計の中長期的な予想物価上昇率の動向を中心に、物価は「下振れリスクが大きい状況が続いている」との認識を示した。

特に安定的な物価2%の実現に不可欠なインフレ期待について、足元の緩慢な物価動向を踏まえると「適合的な期待形成を通じた押し上げの圧力には不確実性がある」と指摘。その動向次第では、企業の価格・賃金設定が「想定よりも慎重なスタンスにとどまるリスクがあり、この点に注意が必要だ」と語った。

こうした状況のもとでの金融政策運営は「現在の金融市場調節方針を維持し、強力な金融緩和を粘り強く推進していくことが何よりも重要」とし、「大切なことは、やり遂げることだ」と強調した。

昨年9月に導入した現行の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策」は、「さまざまな環境変化に柔軟に対応することが可能であり、持続性の高い枠組み」と説明。

また、大規模な長期国債の買い入れについて「金額などは金融市場の状況に応じて、ある程度の幅を持って変化する」と長期金利を現行目標のゼロ%程度に維持するために柔軟に対応していく考えを示し、「こうした変化が先行きの政策スタンスを示すことはない」と続けた。

(伊藤純夫)

Reutersの関連リンク

image beaconimage beaconimage beacon