古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

伝わる対話の約7割が“言葉より雰囲気” 伝え上手がやっていること

ITmedia エンタープライズ のロゴ ITmedia エンタープライズ 2017/06/08
伝わる対話の約7割が“言葉より雰囲気” 伝え上手がやっていること: 画像:ITmedia © ITmedia エンタープライズ 提供 画像:ITmedia

●そんなつもりじゃないのに……

 無意識のうちに、相手に誤解を与えてしまうことがある。眠くてボーっとしているだけなのに「怒っているの?」と言われたり、メールで頼み事をしたら「エラそうに」と言われたり。そんなつもりはないのだが、メッセージを受け取った相手がそのような受け止め方をすることもある。

 いくら「そんなつもりじゃないよ」と説明しても相手に信じてもらえるわけもなく、一方的に私が悪者として扱われてしまう。残念ではあるが、意識したかどうかにかかわらず、メッセージを送った本人としては反省し、改めなければならない。

●言語メッセージと非言語メッセージ

 私たちが人に伝えるメッセージには「言語メッセージ」と「非言語メッセージ」がある。

 言語メッセージとは、言葉で伝えるメッセージのことである。口から伝えることもできるし、文字として伝えることもできる。

一方、非言語メッセージとは、言語以外のメッセージのことで、例えば、身体、表情、視線、声や口調、姿勢や動作、距離感になどによって発信するメッセージである。詳しくは、下の表の通りだ。

 通常、メッセージを伝えるという場合、言語メッセージのことを指す。しかし、意識しているかどうかにかかわらず、メッセージを伝えるときは、非言語メッセージも一緒に伝えている。

 例えば、書類に誤字があったので「間違っていますよ」と指摘するとしよう。そのとき、ニコニコ笑って言えば、書類の誤字に対して(あるいは誤字をした本人に対して)「不快に思っていないこと」も伝えている。怒った表情で言えば、「不快に思っていること」も伝えている。

 また、誰かと話をしているとき、相手の顔を見ながらうなずいたり、相づちを打ったりすれば、「話に関心があること」を伝えている。携帯電話やPCを見ながら聞いていれば、「話に関心がないこと」を伝えている。このように私たちは、言葉で会話をしながら、言葉以外のメッセージも同時に伝えているのだ。

●非言語メッセージが重要

 非言語メッセージは、コミュニケーションの中で大きいウエートを占めている。アルバート・メラビアンによると、言語メッセージと非言語メッセージが矛盾しているとき、非言語メッセージの方を重視する割合は93%(言語メッセージは7%)であるという。例えば、「やめてください」と口で言っても、顔が笑っていれば、「笑っている」ことを重視して、「怒っていない」と判断してしまうのだ。また、レイ・バードウィステルは、二者間の対話では非言語メッセージが65%(言語メッセージは35%)を占めているという。いずれにしても、言語メッセージよりも、非言語メッセージが重要なのだ。

 非言語メッセージをおろそかにしていると、相手に誤ったメッセージを伝えてしまう。冒頭で話したように、そんなつもりじゃなくても、表情や態度は無意識のうちに多くのメッセージを伝えている。「怒っている表情」だけが相手に印象深く伝わり、言葉によるメッセージは相手に届かないことがあるのだ。また、言語メッセージは意識した通りに発信できるが、非言語メッセージは意識していないと、一人歩きするから注意が必要だ。

●非言語メッセージが不足している

 最近、私たちの生活では、対面のコミュニケーションより、メールやSNSなど非対面によるコミュニケーションが多くなっている。システム開発の現場でも、メールやグループウェアなどが利用されている。この非対面によるコミュニケーションでも、非言語に関する問題が起こっている。

 メールによるコミュニケーションを考えてみよう。メールを使うことで、文字による情報、つまり言語メッセージを相手に伝えることができる。しかし、文字情報だけでは非言語メッセージを読み取ることができない。先にも書いたように、人は非言語メッセージから相手の意図をくみ取ろうとする。そのため、メールに書かれた内容だけでは真意がくみ取れず、混乱してしまう場合があるのだ。

 例えば、企画書を提出した後、上司から

「企画書見たけど、あれじゃ企画通らないね」

とメールが送られてきたら、上司の意図をどのように解釈するだろうか。

 上司が普段から優しい人であれば、「親切心」と解釈できるかもしれない。一方、普段から怒ってばかりいる人であれば、「怒り」と解釈できるかもしれない。その場にいない上司の表情や口調が分からないため、真意が分からず、どのような行動を取るべきか判断に迷ってしまう。親切心から言ってくれているのであれば、企画書の見直しを始めればいいし、怒りから言っているのであれば、おわびすることから始めなければならない。メールによる言語メッセージだけでは、混乱してしまうのだ。

●非言語メッセージを補強する方法

 このように、非言語が不足したコミュニケーションでは非言語メッセージをくみ取ろうとして、歪曲して理解してしまったり、都合よく理解してしまったり、相手の真意とは異なる解釈をしてしまうことが起こってしまう。それを避けるために、メールやSNSを使用するときも、非言語メッセージを埋め込もう。そうすることで真意を伝えることが可能になる。

 では、どのように、メールやSNSで非言語メッセージを埋め込めばよいだろうか。

 1つは絵文字やスタンプなどを使う方法だ。例えば、

「残念です」

と書くと、ネガティブな気持ちだけが相手に伝わってしまうが、

「残念です(T_T)」

と書けば、ネガティブではあるものの、相手を攻撃する意図がないことも伝えることができる。

 また、周辺情報を伝えるという方法もある。メールであれば、本文の前か後に、本文とは関係のない雑談を書くのだ。例えば、

「昨日、○○というテレビドラマを見ましたが、嫌な上司をギャフンと言わせるシーンが痛快でした」

「快適な気候になってきましたね。近々、一緒に川でバーベキューしましょう!」

といった情報を伝えることで、温かさを感じ取ることができるはずだ。

 普段、非言語メッセージについて意識することは少ない。しかし、注意をしていないと、意図していないメッセージを伝えてしまう。しかも、言葉以上の強さで伝わってしまう。あとで言い訳をしても取り返しが付かない。だから、意識して非言語メッセージを発信することが重要なのだ。

ITmedia エンタープライズの関連記事

image beaconimage beaconimage beacon