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副業や一人社長の強い味方、割安に雑務“以上”をこなす秘書サービスを受けるためには?

サイゾー のロゴ サイゾー 2014/05/29 Cyzo

 日本のほとんどの企業は、中小企業どころか小規模事業者です。2012年の中小企業庁の調査によると、全事業者386万のうち、実に86.5%にあたる334万社が小規模事業者となっています。

 ここでいう小規模事業者とは、中小企業基本法の定義であり、製造業その他で従業員20人以下、商業・サービス業で従業員5人以下の企業者のことをいいます。こうした企業の社長は、名刺では「社長」と名乗っていても、その場合多くはプレイングマネージャーであります。つまり、監督兼選手なのです。また、たとえ「株式会社」といっても、現在の会社法においては一人でつくることもできるので、社員が一人しかいない状況かもしれません。

 したがって、東証一部上場で全世界に数万人もの従業員がいる「社長」もいれば、たった一人で世界に立ち向かおうとしている「社長」もいることを忘れないでください。

 ここで、やはり「社長」の醍醐味といえば、秘書です。綺麗で有能な美人秘書をそばに従えてスケジュールをたずねたり、出張の予約の手配をしてもらったりするのが世間のイメージの中の社長像であるはずです。あの人気漫画『島耕作』(講談社)の中にも、多数の秘書が登場し、さまざまな役割を担っています。

「社長」になり、一国一城の主となった以上、秘書を雇うことが必要になります。それは半分冗談だとしても、一人社長の1日は忙しいのです。電話対応、メール対応、請求書送付、クレーム対応、営業先へ挨拶、お礼状を書く、外注業者との対応、それに加えて将来の飯の種となるような戦略的なことを考える時間も必要です。1日が24時間では文字通り足りないのです。

 本当は、戦略的な仕事に時間を割きたいはずです。つまり、緊急性はさほど高くないにせよ将来のリターンにつながるような重要な仕事に、社長の時間を割くことが理想です。しかし、一人でやっている以上、そんなことも言っていられません。会社を回していくためには、一人であっても想像以上に雑務が発生します。ちょっとした書類、ちょっとした発送、ちょっとした連絡、ちょっとしたメールなど、時間がどんどんなくなっていきます。

 では、「秘書の求人でも出してみるか」と思いますが、よく考えてみると問題点があります。フルタイムで人を雇う金銭的余裕なんか、あるわけありません。正社員で雇うことはかないません。確かに、1日かかるほどの仕事が日々あるわけでもありません。1日1時間分くらいでいいので、この雑用をこなしてくれると助かります。

●アルバイトの問題点

 となると、スポットでアルバイトに頼むことになるのでしょうか? 知り合いのつてをたどって学生に頼むのもありかもしれません。今の学生なら、特に教えることなくWordが使えて、Excelも使えて、当然メール業務なんかも簡単にこなしてくれるはずです。時給も頑張って出せば、ちゃんと応募があるのではないかと思い、さっそく募集をかけてみようかとクリックした時に1つの問題点が浮かびました。

 一人社長の場合、自宅兼事務所ということも少なくありません。または、どこかに会社は間借りなどで置かしてもらってはいるけれど、普段の業務は自宅やカフェでやっているというケースも多いでしょう。  そんな場合、どうやって秘書を雇って仕事をしてもらえばいいのでしょうか? 一緒にカフェに来て仕事をしてもらうのでしょうか?

 こんな狭苦しい小汚い部屋に、秘書が来てくれるわけありません。とすると、一人社長の状態だと、社長秘書に出会うことはできないのでしょうか。せっかく、リスクを背負って独立し、一国一城の主となり、これから世界に打って出ようという時なのに、理想とした社長像には、まだまだ到達できないのでしょうか。

 こういう悩みを解決するサービスがないものかと探してみると、求人情報ばかりに行き着きます。ある程度のスキルを要求すると、それなりに時給を払う必要があることがわかります。それは当然のことなのでいいのです。でも、一人社長は、家に秘書を呼ぶことができません。でも、雑用が、今この瞬間にもたまっていきます。逆説的ですが、とはいえ、1日何時間分も雑用があるわけでもありません。

 結局それを解決するためには、スポットで業務を頼める秘書じゃないと困ります。そして、私の部屋に来なくても業務をこなしてくれる秘書でないといけません。こうなると、結局外注先とどう違うのだということにもなりますが、例えば以下のようなSOHO(小さなオフィスや自宅などでビジネスを行っている事業者)を探すサイトや、クラウドソーシング(不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態)のサイトをみると、「秘書」や「アシスタント」という項目があります。

