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使うほどに便利さを実感できるスマホ――「ARROWS NX F-05F」ファーストインプレッション

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/05/29 ITMedia
使うほどに便利さを実感できるスマホ――「ARROWS NX F-05F」ファーストインプレッション: “NX”1周年記念モデルとなる「ARROWS NX F-05F」 © ITMedia 提供 “NX”1周年記念モデルとなる「ARROWS NX F-05F」

 2013年夏にブランド名を“X”から“NX”に切り替えて以来、安定性や使いやすさを重視してきたNTTドコモ向けフラグシップモデル「ARROWS」。NXの登場から1周年を飾る「ARROWS NX F-05F」では、使いやすさの新機軸として、「思いのままに文字入力」できるという、富士通・ジャストシステム共同開発の文字入力システム「Super ATOK ULTIAS」を加えた。

 「ARROWS X LTE F-05D」以来、ドコモ向けフラグシップARROWSを使い続けてきた筆者は、発売に先駆けてF-05Fの実機を使うチャンスを得た。本稿では、その使い勝手を検証していく。

●手の収まりが良いラウンドフォルムボディ

 2013年冬モデルの「ARROWS NX F-01F」では、大画面と持ちやすさの両立を図るべく、ラウンドフォルムボディを採用した。F-05Fでも引き続きラウンドフォルムを採用し、高いホールド感を確保している。ボディの下部は「U-Frame」と呼ばれるU字形状になっており、手の腹でキープする持ち方をしても違和感は全くない。色味に関しては、F-01Fでは光沢加工だったものがF-05Fではつや消し加工になっていて、指紋が目立ちにくくなった。

 F-01Fとの一番大きな違いは、ボディ側面に「サイドパーツ」をあしらったことだ。ボディカラーによって異なる色合い・模様を持つサイドパーツは、デザイン上のアクセントになっている。

●大きく強化された文字入力システム「Super ATOK ULTIAS」

 先述の通り、F-05Fでは新しい文字入力システム「Super ATOK ULTIAS」(スーパーエイトックウルティアス※以下「ULTIAS」)を採用している。従来も、ATOK for Androidをベースにした「NX!input」を採用していたが、ULTIASでは、ATOK for Androidの上位版に当たる「ATOK Passport Pro」をベースにしており、従来と比較してさまざまな機能強化が行われている。

 例えば、文字変換エンジンはPC版ATOKと同等のものになっている。誤変換・誤用した際の訂正機能や同音異義語・同訓異字の用法確認など、通常のATOK for Androidにはない強力な機能が搭載されている。

 最新の語彙(ごい)をオンラインで取得できる「ATOK Expressキーワード」にも対応している。JUSTアカウントを取得の上、サービスを有効にすれば、流行語が常に変換候補に出てくるようになる。受信キーワードのジャンルは自分の好みのものを選べる。それなりにデータ量があるため、キーワード受信間隔を変えたり、Wi-Fi(無線LAN)接続中のみデータを受信すように設定したりできる。

 ここまでは、ATOK Passport Proでも搭載されている機能だが、ULTIAS固有の機能もある。地名を入力するとその前に来る都道府県名、市区町村名、字名などを補ってくれる機能や、郵便番号から地名を変換する機能はその中でも特に役に立つだろう。

 フィーチャーフォンや他メーカーのスマートフォンから乗り換えたユーザーに便利な「キーボードスタイル」の選択機能も付いている。標準状態では、F-01FまでのNX!inputと同じ配列のキーボードになっているが、そのほかに6種類の配列スタイルを選択できる。富士通のiモードケータイに慣れ親しんでいた人は、「STYLE-FP」を選べば、キー配列を含めて違和感なく文字入力できるだろう。そのほか、国内で主要な5つのスマートフォンブランドの標準キーボードと同配列のスタイルも用意されている。ただし、これらのスタイルを適用すると、キーボードテーマが設定できないので注意が必要だ。

 フリック入力に不慣れな人向けに「フリック学習モード」も搭載している。タッチパネルのスマートフォンで文字を入力する場合、ボタンを連打するトグル入力よりも、フリック入力した方がすばやく入力できる傾向にある。しかし、フリック入力を苦手にしているため、いまだにトグル入力やQWERTYキーボードでの入力をしているユーザーも少なくない。このモードを利用すれば、ゲーム感覚でフリック入力を練習できる。

 変換優先候補を設定できるのもULTIAS固有の機能だ。プライベートユースでは話し言葉を優先する設定にすればコミュニケーションがはかどるはずだ。話し言葉は、方言にも対応している。方言は、文字だけのコミュニケーションに“柔らかさ”を作る上で大変役に立つと考えている。筆者は標準語圏で生まれ育ったので、正直、使う機会に乏しいのだが、方言を日常会話で多用する地域にお住まいの方はぜひ試してほしい。

 文字入力については、ULTIASによる改善が大きいが、それ以外の要素も細かく改良されている。例えば、文字列を長押しすることで現れる文字ツール。ARROWSならではの「スライドイン」機能には、新たに「なぞってコピー」が追加された。表示中の画面の文字をなぞって選択することで、画像中の文字列も含めてコピーができる。背景や文字フォント形状によって認識精度が左右されるものの、使いようによっては大変便利に使えるだろう。

