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声優・石田彰『昭和元禄落語心中』の七変化ーー青年、老人、女役までこなす“神業”に迫る

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/01/19 株式会社サイゾー
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 昨年のアニメ放送が大きな話題を呼び、早くも2期の放送がスタートした『昭和元禄落語心中』。先日発表されたドワンゴの声優総選挙では、二代目助六役を演じた山寺宏一が1位、1期の主人公・八代目八雲(菊比古)役の石田彰が2位をマークするなど、人気と実力を兼ね揃えた豪華声優陣が集う。 参考:『南鎌倉高校女子自転車部』は『弱虫ペダル』に続くか? アニメ業界を取り巻く2つのブームを考察  林原めぐみと椎名林檎がタッグを組んだオープニングテーマも話題となった本作だが、1期の放送では、主役を演じた石田彰の演技がとりわけ好評を博していた。  長いキャリアを持つ石田が演じた代表的キャラといえば、『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲルが真っ先に思い浮かぶ。エヴァでの渚カヲルが、物語のキーパーソンとなる「最後の使徒」だったように、石田はこれまでにも、ストーリーの鍵となるミステリアスな役柄を数多く演じてきた。そのため、石田のイメージについて、ファンからは「ラスボス」「黒幕」などと声が挙がることも多い。  また、渚カヲルしかり、昭和元禄の菊比古しかり、ユニセックスな雰囲気のある男性というのも、石田が十八番とする役どころだ。95年放送の『美少女戦士セーラームーンSuperS』で、いわゆる“男の娘”(女性のような要素を持つ男性キャラ)のフィッシュ・アイ役を担当した際は、男性とは思えない可愛らしいハイトーンボイスの演技が一躍話題となった。『昭和元禄』でも、菊比古が女形を演じたり、演目中に女性のセリフをたおやかに語るさまからは、中性的な役どころを得意とする石田ならではの色っぽさが溢れ出ている。  他の多くの声優と同じように、石田も黒幕キャラや中性的キャラなど、ある程度はハマり役に傾向がある。しかし、90年代のデビュー以降、現在に至るまで人気作品に引っ張りだこの石田は、声優の中でもとりわけ声色のバリエーションが多く、演じるキャラクターを選ばない。過去には、『富士見二丁目交響楽団』のドラマCDで1人7役をこなしたほか、スマホゲーム『チェインクロニクル』では40以上のキャラクターを担当するなど、声優界では伝説クラスの引き出しを持っているのだ。  石田は『昭和元禄』でも、1人の人間が青年から老人になるまでの年齢差を見事に演じわけた。しかし実は、老人である八雲は、石田が過去に演じたキャラクターの中では最高年齢だったという。「これはとんでもない仕事にぶち当たってしまった」と、石田自身も先行上映会の際に語っている(参考:コミックナタリー『昭和元禄落語心中』アニメDVD先行上映会レポート)。だがそもそも、現在49歳の石田が10代の青年を自然に演じていること自体、驚くべきことだろう。  『昭和元禄落語心中』といえば、作中でもしばしば描かれる落語シーンが見どころだ。与太郎役の関智一は落語経験者だが、石田も元々かなりの落語好きだったそうで、配役を決める際に開催された「落語オーディション」では、オリジナル台本での演目「死神」を披露したという。作中幾度か語られた「死神」だが、中でも、1期10話での石田の語りは特に神がかっていた。この放送回はファンの間でも話題を呼び、「(石田の演技は)アニメ声優の域を完全に超えた」とまで評されていた。青年から老人までを一人で演じわけ、落語もそつなくこなす。柔軟な演技が自慢のベテラン声優・石田だからこそ、若手にはおよそ真似のできない神業が可能だったのだろう。  現在の放送では、1期の冒頭から10年ほどの歳月が経ち、ロマンスグレーから白髪になった老人・八雲。二代目助六を失った喪失感からか、どこか人生を諦めたような哀愁が漂っているものの、相変わらず抜群の存在感を放っている。今回は「助六再び篇」ということで、八雲の出番は少ないだろうが、1期の「死神」を超えるよう石田の演技に遭遇できるか、少しばかりの期待を胸に、視聴を進めたい。(まにょ)

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