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大型ロケットFalcon Heavyの初打ち上げは危険

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2017/07/20
大型ロケットFalcon Heavyの初打ち上げは危険: ペイロードの比較(Image/ITmedia via SpaceX) © ITmedia NEWS 提供 ペイロードの比較(Image/ITmedia via SpaceX)

[AP通信] 米宇宙開発企業SpaceXのイーロン・マスクCEOは7月19日、同社の新しい大型ロケット「Falcon Heavy」の初打ち上げはリスクを伴い、失敗する可能性も非常に高いとの見方を示した。

 SpaceXの共同設立者であるマスク氏は19日、国際宇宙ステーション(ISS)研究開発カンファレンスで講演し、今年フロリダ州ケープカナベラルから予定しているFalcon Heavyの初打ち上げについて率直な見通しを語った。Falcon Heavyは従来の3倍となる3基のブースターと27基のエンジンを搭載し、それら全てを同時点火しなければならない。当初の打ち上げは無人での実施となる。「いざ人を乗せる段になって、最初に搭乗しようという人は、間違いなく勇敢だ」とマスク氏。

 SpaceXは2018年後半には、Falcon Heavyを使って民間人2人を有料で月の周回旅行に送り出す計画だ。

 自身は月への旅行を予定していないというマスク氏だが、聴衆からの質問に応じ、「3〜4年後くらいには、もっと小型のFalconロケットに乗ってISSに行きたい」と答えた。SpaceXは2018年半ばの始動を目標に、「Falcon 9」ロケットとカプセル型有人宇宙船「Crew Dragon」を使って米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士をISSに輸送する計画を進めている。現在SpaceXはDragon補給船でISSに物資を届けている。

 壇上でマスク氏と対談したNASAのISSプログラム担当マネジャー、カーク・シャイアマン氏は、マスク氏の発言を受け、「では乗客名簿に載せますね」と応じた。

 マスク氏はカンファレンスで1時間以上にわたって講演。聴衆に、Falcon Heavyの打ち上げを見学しにケープカナベラルに行くよう促し、「ワクワクする体験になること請け合いだ」と断言すると、会場から大きな笑いが巻き起こった。

 「Falcon Heavyにはたくさんのリスクがある。軌道に到達できない可能性も非常に高い。“major pucker factor(身がすくむほどの恐怖)”という表現がぴったりだ」とマスク氏は危機的状況を表すスラングを使って現在の状況を説明した。

 同氏によれば、Falcon Heavyの開発はSpaceXの当初の想定よりも困難なものとなっている。だがFalcon HeavyはFalcon 9の2倍以上のペイロードを軌道に運び、宇宙船Dragonを月の軌道まで運ぶことができるようになる見通しだ。

 火星計画に関しては、マスク氏は「この赤い惑星に宇宙飛行士を運ぶための各陣営の切磋琢磨に期待したい」という。NASAは何年も前から、火星探査のための国際的な取り組みを支援している。マスク氏は、少なくとも2カ国か3カ国で連合を結成し、まずは火星への到達を実現した上で開発を進めるのが得策である、との考えを示した。

 同氏は、宇宙飛行士の輸送を民間企業に委託するNASAの「商用乗組員輸送プログラム」の手法を称賛。現在SpaceXとBoeingがこのプログラムの下、ISSに宇宙飛行士を輸送するための宇宙船を開発中だ。米国は2011年のスペースシャトル打ち上げを最後に国内での有人打ち上げを停止し、宇宙飛行士の輸送をロシアのロケットに依存している。有人宇宙船Crew Dragonは従来のDragon補給船と同様、パラシュートで海上に着水する。安全面がまだ万全ではないとの理由から、陸への着陸は見送られた。

 さらにマスク氏は、火星の植民地化計画を経済的に実行可能なものとするための長期計画を更新したと話す。最新の計画では、宇宙船の小型化を図るが、それでもまだ大きいは大きいという。同氏は9月にオーストラリアで開催されるカンファレンスで最新の火星計画を披露すると約束した。

 「火星行きは気弱な人には向いていない。リスキーで、危険で、不快で、死ぬ可能性もある」とマスク氏は強調。「皆さんは行きたいですか。“あり得ない!”という人が大半だろうが、中には“もちろん!”という人もいるだろう」と続けている。

(日本語翻訳 ITmedia NEWS)

(C) AP通信

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