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健太郎が語る、『14の夜』男子中学生の世界観「80年代ヤンキーの生態をネットで調べた」

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/12/25 株式会社サイゾー
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 足立紳監督作『14の夜』が12月24日より公開中だ。本作は、『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞に輝いた脚本家、足立紳の初監督作品。1987年の田舎町を舞台に、思春期真っ只中の中学生たちが繰り広げる青春模様をコミカルに描く。主人公・タカシは、オーディションで選ばれた新人俳優・犬飼直紀が務めるほか、光石研、濱田マリ、門脇麦、浅川梨奈らが共演している。リアルサウンド映画部では、タカシと敵対する田舎のヤンキー、金田役の健太郎にインタビュー。初めてヤンキー役に挑んだ心境をはじめ、撮影舞台裏のエピソード、プライベートの趣味について語ってもらった。 ■「中学生の世界観がしっかり表現できている」 ーー『14の夜』は、中学生男子の悶々とした日々が、ハチャメチャな騒動へと発展していく“性春”映画です。今回、脚本を読んでみていかがでしたか? 健太郎:中学生男子の生態がリアルに描かれていると思いました。ほんの些細なことに尾ひれがついて、気付いたら大騒動になっていた、なんて経験を実際にしたことがあります。そのほかにも、僕の中学生時代と似ている部分があったので、なんだか懐かしい気持ちになりました。 ーー足立紳監督は本作で監督デビューとなります。足立監督の印象は? 健太郎:監督が演技のお手本を見せてくれることがあって、その動作が中学生っぽいツボを的確に捉えていて驚きました。特に、殴ろうとするけど殴らず、持て余した手で頭を掻くシーンが印象に残っています。ほかにも、僕たちでは絶対に思いつかないような演技を提案していただくことがあって、すごく勉強になりました。監督が14歳の頃に体験したことが、そのまま演出に反映されているから、中学生の世界観がしっかり表現できているんだと思います。 ーー性に対する強い好奇心や、欲望に真っ直ぐぶつかっていく姿が、中学生らしくて微笑ましかったです。健太郎さんは、学生時代に何か夢中になっていたことはありますか? 健太郎:中学1年から高校2年までバスケ部に所属していたので、学生時代は部活一筋でしたね。高校2年の頃にモデルの仕事を始めてから、徐々に部活へ行く回数が減ってしまったのですが、それまではバスケと友達との遊びを繰り返す毎日でした。 ーー学生時代からモデルや俳優を目指していたのですか? 健太郎:スカウトをしていただくことはあったのですか、その頃は全く興味を持てず断っていました。知り合いの紹介で今の事務所に入り、『楽しければいいかな』と、最初は軽い気持ちでモデルの仕事を始めたのですが、楽しくてどんどん夢中になっていきました。芝居もモデルと同じで楽しければと始めましたが、簡単にいくものではなかったです。どちらの仕事も大変ですが、そこを含めて面白いと感じているので、これからもいろいろなことを経験していきたいですね。 ーー初めてのヤンキー役ということですが、撮影を通して驚いたことや新しい発見はありましたか? 健太郎:最近は、好青年役をやらせていただくことが続いていて、どちらかと言うとおとなしい芝居が多かったのですが、今回の金田は真逆のタイプなので、「おい!」とか「タカシ!」とか大きい声を出すのが気持ちよかったです。 ーー初挑戦で難しいところもあったと思います。 健太郎:1987年が作品の舞台なので、当時の言葉や流行を色々勉強しました。今と昔では、自転車のハンドルひとつとっても違うんです。監督やプロデューサーの皆さんとも話し合って、その時代の雰囲気を掴んでいきました。それに、ヤンキーのイメージも今とは全然違うと思ったので、『ビー・バップ・ハイスクール』を読んだり、80年代ヤンキーの生態をインターネットで調べて参考にしました。 ーー金田の髪型も時代を表していますよね。金田と髪型が被っている竹内に、ツッコミを入れるシーンは面白かったです。 健太郎:あのツッコミは台本になかったのですが、竹内と髪型被ってる、と撮影中に思ったので、アドリブで入れました(笑)。 ーーアドリブだったんですね。竹内役の竹内剛さんをはじめ、共演者とは年齢が近かったのでは? 