・ランサーズ・クラウドワークス

 しかし、これらのサイトは、どうしてもスキル別にカテゴライズされています。たしかに、ピンポイントで特定の業務を依頼したい場合に、外注先として誰に頼んだらいいのかわからない場合には、クラウドソーシングのサービスは便利かもしれません。スポットのデザインやコーディングなどは、いつも発生するわけではないけれど、時々出てくるわけです。

 そんな場合、常時雇用するわけにもいきませんし、突然その業務をこなせる人材を確保できるとも限りません。しかし、通常、一人社長の頼みたい仕事は、メール書きであり、Word作業であり、リサーチであり、予約でありと、やはり「秘書」「アシスタント」と呼ぶしかないような業務なのです。

●パーソナルアシスタントサービスの「Kaori-san」

 そういう縛りで探していくと、一人社長のニーズにマッチするオンラインサービスがあります。ランドラッシュグループが提供する「Kaori-san」というオンライン「パーソナルアシスタント」サービスです。同社はこのサ―ビスを次のように説明しており、まさに一人社長にはうってつけのサービスかもしれません。

「毎日、済ませなければいけないことがたくさんあります。あなた一人で全部やろうと思わないでください。Kaori-sanはあなたの生活をシンプルにするためのサービスを提供しています。たまにしか使わない人にも手が届く料金で、スキルを持ったビジネス秘書・パーソナルアシスタントサービスを利用できるようになりました」

 料金は月額固定で4980円、8980円、1万4980円の3プランが存在し、それぞれで1カ月内に依頼できる案件数が異なっています。実際にヒトを雇うより安く済むことは確かでしょう。それに、どれだけ業務が発生するかわからない以上、最初から時給制でお願いするよりリスクは低いといえそうです。

 実際の依頼内容としては、「来週水曜日に港区内で予算内に収まる写真スタジオを探してくれ」「空港行きタクシーを予約して自宅まで手配してくれ」「札幌駅近くで靴磨き可能な店を探してくれ」「一番安いMacBook Airを送料込みで探してくれ」などが挙げられています。

 つまり、主に「雑務」とも呼べるリサーチ業務をアシストしてくれるサービスのようです。「私たちは、電話・Eメール・インターネット・FAXでできることならどんなことでも承ります」ということですので、実際に現場に行かないでできる雑用はやってくれる仕組みです。また、決済が関連する内容、例えば「チケットの手配」「商品の手配」についても一定の手数料がかかりますが、可能になっています。Kaori-sanが料金を調べて利用者のOKが出れば購入します。その後、登録されているクレジットカードに商品・チケット・サービスなどの料金と、その15%を手数料として請求するという流れになっています。

 この手数料が高いか安いかは、それぞれの価値観により一概にいえません。とはいえ、ホテルやレストランの予約などは、お店の決め打ちの場合には、さほど悩むことはありませんが、「そもそもどこにしたらいいのだろうか?」から始めると、検索しているだけで相当時間を食ってしまうのは確かです。筆者も、懇親会の幹事などをやる場合には、いくつも候補を挙げては比較したりしているうちに、すぐに30分、1時間と時間が過ぎていきます。ひどい場合には、「あぁ、こんな店もあるんだ」とか、最初の目的を半分くらい忘れて、自分が知らない店探しになっていることもよくあります。それを考えると、Kaori-sanに1本メールを投げれば、候補を絞って返してくれるので、無駄な時間、余計な時間を使わないで済むということになりそうです。  実際、ある駅周辺で「夕食で、子供がいる団体で使える居酒屋以外のレストランをピックアップしてください」とリクエストしたら、5件ほど絞ってくれました。オンラインで検索していると思われますので、「自分でググればいいじゃないか」と思う人もいるはずですが、その一方、面倒くささの解消と余計な時間を消費しなかった満足度は高いと言えます。一人社長が、その24時間を最大限自分の得意分野に集中させるために活用するのはありです。  ただし、Kaori-sanは、正直なところ誰が調べているのかはわかりません。また、あくまでオンライン+電話、FAXでできる範囲の業務だけです。それ以上の例えば、郵便物の整理とかセミナーの運営とか、常時発生するようなカスタマーサービスとしての返信などはお願いできません。また、入金のチェックとそれに伴うお礼の連絡などは、やはり顔が見える「秘書」「アシスタント」にお願いしないと不安が残るように感じます。そして、もっと業務が発生するようになると、リクエストベースの秘書ではコストパフォーマンス的にもあまりよくないでしょう。

