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偏差値35から東大に合格した勉強法「ゲーム式暗記術」の講座に行ってみた

エキサイト Bit のロゴ エキサイト Bit 2017/05/31 田幸和歌子

偏差値35から東大に合格したという、現役東大2年生が書いた話題の本をご存知だろうか。

それは、西岡壱誠氏の『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』(ダイヤモンド社)。

© Excite Bit 提供

偏差値35から東大合格

「学年ビリから有名大学に」みたいな本はときどき(?)あるが、フタを開けてみると、「実は有名進学校で落ちこぼれただけ」という事実を知り、「やっぱりね」と思うことは多々ある。

しかし、この著者の場合、「東大輩出者ゼロの無名校でゲームにハマり、落ちこぼれ、学年ビリに」なり、「偏差値35から東大を目指すも2年連続不合格」。崖っぷちの状況で考え出したのが、落ちこぼれた原因でもあるゲームを勉強に持ち込んだ「ゲーム式暗記術」だった。そして、そこから奇跡の東大合格を果たしたというのだ。

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この著者による1DAY講座が5月23日に行われると知り、実際に足を運んでみた。

ポーカーや神経衰弱などのゲームを取り入れた暗記術

「ゲーム式暗記術」とは、「もともと単純でつまらない暗記に、ゲーム性を取り入れることで、面白くしたもの」だそう。

前半では著書に沿った講義が、後半では実際に参加者同士によって、ゲーム暗記術の一部「英熟語ポーカー」や「単語マジカルバナナ」「単語神経衰弱」が行われた。

〇英熟語ポーカー

動詞20枚(give, come, put, hold, keepなど)のカードの山と副詞・前置詞(away, about, to, on, alongなど)20枚のカードの山を作る。それぞれの山から3枚ずつひく。手持ち6枚のカードから好きな枚数分捨て、同じ枚数分のカードを引く。6枚の中でできた熟語の数で、ペア(熟語)が多くできた方が勝ち。ただし、3枚で熟語ができたら無条件に勝利(go away with~など)。

英文を読むうえで、熟語は非常に大切なもの。しかし、簡単な動詞と副詞・前置詞の組み合わせにもかかわらず、その数1000個以上にもなり、なかなか覚えきれないものでもある。そこで、楽しく暗記するために開発したのが、このゲームだそう。

ルーズリーフを切って書いてできる手軽さも。

〇単語マジカルバナナ

最近覚えた(暗記した)ばかりの単語・用語を何でも良いので1つ思い浮かべる→その言葉と関連する言葉(類義語や対義語、派生語など)を思い浮かべる→さらに関連する言葉を思い浮かべ、10回連鎖できればゲームクリア。

イベントでは英単語しばりで「START」から始まり、挙手制で言葉を連ねて行った。これを自分一人で10個クリアするのって、案外難しい気がする。通勤通学の移動時間などに、短時間でできるし、英単語だけでなく、歴史や古文単語など様々に応用できる。

これはビジネスマンの資格試験などにもすぐ使えそう。

〇単語神経衰弱

1、NaCL NaCL 食塩 塩化ナトリウム

2、イルカ イルカ 哺乳類 哺乳類

3、710年 710年 平城京 平城京

4、result outcome 結果 結果

5、account cause 原因 原因

6、book book 本 予約する など。

暗記したい単語を13種用意する。ルーズリーフを切ってカードを52枚作り、対応する4枚のカードに同じ番号をふって、年号と歴史上の出来事、単語と意味、問題と答えなどを記入する(13×4=52枚のカードができる)。

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トランプの神経衰弱の要領で、52枚のカードを裏面にして並べ、ペアとして対応するカードを選んでいく。多くとれた人の勝ち。

(※いずれも詳細は著書『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』で確認を)

ところで、「こんなゲームで本当に暗記できるの?」と思う人、逆に「こんなに面倒くさいことやらなくても覚えられるよ」と思う人もいるだろう。

確かに、範囲が限られた定期テストなどにおいて、その瞬間だけ覚えれば良いのであれば、わざわざゲームにして覚える必要はないだろう。試験の難度が高くなければ、三日漬けなどでもある程度対応できるかもしれない。

でも、定期テストで点がとれても、範囲の決まっていない摸試などになったときに急に「あれ? こんなハズじゃ……」という経験をしたことがある人、けっこういるのでは? それは、短期記憶だけで、きちんと知識として定着していないためだ。

関連させて覚えることが「遠回りに見えて近道」

また、単語帳で英単語や歴史の年号・出来事を繰り返し覚えたり、参考書や問題集を繰り返し説いたりしたとき。苦労して覚えたにもかかわらず、「覚えたかたちのままテストに出ることなんてほとんどない」と感じたことがある人は多いだろう。

参考書や問題集の場合、何度も説くうちに丸暗記になってしまい、「このページのここにこの答えがあった」などとビジュアルで覚えてしまったり、他のかたちでテストに出たときに役立たなかったりするケースも、ままある。

そこで西岡氏が勧めるのは、一つの単語や事柄とその意味や年号だけ暗記する方法ではなく、派生した言葉や類義語・対義語・使われ方などまで関連させて覚えること。

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関連させて覚えるほうが、覚えやすいうえ、テストのときなどに必要な情報を、膨大な記憶の海から引っ張り出すときにも、フックとなるものが多いと思い出しやすいということは、特に大人になると、経験上よくわかる。

実際のところ、勉強法そのものは「ただ何度も読んだだけ」や「単語と意味だけの単語帳をひたすら繰り返しただけ」のほうがずっとラクだし、「要点をノートにひたすらまとめる。何度も書く」ほうが手を動かした分、苦労した気がして、勉強した気分になれる。でも、それらは上の空でもできるだし、それでは十分な情報量が得られない。

「苦労と努力はイコールではない」と、西岡氏は繰り返し語っていた。ではどうすべきか。

ごく一握りの天才でない限り、暗記は「繰り返すこと」が非常に重要であり、それも効率よく暗記するには、面倒なようでいて、関連情報をまとめて一緒に覚えていくほうが、結果的には「遠回りに見えて近道」だということである。

そして、それを苦痛でなく楽しく行うための手段の一例が、ポーカーであり、神経衰弱であり、マジカルバナナであり……というのは、いろいろ納得だった。

もちろん必ずしもこれらのゲームで暗記すべきというわけではなく、あくまで自分が楽しみながら、効率よく、飽きずに繰り返しできるのが「暗記にゲーム性を持たせる方法」ということ。

「この1冊だけ覚えれば~」「1日〇個ずつ暗記すれば~」などといった勉強法と違い、実に理にかなった方法だと感じた。

(田幸和歌子)

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