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会話が苦手…口ベタでも孤立しないための会話術

All About のロゴ All About 2017/05/03

人と話すのが苦手なタイプの人が自然に会話に慣れるための第一歩をご紹介します。 © AllAboutMedical 提供 人と話すのが苦手なタイプの人が自然に会話に慣れるための第一歩をご紹介します。

無口で会話が苦手…話さないタイプの人は生きにくい時代?

「コミュ力」という言葉もあるように、現代は「コミュニケーションの時代」と言われます。会話による意思疎通やほどよい付き合い方のコツが分からない人は、プライベートにおいてもビジネスにおいても、取り残されやすい傾向にある……とても世知辛い時代です。

一昔前なら、「話さないタイプ」の人に対する評価は、低くありませんでした。昭和40年代生まれの私の記憶では、自分から積極的に話さない女性は「奥ゆかしい」と言われていました。学生時代、下校中に友だちとおしゃべりして帰るだけで「女はベラベラしゃべるもんじゃない!」と近所のオジサンから意見されたこともあります。男性も、あまり話さない無口な人の方が「重厚」なイメージで捉えられてました。同じく昭和40年代に流行した『男は黙ってサッポロビール』というコピーがありましたが、「話さない」ことは硬派な男の象徴でもあったわけです。

ところが、現代になると「話さない」ことは「社会適応力の低さ」とイコールで語られるようになってきました。その背景にはいくつかの要因があるのですが、大きなもののひとつに、今まで人が担ってきた仕事の多くが「機械」に置き換えられるようになったことがあります。

産業の工業化が進んでいた80年代半ば頃までは、会話がうまい人よりも真面目に黙々と決まった仕事を行える人柄のほうが、企業から重宝されていました。さらに以前では日本人の生業の多くが農業だったのですから、無駄口を叩かず黙々と田畑を耕すことこそ「働くこと」でした。ところが、近年は作業の多くが機械やコンピューターに置き換えられ、しかもめまぐるしいスピードで最新の技術に変わっています。今や「黙々と決まった仕事」をやるのは、機械で十分。交渉、管理、企画、営業といった人間にしかできない能力を駆使することこそ、これからの産業人に求められる資質。コミュニケーションは、その基本となる能力でもあります。

もう一つの大きな要因としては、社会のグローバル化があります。国内での需要が飽和した日本では、多くの産業が海外に進出し、おもに新興国のマーケットに活路を見出そうとしています。「日本」という限られた環境の中であれば、言葉で考えを表現し合う努力は、さほど必要とされなかったかもしれません。しかし、日本から一歩外に出ると文化や価値観がまったく違う人と、お互いの要求をすり合わせたり、解釈の違いから誤解を放置することがないように、逐一言葉で確認していかなければなりません。人々がグローバル化社会への対応を意識し始めてきたことで、求められるコミュニケーション・スタイルが変わってきたのです。

話さないことが「症状」とまで呼ばれるように……

上に見てきたような背景から、現代は「話さない人」にとっては生きにくい時代であり、「話さないこと」が問題とまで見なされるようになってきました。

たとえば、「ふれあい恐怖症候群」というストレス症状があります。これは、人とのコミュニケーションが苦手で、必要なこと以外の無駄話を楽しめず、学校や職場の集団で孤立しがちになる症状です。また、少し前には「ランチメイト症候群」も話題になりました。ランチタイムに1人になるのは恥ずかしい。けれど、断られるのを恐れすぎるあまりに自分からは誘えない、たとえ一緒にランチをしたところでリラックスした会食を楽しめないというジレンマに悩むストレス症状です。

こうしたタイプの人は、昔からいました。しかし、かつては改善が必要な「症状」とは扱われず、「人見知り」「付き合い下手」という程度で問題にされていなかったのです。また、「あの人はそういう人だから」ということで受け入れられ、「仕事がきちっとしてるんだからいいじゃないか」と評価する人も多かったものです。

繰り返すように、コミュニケーションの必要性が重視される方向に、「世の中」の方が大きく変わってしまったのです。それにつれて、「話さないタイプ」の人は周りの過剰な反応や批判が過大なプレッシャーとなって、ますます会話に苦手意識を持っていく傾向があるのではないかと思います。

話すのが苦手なら「会話力は無理せず少しずつ」が基本

では、話さないタイプの人はどうやって、このコミュニケーション重視の世の中を渡っていったらいいのでしょう?

ビジネス講座等で人気の「コミュニケーション講習」などに参加すれば……と考える人もいるかもしれません。しかし、こうした講座は会話慣れしている人を対象にした内容が多く、会話が苦手な人には逆効果になってしまうことも少なくありません。私もカウンセラー講習で、目が合った人と握手して自己紹介するコンテンツをよく体験しますが、不自然なシチュエーションに居心地が悪くなり、非常に疲れます。

大切なのは、外付けのマニュアルに頼らず、日常で少しずつでも話す機会を広げていくことだと思います。たとえば、会社で人と話すのがおっくう、いつも目をそらしてしまうという人は、「あいさつ」だけでもできるようにしてみることです。朝の出社時、夜の退社時、下を向きながら、「おはよ…ございます……」「お先…失礼しま……」と消え入りそうな声であいさつしていませんか? 誰か一人に対してでもいいので、その人の目を見て少し口角を上げ、「おはようございます」「お先に失礼します」と言ってみましょう。

あいさつが与えるインパクトは、強力です。普段会話の機会が少なくても、気持ちよくあいさつをしてくれる人に対しては、悪い印象を抱く人は少ないものです。それに慣れたら、「一往復半のあいさつ」にトライしてみること。「おはようございます」「お疲れさまでした」などの定例句を往復したら、そこに勇気を出して一言投げかけてみることです。「今日はいい天気ですね」「今日も遅いんですか?」というように、一言でいいのです。

誰もが交わす定例句を誘い水にして、次の言葉を投げかければ、比較的にスムーズに会話ができます。まずは、実験のつもりで隣の人とだけやりとりしてみてもいいのです。離乳を終えた子どもが一種類ずつ食事を増やしていくのと同様に、会話も少しずつ増やしていくことです。「日課」として毎日続けていけば、気がつけばあいさつへの緊張感も解けて、周りの人にも話しかけやすくなっていくのではないかと思います。

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