●在宅秘書サービス

 するとやはり、リアルな秘書を探すしかありません。とはいえ、自宅兼事務所に秘書に来てもらうわけにはいかないので、そこを解決するためには、在宅で業務をやってくれる人を探すことが必要になりそうです。そして、その在宅ワーカーとは、定期的に打ち合わせできることが必要です。まさにそれに合うサービスが在宅秘書サービスです。

 このサービスの代表的なものとしては、NPO法人ウーマンキャリアデザインが運営する「在宅秘書サービス」があります。これは、起業家やスモールビジネスの経営者に対して、もともと総合職的な高度なお仕事をバリバリとされていた優秀な女性をご紹介し、在宅勤務というスタイルで働いていただく環境を提供しています。結婚や出産を機にキャリアを中断せざるを得なかった方を集め、その方が在宅のまま、自分のスキルを生かして収入を得ていく道筋を付けているものです。秘書を必要とする側も、できれば前職の経験を生かした業務を依頼すれば話が速く、高品質な結果が出るはずですから、どちらもうれしい仕組みです。

 このサービスの場合、サービスに申し込むというわけではなく、人物を採用するという形になります。したがって、雇用側が希望すれば、実際に面談をしてから採用決定することも可能です。リアルにその秘書とはつながりをつくれることになりますから、オンラインだけでは済まない業務や、より秘匿性の高い業務をお願いする可能性もありえます。例えば、「会社にかかってきた電話に、代わりに在宅勤務スタッフによる応対」「資料請求があった時に、代わりに送付」「商品の申し込みがあった時に、代わりに入金確認や発送」「請求書や領収書の送付」「銀行口座への入金確認もやってもらい、その確認直後に、即、商品を発送」などが考えられます。

 当然、個別に業務を依頼することになりますから、コストはオンラインベースのアシスタントよりもかかります。ただし、時給ベースでの契約からスタートすることがほとんどなので、正社員雇用よりはコストを抑えながら業務をお願いできそうです。時給は、その秘書のスキルによりさまざまですが、派遣社員の秘書程度にはかかるようです。当然、ウェブの制作などができるようなスキルを持っている場合には、そこそこ高い時給が必要になってくるわけです。

●必要性増す、秘書紹介サービス

 おそらくこれらアシスタントサービス、秘書紹介サービスは、これからも必要とされるものになるでしょう。

 その理由の一つは、政府自体が起業数を増やすように推し進める政策をとっているからです。長年日本の起業数は諸外国に比べて少ないといわれてきました。昨今では、開業数よりも廃業数が上回る状態で、放っておけばどんどん事業者は減っていきます。仕事をして稼いでいく人が減るということは、雇用される人も減りますし、税収も減るわけですから、国の将来として良いことはありません。そのため、創業補助金をはじめとして、あの手この手で起業する人を増やそうとしています。

 また、既存の企業側も、昔ほど副業に対して厳しい目を光らせなくなっているともいえます。書店に行っても、副業本の棚にはさまざまな種類のビジネスを勧めるモノがあります。転売、アフィリエイト、ライター、輸入、輸出、週末起業などなど。  起業して組織づくりが必要なほどに大きくなる人は一部です。やはり多くは一人、または少人数で運営されていく事業がほとんどでしょう。そうなった時には、専業であってももちろん、副業ならなおさら時間に追われることになります。すると、その業務遂行のためにも、スポットで外注・アシスタントを活用する、オンラインサービスの秘書にリサーチを依頼する、はたまた、在宅の秘書にルーティンワークをお任せする、というやり方が必要になってきます。

 たとえ企業勤務者であったとしても、副業をする機会が増え、あるいは、やむを得ず副業をせざるを得ないなら、社外の力をどう活用するかという視点が必要です。いわば、いかに自分がやらないか、裏を返せば、自分が得意な業務にどれだけ集中できる時間をつくり出すのかがキーポイントになります。その際、外部の力をどう活用するかを考えておけば、あなたは稼ぐことに神経を集中できるようになるでしょう。

 さらに、こういう場を求める側の事情も作用しています。待機児童の問題も背景にあり、子供が小さい間は日中家を空けることができないけれど、キャリアを中断したくない、できればすこしでも稼ぐ状態を続けておきたいと希望する女性は多いでしょう。そういう方が在宅でできる多様な働き方へのニーズも、高まっていくはずです。

 やがて、あなたがどんどん稼いで忙しくなり、あなたの会社が一人社長だけでは回らなくなり、人材が増えていく過程において、正社員としての秘書を雇う日がやってくることになるかもしれません。(文=藤原実/藤原実税理士事務所所長、内閣府所管 公益財団法人 生涯学習協議会認定ビジネスモデル・デザイナー)

※画像は「在宅秘書サービス 公式サイト」(運営:NPO法人ウーマンキャリアデザイン)より

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