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冬休みパワーで『妖怪ウォッチ』1位に返り咲き! 「子供向け正月映画」の変遷とその傾向

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/01/12 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 学生にとって冬休み最後の週末となった先週末、『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』が前週5位からいきなり1位に返り咲いた。土日2日間の動員19万4400人、興収は2億2500万円。動員2位の『バイオハザード:ザ・ファイナル』は興収2億8600万円と、興収では『妖怪ウォッチ』を大幅に上回っていることからも明らかなように、その観客の大半は子供たちとその付き添いの親だった。 参考:『君の名は。』驚異のトップ3返り咲き! そして中国に続いて韓国でも初登場1位の快挙!  子供のいる親だったら痛感していると思うが、公立学校の冬休みは近年増加の傾向にあり、去年から今年にかけての、都内の多くの小学校の冬休みは天皇誕生日の12月23日から成人の日の1月9日までと、実に18日間という夏休みの半分近い長さだった(70年代生まれの自分が小学生の頃は、せいぜい12日間前後だった)。一般企業の正月休みが開ける4日、もしくは5日以降の数日間は子供が時間を持て余しがちで、そんな親、子供たち双方にとっての「魔の1週間」にあたったのが先週末の興行だった。実際、新学期が始まった1月10日以降、『妖怪ウォッチ』の動員は極端な減少率を見せている。  子供向け正月映画として『妖怪ウォッチ』がここまで一人勝ちするなら、他にも作品があってもいいように思えるのだが、2014年以降、ここ3年間の正月興行では『妖怪ウォッチ』が強すぎて、他の子供向け映画の有力作品が避ける傾向が続いている。今年の正月映画でいうと、12月10日という正月興行が本格化する一足前のタイミングで『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』、『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴースト with レジェンドライダー』が公開されていたが、その1週間後に『妖怪ウォッチ』が公開されてからは完全に動員ランキングでは脇役に。対抗馬としての役割を果たすには至らなかった。  ちなみに『妖怪ウォッチ』の映画作品がスタートする以前、つまり2013年以前の子供向け正月映画を振り返ってみると、現在まで毎年公開されている『仮面ライダー』シリーズのほかに、2013年は『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』が、2012年は『ONE PIECE FILM Z』と『映画 妖怪人間ベム』が、2011年は『映画 怪物くん』が、2010年は『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が好成績を記録している。ここから読み取れる傾向は二つ。近年、冬休みの子供向け映画の定番は、実は『妖怪ウォッチ』以前は『仮面ライダー』しかなかったこと。そして、2011年まで正月興行に子供客を想定した実写映画を配給していた東宝が、2013年以降それに該当する実写映画を配給していないことだ(今回の『妖怪ウォッチ』は実写も取り入れているので、その系譜が一部復活したという見方もできるが)。  ここまで3年続けて好成績を残して、今年末には4作目の公開も決定している『妖怪ウォッチ』だが、すでに多くの人も指摘しているように、シリーズとしてのパワーは年々目減りしている。今年の正月の『ローグ・ワン』が昨年の正月の『フォースの覚醒』ほどには子供客を集客できていないという事情もあるが(今年12月公開の『スター・ウォーズ』エピソード8で子供客が戻ってくるかどうかは未知数だ)、今年の年末あたり、そろそろ『妖怪ウォッチ』以外の子供向け正月映画の有力な対抗馬が出てきてもいい頃かもしれない。(宇野維正)

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