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企画から2年、何百枚ものトンカツ……小麦粉と卵を使わないパン粉が誕生するまで

エキサイト Bit のロゴ エキサイト Bit 2017/04/01 田幸和歌子

揚げ物をするときに面倒くさいのは、小麦粉、卵をつけてパン粉をまぶすという工程の多さと、かなりのスペースを要すること。

© Excite Bit 提供

でも、小麦粉、卵を使わず、パン粉をまぶすだけで良いという「日清 小麦粉・卵いらず ラク揚げ パン粉」が2月初旬、日清フーズから発売された。

2015年2月に同じく日清フーズからボトルに入った顆粒タイプの小麦粉「日清 クッキング フラワー」が発売された際には、「必要量だけ出せるし、洗い物が減るし、便利!」と思った。

しかし、揚げ物の「小麦粉・卵」を省くなんて、さすがに無謀に思える。

半信半疑で購入し、実際にトンカツを作ってみたところ、結果からいうと、驚くほどラク。味はちゃんと普通のトンカツなのに、工程が減るからラクだし、お肉のトレーの上で塩コショウ→パン粉まで一気にできるから、洗い物が出ない点も嬉しい。

でも、こんな画期的な商品がなぜ実現したのか。

保管しやすく、使いやすく、飛び散らず、キッチンを汚さないようにする

「パン粉に関する不満点や調理実態を調べていたところ、『卵、小麦粉、パン粉を使うのは、キッチンが狭いところで煩雑』『キッチンがすごく汚れる』『パン粉の保管が不便』といった意見がありました。では、本当に使いやすいパン粉ってどんなものなのかと考えたとき、『保管しやすく、使いやすく、飛び散らず、キッチンを汚さないようにする』という点が浮かび上がったのです」(日清フーズ加工食品事業部営業グループ・水田成保さん)

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1つには「日清 クッキング フラワー」と同じく、ボトルに入れるという方法があった。だが、それだけでは進化にはならない。そこで、「小麦粉、卵いらずにできないか」と考えたそう。

「フライパンで作る揚げないタイプやレンジタイプのから揚げ粉などは一時流行りましたが、やはり揚げたての美味しさは別モノなので、近年は下火になっています。簡便さと美味しさの両立を考えた際、揚げる工程はあるものの、いちばん面倒くさい準備と片付けの手間を省略できれば……と。そこで、もともと当社は小麦粉の会社ですから、その技術・知見が生かせるのでは?と思ったのです」(水田さん)

開発のために何百枚というトンカツを食べ……

実際に開発を担当したのは、同開発グループの山崎周平さん。意外にも26歳の若い男性だった。

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「最初は『本当に小麦粉や卵を使わずに揚げるパン粉なんてできるの?』と思いました。小麦粉と卵を省略し、パン粉のみで揚げるためには、『衣がくっつく=結着性』が重要です。でも、実験してみると、『衣がカリッとしない』『揚げ色が悪い』などの問題点がありました」

そこで、パン粉の原料の種類・量を調整し、50~100種ほどの配合パターンを検討した。

完成までには実に、配合検討で約1年間、企画から2年間もの時間がかかったという。

大切にしたのは、「剣立ち(けんだち)」といって、パン粉が揚げ物の表面でツンツン立つ仕上がり。これは肉にしっかりパン粉が付着しないと実現しないそう。

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しかし、普通のパン粉と「日清 小麦粉・卵いらず ラク揚げパン粉」は、見た目にはほとんど差がない。いったいどんな秘密があるのか。

「独自製法により、パン粉に、水分を吸って付着する原料を配合しています。お肉の水分をパン粉が吸うと、くっつくようになるのです」(山崎さん)

また、揚げたときにサクサク食感があり、それが持続するようにと、普通のパン粉よりも硬くしている。パン粉の大きさ・かたちも、振り出し口から出やすくする工夫をしているそう。

ところで、開発の過程において、うまくいくかどうかは、実際に揚げて食べてみないとわからない。どのくらい揚げ物をしてきたのか。

「配合がかわるたびにトンカツを揚げて食べました。何百枚というトンカツ用豚肉を食べたんじゃないでしょうか。油が多いとき・少ないときの違いや、チキンや魚、えびなど、素材も様々に変えながら、毎日揚げ物を食べてますね。毎日食べても嫌にはならないです。少し太りましたけど(笑)」(山崎さん)

使い方のコツは、「パン粉をしっかりおさえてつけること。つけてから、水をよく吸わせるために5分おくこと」。

オススメの調理法は、トンカツのほか、チキンカツやササミカツ、アジフライなどの魚のフライだそう。

肉や魚のトレーの中だけで準備ができ、洗い物もほとんど出ない、このパン粉なら、面倒だった揚げ物の機会が増えそうだ。

(田幸和歌子)

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