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古いスマホとNASで監視カメラシステムを構築する

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2016/12/26
古いスマホとNASで監視カメラシステムを構築する: ASUSTOR NASで監視カメラシステムを構築してみる © ITmedia PC USER 提供 ASUSTOR NASで監視カメラシステムを構築してみる

 現在では一人暮らしや共働きなど、日中無人となる家庭は珍しくなくなった。その上、地域の排他的コミュニティが犯罪抑止力ともなっていた昔の牧歌的な時代とは異なり、児童への声かけ事案など、一部を除いては近隣住民の目による犯罪防止は期待できない状況となっている。そのため、自衛のための防犯対策は必須と言えるだろう。

 防犯対策として施錠は当然としても、それだけで十分かと言えば決してそんなことはない。サッシによく使われているクレセント錠、玄関ドアのシリンダ錠、サムターンなど、ぜい弱性が指摘されていながらまだまだ広く利用されているものは多い。賃貸住宅の場合は危険性を理解していても賃借者では契約上、手を出せないこともある。さらに1階の部屋であればベランダからサッシのガラスを破壊して侵入するのも簡単だ。実際、筆者が空き巣被害に遭ったときは、同じアパートの1階の居住者、4世帯すべてがサッシガラスを割られて侵入されていたくらいだ。

 考えられる被害は自宅内の窃盗に限らない。夜間に自宅前に置いた自転車が盗まれたり、駐車場の自家用車にいたずらされる、というようなもの、あるいは近隣トラブルによる住人不在時の嫌がらせもあるだろう。大事に育てていた花が荒らされる、庭にゴミを投げ込まれる、玄関前にいつも犬のフンを残していくなど、現場を押さえられずに歯がゆい思いをしている人もいるかもしれない。そういう場合には監視カメラが有用だ。

 だが、監視カメラを導入するとなるとそれなりに大がかりになる場合もある。24時間365日、録画し続ける機能が求められるのは当然だが、いつかはストレージ容量が足りなくなる。古い映像データを定期的に消す仕組みも必要だ。証拠として撮影するだけではなく、なにか異変があったときに即座に通知を行うような仕組みまで考えると、費用もかなりかかってしまうだろう。そこでASUSTOR NASを使った監視カメラシステムはいかがだろうか。

 ASUSTOR NASのSurveillance Centerはネットワークカメラを統合管理する、ASUSTOR純正アプリケーションだ。管理できるネットワークカメラの台数はAS10シリーズの8台からAS7シリーズの49台まで、モデルによって異なる。ネットワークカメラ4台分のライセンスが同梱されているので、通常利用であれば無料利用の範囲内で十分だろう。

●Surveillance Centerのセットアップ

 Surveillance Centerに対応しているネットワークカメラはASUSTORの互換性ページで確認できる。日本のブランドだとバッファロー、キヤノン、パナソニック、ソニーなどが挙げられている。また、ここに掲載されていないメーカー、モデルの製品であってもRTSPプロトコルに対応した製品であれば利用できる可能性が高い。すでにネットワークカメラを持っている人は仕様を確認してもらいたい。

 Surveillance CenterはApp Centralからインストールする。ADMに管理者権限でログインし、App CentralからSurveillance Centerのインストールボタンを押せば、後は指示に従って進めていけばよい。Surveillance Centerは保存用フォルダとしてSurveillanceを使用するが、これはインストール時に自動的に作成されるので事前に作成しておく必要はない。

 インストールが完了したらSurveillance Centerの設定を行っていこう。専用アプリケーションのインストールを行い、Surveillance Centerに接続できるようになったら設定メニューからクイックスタートをクリックすれば一通りの設定が完了するようになっている。Surveillance CenterはADMからアイコンをクリックするほか、ASUSTOR Control Centerのサービスメニューからも起動することができる。

 もし、ネットワークカメラが接続されているにも関わらず、見つからなかった場合には手動で追加を行う。カメラのモデルは選択肢から選ぶようになっているが、もし、選択肢にない場合は同じブランドの近いモデルを選ぶとうまくいくかもしれない。それでもダメな場合や、そもそもブランドが選択肢にない場合などは直接設定を行う。

 ブランドに「User-Defined」を選択すると直接設定が可能になる。モデルには映像の送信方法として「Generic MJPEG」「Multiple RTP over RTSP (TCP)」「RTP over RTSP (TCP)」「RTSP and RTP over HTTP」のいずれかを選択する。試してみた限りでは「Generic MJPEG」だとライブビューはできるものの、記録はできないようだった。音声もサポートされないので、RTSPのいずれかの方式が使えるネットワークカメラのほうがよさそうだ。

