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児童虐待をしてしまう心理と、予防のためにできること

All About のロゴ All About 2017/06/04

児童虐待をしてしまう人の心理や背景の傾向とはどのようなものでしょうか。虐待に発展してしまう可能性を感じたとき、当事者である父親、母親、周りはどう予防すべきかを解説します。 © AllAboutMedical 提供 児童虐待をしてしまう人の心理や背景の傾向とはどのようなものでしょうか。虐待に発展してしまう可能性を感じたとき、当事者である父親、母親、周りはどう予防すべきかを解説します。

児童虐待とは

子どもを取り巻く事件が頻繁に報道されるなか、子どもの安全に不安を抱く人は少なくありません。誘拐や殺傷事件だけでなく、「児童虐待」もまた大きな社会問題のひとつです。

では児童虐待の具体的な内容とは、どんなものでしょう?「児童虐待防止法」では、保護者によって行われる以下の4つの行為を「児童虐待」と定義しています。

■身体的虐待

殴る、蹴るなどの暴力 タバコの火などを押しつける 逆さづりにする 冬戸外に長時間しめだす など

■性的虐待

性的行為の強要 性器や性交を見せる ポルノグラフィーの被写体などにする など

■心理的虐待

無視、拒否的な態度 罵声を浴びせる 言葉によるおどかし、脅迫 きょうだい間での極端な差別扱い ドメスティック・バイオレンス(配偶者に対する暴力)を行う など

■ネグレクト(養育の放棄又は怠慢)

適切な衣食住の世話をせず放置する 病気なのに医師にみせない 乳幼児を家に残したまま度々外出する 乳幼児を車の中に放置する 家に閉じ込める(学校等に登校させない) 保護者以外の同居人による虐待を保護者が放置する など

(参考:『みんなの力で防ごう児童虐待』(東京都リーフレット))

虐待が子どもの成長に及ぼす悪影響

こうした児童虐待を受け続けると、子どもにはどんな影響が現れるのでしょう。ひとつには、身体の発達が遅れる可能性があります。ネグレクトによって、十分な食事が与えられずに栄養不足になると、身体が十分に育ちにくくなります。また、「愛情遮断症候群」といって、愛情が不足することによって低身長になる場合もあります。

また、心に大きなダメージを受けて情緒不安定や抑うつ状態になったり、心の傷がトラウマとなって自己否定感を強く持ったり、何かに強く依存したりと、その後の人生に色濃く影響を及ぼすことも少なくありません。

虐待してしまう心理……虐待が多い家庭状況とは

では、いったいどんな人が児童虐待をしてしまうのでしょう。東京都保健福祉局の『児童虐待の実態2』(平成17年)によると、虐待が行われた家庭の状況は、以下のような順になっています。(1~5位のみ記載)

1位 ひとり親家庭

2位 経済的困難

3位 孤立

4位 夫婦間不和

5位 育児疲れ

この家庭状況からも、家族の支援を受けられず、また周囲から孤立して孤独のうちに育児をしているなか、そのストレスに押しつぶされ、子どもにストレスをぶつけて虐待に至ってしまうというケースが多いように思われれます。

とはいえ、こうした「追いつめられた末の虐待の危機」は、円満な家庭環境で育児をしている人の中にも、心当たりを持つ人は多いのではないでしょうか? たとえば、疲れがたまっていると子どもを叱るときの語気が強くなったり、いつもは気にならない子どもの行為にヒステリックに反応してしまう――こうしたことから、虐待の危機を予感し、我に帰った人は少なくないと思います。

虐待は、「ある特別な状況に置かれた人」が行う行為だと限定されるものではありません。幼い子どもの心は、自分本位な欲求のかたまりです。そうした幼い子どもの欲求に対応し、子どもと密着して生活しているうちに精神的に追いつめられ、湧いてくる不満や怒りをどう処理していいのかわからなくなる――こうしたことから、自分でも気がつかないうちに虐待的行為へと向かってしまうこともあります。

とはいえ、虐待はけっして放置してはいけないものです。虐待によって与えられる傷は、子どもに深いトラウマを残し、健全な心身の発達に影響を及ぼしてしまうからです。

悩んでいる人は「一人にならない、一人にしない」

虐待をしてしまいそうな危機を感じたら、悩みをけっして一人で抱え込まないことです。まずは、自分の話を批評・批判しないで真剣に受け止めてくれる人に、心情を聴いてもらいましょう。

また、自治体の保健センターや子育て支援センターに相談すると、地域のさまざまなサポート資源を紹介してもらえます。地域の子育てサロンやおしゃべりの会などに参加することで、少し気持ちが楽になり、虐待の危機に気づくことができたという人はたくさんいます。

虐待予防に大切な「周りの気づき・児童相談所への通告」

もう一つ大切なのは、虐待が発生してしまう前に、周りにいる人が「虐待に近づきそうなサイン」に気づくことです。育児に悩み、思い詰めている様子が見られる、笑顔が見られなくなった、サポートをかたくなに拒む、子どもに元気がない……。こうしたサインが見られたら、ぜひその人に近づき声をかけてください。その際には、その人のことを否定的に捉えたり説教をしたりせず、やさしく受容的に語りかけ、そして最後まで話を聴くことです。そのうえで、一緒に解決していく道を考えたり、地域の相談窓口を調べて紹介するなどして、解決の糸口をさぐっていくといいでしょう。

また、周囲がサポートできない場合などには、児童相談所への通告が必要なケースもあります。まずは匿名でも相談に乗ってもらえますので、心配なケースに関してはためらわずに連絡をし、助言や援助を求めていきましょう。

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