古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

北朝鮮の弾道ミサイルが襟裳岬沖の太平洋に落下

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2017/08/29 13:21
北朝鮮の弾道ミサイルが襟裳岬沖の太平洋に落下: (AP Photo/Shizuo Kambayashi) © ITmedia NEWS 提供 (AP Photo/Shizuo Kambayashi)

[AP通信] 北朝鮮が8月29日、首都平壌の近くから弾道ミサイルを発射した。ミサイルは北海道上空を通過し、太平洋上に落下。いつにも増して挑発的な今回のミサイル発射は、緊迫した情勢が続く朝鮮半島近隣地域に大きな波紋を広げている。

 韓国軍の合同参謀本部は声明で、ミサイルは北海道上空を通過し、約2700kmを飛行、最高高度は550kmに達したと発表。韓国軍は現在、米軍と共同で今回のミサイルについて詳しく分析中であり、北朝鮮からのさらなる挑発に備え、監視と警戒を強化したという。

 日本政府は、船舶などへの被害は報告されていないと発表。NHKは、ミサイルは3つに分裂して落下したと報じている。安倍首相は記者らに対し、「国民の生命を守るため万全を尽くす」と語った。

 北朝鮮は今年に入り異例のペースでミサイル発射を繰り返しているが、ミサイルを発射するごとに「米国を確実に攻撃できる核ミサイルを完成させる」という最終目標に一歩ずつ近付きつつあることから、米国とそのアジアの同盟国には動揺が広がっている。アナリストの中には、北朝鮮はドナルド・トランプ米大統領の最初の任期が終了する2021年1月までにこの目標を達成すると考える向きもいる。29日のミサイル発射の数日前には、北朝鮮は短距離弾道ミサイル3発を日本海に向けて発射。7月末には2度目の大陸間弾道ミサイル発射実験も実施しており、アナリストは「完成すれば北朝鮮のミサイルは米国本土に到達可能である」との見方を示している。

 現在、米軍と韓国軍は定例の合同軍事演習を実施中だ。この合同軍事演習に反発し、期間中、兵器の実験で応酬したり、国営メディアを通じて韓国と米国に挑発的な発言を繰り返したりするのは北朝鮮の常だ。だが先日トランプ大統領が北朝鮮に対し、これ以上米国を脅かすなら「北朝鮮は炎と怒りに直面することになる」と警告したことを受け、北朝鮮は反発を強めており、太平洋上の米領グアムに向けてミサイル数発を発射する計画を検討中であることを明らかにしている。

 韓国軍の元高官で、現在は慶南大学の極東問題研究所に所属する軍事専門家のキム・ドンヨプ氏によれば、早期の飛行データによると、今回北朝鮮が発射したミサイルは「火星12」の可能性があるという。北朝鮮が最近グアム周辺への発射を予告していた新しい中距離ミサイルだ。キム氏によれば、あるいはミサイルは「ムスダン」か「北極星2号」の可能性もあるという。ムスダンは最大射程が3500kmに達するとされ、アジア太平洋地域の大半を射程に収める中距離弾道ミサイル。北極星2号は、液体燃料ミサイルよりも短い事前準備時間で迅速かつ秘密裏に発射できる固体燃料ミサイルだ。

 北朝鮮は1998年8月に初めて日本列島に向けてロケットを発射。発射地点となった村の名前に因み、国外の専門家から「テポドン1号」と呼ばれるこの多段式ロケットは約1500kmを飛行。日本の上空を通過した後、太平洋に落下した。北朝鮮はその後、この発射は人工衛星を打ち上げるためだったと発表している。

 北朝鮮は2009年4月に再び日本に向けてロケットを発射し、これについても「人工衛星の打ち上げ用」と発表した。北朝鮮は当時、この衛星の打ち上げは成功したと発表したが、米国の北アメリカ航空宇宙防衛司令部によれば、そのような人工衛星は確認できていないという。国際連合は北朝鮮による衛星の打ち上げについて、「国連決議で禁止されている長距離ミサイル発射技術を実験するための口実だ」と強く非難する声明を再三発表している。

 北朝鮮は常々、米韓合同軍事演習について「侵略の予行演習だ」と非難している。ただしアナリストによれば、財政難に苦しむ北朝鮮には、費用のかかる軍事訓練と兵器実験での応酬を強いられることへの怒りもあるという。米韓は合同軍事演習について、「防衛的な訓練であり、北朝鮮による攻撃への反撃を想定したものだ」と説明している。

 北朝鮮のチャ・ソンナム国連大使は今年3月、朝鮮半島が「一触即発の状態」にあるタイミングでの米韓合同軍事演習は「挑発的で攻撃的だ」と、強く非難する書簡を公開している。

(日本語翻訳 ITmedia ニュース)

(C) AP通信

ITmedia NEWSの関連記事

image beaconimage beaconimage beacon