 カメラが追加できたら次に「記録」ボタンをクリックして記録時間帯を設定する。各曜日、30分ごとにどのような記録、アラームを行うかを指定することができる。連続記録は通常の録画を行う。「動き記録」はカメラが動体を認識したとき、「アラーム記録」はカメラのアラーム機能によってなんらかのイベントが発生したとき、「動きとアラーム記録」はそのいずれかが発生したときに録画を開始する。動き記録やアラーム記録に対応していないカメラの場合は連続記録しか選択できない。

 ディスクの利用制限などを設定すればひとまずは設定完了。クイックスタートで設定した内容はあとで設定メニューのカメラから変更することができる。ただし、カメラのモデルなどを変えることはできないので、その場合はいったん元のカメラを削除してから改めてカメラを追加する。

●スマートフォンをネットワークカメラ代わりに

 ネットワークカメラを持っていない方でも、スマートフォンをネットワークカメラ化するアプリが利用できる。ここではAndroid用アプリ「RTSP Camera Server」を使った場合について説明する。

●【重要な注意事項】

 RTSP Camera Serverは認証機能がなく、ネットワーク内に映像・音声が垂れ流しになる。盗撮カメラと化してしまわないよう、実際に運用する場合は認証機能を持つ同等のアプリを探す、撮影内容をよく吟味するなど十分注意してもらいたい。

 RTSPはReal Time Streaming Protocolの略で、ストリーミングを制御するためのプロトコル。実際の映像・音声データは一般にRTP(Realtime Transport Protocol)が使用される。RTSP Camera ServerはRTSPとRTPを使用するので「RTP over RTSP (TCP)」を選択すればよい。

 「新しいカメラの追加」画面にあるポートは設定画面にアクセスする場合のポートだが、RTSP Camera Serverでは利用できないのでそのままにしておく(空欄にはできない)。RTSPパスには「/camera」、RTSPポートは通常は554を使用するが、RTSP Camera Serverはデフォルトで「5554」を使用する(変更は可能)。使用されるカメラはRTSP Camera Serverで設定したものになるが、RTSPパスに「/front」を指定すればインカメラ、「/back」を指定すれば背面カメラが使用される。モデルに「Multiple RTP over RTSP (TCP)」を指定して、両方のカメラを個別チャネルとして設定することも可能だ。

 「テスト」をクリックし、緑のチェックマークが出たらカメラが正常に接続できている。RTSP Camera Serverの場合、プレビュー画面は表示されないものの、ライブビュー、記録ともに正常にできるので問題はない。

●実際に運用してみる

 設定が完了したらライブビュー画面に切り替えてみよう。接続されているネットワークカメラの映像が表示されるはずだ。パンやフォーカスに対応しているモデルだと右側のコントローラで操作できる。その他、スナップショット撮影、音声のミュートなども操作可能だ。

 録画した映像・音声データは再生画面で見ることができる。撮影した日、時間帯を選び、画面下部の再生ボタンを押すだけだ。再生速度は1/8倍から8倍まで設定できるので、短時間で確認することも可能だ。

 さらに便利なのがスマート検索機能だ。録画済みの映像からチェックすべきポイント(時間帯)を検出してくれるので、目視で全時間帯をチェックする必要がなくなる。検索モードには動きがあったことを検出する「動き検出」、なにか物体が出現したことを検出する「異物検出」、逆になにかがなくなったことを検出する「遺失検出」がある。例えば、不在時になにかがなくなったり、逆になにかが置かれたりしたとき、それがいつ起きたのかをすばやく検索することができる。

 なお、映像データはSurveillanceフォルダの下に1分単位で保存される。ストレージを食い尽くしてしまわないよう、保存する上限の日数やストレージサイズを指定しておこう。単に削除してしまうのではなく、1年以上経過したものは光学メディアなどにエクスポートしてしまう、というのも手だろう。

●プライバシーには十分注意を

 防犯という目的があるにしても、撮影された映像については取り扱いには注意が必要だ。家庭内での撮影だと家人にあらかじめ目的と撮影内容について同意を取っておくことも必要だし、屋外に向けて撮影する場合は隣家のプライバシー侵害にならないよう、設置方向や撮影範囲を十分検討すべきだろう。

 また、設定が甘く、インターネットから誰でも見ることができる監視カメラも多数ある。トラブル対策として導入した監視カメラシステムによって、自他問わずプライバシーの漏えい問題を生んでしまうことがないよう、運用には十分注意を払ってほしい。

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