健太郎:そうですね。僕が一番年上の現場は初めてだったので、最初は戸惑いました。光石(研)さんなど、年上の方々も出演していますが、僕と関わるシーンはなかったので。始めの頃は、年下の子たちとの接し方が分からなかったので、距離感があったと思います。でも、それは金田とヤンキーたちの関係性と似ていると思うんです。あのグループの中では一番ケンカが強く、女の子にモテたから、たまたま金田がリーダーになったのかなって。実際のところ、そこまで周りからは慕われていない。なので、実際にあった微妙な距離感が、劇中の関係性にも上手く活きていたと思います。とは言っても、撮影を重ねる中で徐々に打ち解けていき、撮影終盤ではヤンキーチームのみんなとは仲良くなりましたが。 ーーなるほど。では、今後なにか新しく挑戦したい役はありますか? 健太郎:サイコパスや狂気的な役に挑戦してみたいです。『ノーカントリー』という映画が好きなのですが、そこで殺し屋を演じているハビエル・バルデムに衝撃を受けました。この人は本当に人を殺したことがあるんじゃないか、と錯覚するほどの熱演ぶりに。その圧倒的な演技を観た時はお芝居に携わっていなかったのですが、彼を思うと役者としての自分の未熟さを感じますし、いつか彼のように狂気を孕んだ役を演じてみたいと強く思っています。あとは、『スーサイド・スクワッド』のジョーカー(ジャレッド・レト)みたいな、狂ったキャラクターにも惹かれます。自分にはまったくない要素を備えたキャラクターなので、未知の世界に足を踏み込むようでワクワクします。 ーーそうなのですね。学生役のイメージが強かったので意外です。 健太郎:金田は、憎めない可愛らしさがあって、根っからの悪い奴ではないんです。もっと血も涙もないような不良役にも挑戦してみたいですね。あとは、オタクとか。 ーー健太郎さん自身もオタク的な要素をお持ちですか? 健太郎:はい、めちゃくちゃあります。僕、デニムがすごく好きで、デニムに関してはオタクだと思っています。生地や縫い目などの細部にも注目します。限定品やビンテージに目がないので、デッドストックなどもすごく好きです。古着屋に行って、デニムを眺めている時間が至福の時なんです。持っているデニムの本数は、10本程度と多くはないのですが、1本ずつ時間をかけて自分のラインや好みに合うように育てていきます。特に、生デニム(未加工のデニム)を育てるのが好きで、ポケットに財布や手の跡を付けたり、徐々に色褪せていく感じがたまらないです。 ーー金田が全裸でプールに飛び込むシーンも印象深かったです。 健太郎:プールのシーンは、金田の芯の部分や本質が見える場面なのでお気に入りです。撮影は、手前と奥で深さが違うプールで行われたのですが、僕はそのことを知らなくて……。監督に「思いっきり飛んでくれ」と言われていたので、気合を入れて全力で飛んだのですが、想像していたよりもずっと浅くて、お尻を強打しました。アドレナリンのせいか、演技中は平気でそのまま芝居を続けたのですが、終わった後は痛かったです。 ーー金田の男気を感じるシーンでしたね。 健太郎:でも、実は暴走族が来たときに、金田はタカシを盾にしているんですよ(笑)。その暴走族と取っ組み合いになるシーンも好きです。女性の胸を揉むためだけに、みんなで本気になって向かっていく姿が良いですよね。中学生ならではの感情や、青臭さを象徴している場面だと思います。 ーーあのシーンは人が入り乱れて大変そうでした。 健太郎:暴走族役の方たちが、どうやってタカシの顔をぐちゃぐちゃにしようかと、試行錯誤していたそうです。監督やスタントの方たちも、「鼻の穴に指を突っ込んじゃって」ってアドバイスをしていました。みんなでタカシの顔を引っ張ったり、鼻の穴に指を突っ込んだりしているのを横目に、僕たちは「いけー! タカシ!」って叫んでるんですよ。実は、あのシーンは何回も撮り直していて、毎回全力で挑んでいたのでみんな声を枯らしながら、タカシを応援していました。すごく熱いシーンに仕上がっていると思います。 ーー思春期特有のジレンマや自分に対する悩みなど、すべて詰まった映画だと思います。 健太郎:みんな、自分の中にキライな自分がいる。そういう部分と向き合える作品だと思っています。あと、登場人物一人ひとりに中学生らしいバカっぽさがあるので、そこも愛らしく感じていただけるはずです。作品を観終わったあとは清々しさが残る、爽快な作品です。(戸塚安友奈)

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