●炎天下に強い「WhiteMagicディスプレイ」も進化

 F-01Fで採用された「WhiteMagicディスプレイ」。白画素を追加した“RGBW”液晶によって、バックライトに頼らず輝度を向上し、結果、炎天下での視認性向上と省電力性の向上の両立に成功した。

 F-05Fでも引き続きWhiteMagicディスプレイが採用されているが、輝度は最大800カンデラから1000カンデラに引き上げられた新型パネルになっている。最大輝度時の液晶の消費電力はF-01FとF-05Fで同等になっているため、結果的にF-01Fと同じ輝度で表示している場合は液晶の消費電力が低くなっている。炎天下でもより安心して使えるようになった。なお、WhiteMagicの弱点だった色味に関しても、改善が図られ、ほかの液晶や有機ELディスプレイと比べたときの色の違和感は大幅に少なくなった。

●ヘビーユーザーこそ恩恵に与りやすい「急速充電2」

 F-05Fではドコモの2014年夏モデル共通の特色である「急速充電2」に対応している。これは、オプションの「ACアダプタ05」と組み合わせることで1時間で1800mAh以上できる、という機能で、Qualcommの「Quick Charge 2.0」規格に準拠している。この通りに行くと、F-05Fでは1時間でバッテリー容量の56.25パーセント相当以上を充電できる、ということになる。

 そこまで充電速度に差が出るものなのか疑問に思った筆者は、従来のACアダプタ04と、ACアダプタ05を用意し、バッテリー残量を15パーセントまで減らしたF-05Fで充電が完了するまでにかかる時間を比較してみた。すると、前者では充電完了まで2時間ほどかかったのに対し、後者では1時間半ほどで完了した。バッテリー容量を考えると、この30分の差はかなり大きい。富士通の受け売りではないが、「うっかり充電を忘れてしまった朝など、急いでいるときに便利」(富士通のF-05F製品情報サイトから)というのは間違いなさそうだ。

 富士通独自の省電力機能「NX!エコ」も上手に活用すれば、バッテリー持ちがさらによくなる。詳細設定で徹底的に省電力を追求する、使い勝手に悪影響を与えないように必要性の薄いものだけ設定する、といった具合に簡単に設定できるように工夫されている。

●より安定した通信環境を確保できる「マルチコネクション」

 公衆Wi-Fiサービスが使える場所が広がってきた今日この頃。パケット定額サービスなどで通信容量制限がかかっていることもあり、積極的にこのサービスを使っている方も少なくないだろう。しかし、Wi-Fiを常時オンにしていると、微弱な電波をつかんでしまい、結局通信できないでイライラ、なんていうことも少なくない。微弱な電波を無視する機能も付いているが、この場合、逆につなぎたいアクセスポイントに接続できない場合もあって、かえってイライラすることもある。

 そんなときにおすすめしたいのが、「マルチコネクション」機能だ。これは、Wi-Fiと3G/LTEを同時接続しておき、Wi-Fiの電波が微弱になってきたら自動的に3G/LTEの通信も行い、途切れることなく通信を継続することができる機能で、ドコモ向けARROWSでは初搭載となる。F-05Fでのマルチコネクションは、標準ブラウザアプリだけでなく、富士通が指定するアプリでも利用できるようになった。対応アプリは、富士通の「FMWORLD」に掲載予定なのでチェックしておこう。

 電車で通勤・通学している場合、駅ではWi-Fiスポットにつながり、駅間では3G/LTEになってしまい、通信が途切れてイラっとすることがよくあるが、マルチコネクションを活用すればこのようなイライラは軽減できる。自宅のWi-Fiルーターなど、優先的にWi-Fi接続をしたい場合は、優先設定することもできる。

 ただし、マルチコネクションは性質上、Wi-Fi接続中もパケット通信が行われる場合がある。また、バッテリー持ちにも若干ではあるが影響がある。パケット量やバッテリー持ちを重視する方は留意しておきたい。

●より便利になった「フルセグ」

 日本で初めてフルセグ受信に対応して世に出た先代のF-06E。ワンセグよりハッキリクッキリ番組を楽しめるという点では大きな進歩だったのは間違いないが、外付けアンテナケーブルを視聴時に接続する必要があったり、フルセグの録画やデータ放送に対応していなかったりと使い勝手面で改善の余地があった。

 F-05Fでは、本体にテレビ用ホイップアンテナが搭載され、アンテナケーブルをぶら下げる必要がなくなった。また、テレビアプリも新バージョンとなり、フルセグのデータ放送の受信や録画にも対応した。外出先や帰宅時に、テレビで時間をつぶす、という使い方をしている方には歓迎すべき機能だろう。

 今回は、ULTIASを中心に、F-05Fで新たに追加、改善された機能を中心に触れてきたが、“NX”が目指してきた安定性や使い勝手のよさはF-05Fでも当然引き継がれている。日本人がスマートフォンを使う上で、求められることを真剣に見つめて作られたこの機種は、使えば使うほど満足できるはずだ。気になる人は、ぜひ店頭で手にとって体感してほしい。

[井上翔,ITmedia]

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